このイベントは、日本財団が推進する海洋ごみ対策プロジェクト「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環で開催するものです。
- イベント概要
イベント名 : 鳥取環境大学学生EMS委員会による河川ごみと海洋ごみについての調査報告会
日時:2023年3月24日(金)13:30~15:00
会場:日本海テレビジョン放送 本社(鳥取市田園町4丁目360)
発表者:横田凪菜さん(公立鳥取環境大学学生EMS委員会CFBプロジェクトリーダー)、友田幸太郎さん(公立鳥取環境大学学生EMS委員会)
パネリスト:太田太郎氏(公立鳥取環境大学 環境学部 環境学科 准教授)、小田健二氏(国土交通省中国地方整備局 鳥取河川国道事務所 千代水出張所長)
司会:岩本泰平 (日本海テレビジョン放送アナウンサー)
プログラム:1.司会者挨拶 2.学生による発表 3.パネラーによる感想・意見
配信URL:https://www.youtube.com/watch?v=NoPtKq0k4TU&t=978s
- 調査報告会の内容
鳥取環境大学学生EMS委員会は、海と日本プロジェクトと共同で「CHANGE FOR THE BLUEプロジェクト」に取り組んでおり、河川ごみと海洋ごみの調査を行っています。
今年度は2021年度から継続している河川ごみの挙動調査を出水期である9月に実施。千代川(鳥取県東部を流れる一級河川)で、GPSを付けた模擬ごみを上流から流し、どのように移動するかを調べました。その結果、水位が低い場合は、放流地点(上流)からあまり離れない場所に模擬ごみが溜まっていた一方、大雨が降って水位が上昇した後には河口付近まで到達しており、水位とごみの移動距離が比例関係にあることが判明しました。
また、マイクロプラスチックが生成される仕組みを調べる調査では、河川でマイクロプラスチックの収集調査を実施したものの、目視できるマイクロプラスチックは確認されませんでした。この結果からマイクロプラスチックは海に流れ出てから紫外線や波の働きによって細かくなり、生成されていると推測されます。
報告会では、調査結果としてこれらの「水位とごみの移動距離の関係」や「マイクロプラスチックが生成される仕組み」について発表を行いました。また、次年度の展望として、今後、街なかのプラスチックごみがどのように川へと流出するのかを調べる調査を行い、データを積み重ねて効果的な海洋ごみの削減方法について考えていきたいと話しました。
- 参加者の声
・太田准教授 (公立鳥取環境大学 環境学部 環境学科 准教授)
「マイクロプラスチックが河川で見つからなかったのは、鳥取の河川の特徴(河川の長さが短いこと)が要因の一つではないかとも感じました。今回はマイクロプラスチックとGPSを使った挙動調査を別々の項目として行っていましたが、うまく統合し連動させて調査を行っていくと、どうやってマイクロプラスチックが鳥取の川や海で生成されるのかをより深く追求できると思います。次年度の調査の計画に生かしてもらえたら面白いんじゃないかなと思います。」
・小田所長(国土交通省中国地方整備局 鳥取河川国道事務所 千代水出張所長)
「調査・分析を一歩ずつでも進め、マイクロプラスチックごみの生成のメカニズムを分析して対策をしていくことが大事だと感じました。また、発表を聞いて行政としては、河川や海を住民にきれいに使ってもらうことをもっとPRしていかないといけないと改めて感じました。海と日本プロジェクトとも連携して取り組みを進めていきたいと思いました。」
・友田さん(公立鳥取環境大学学生EMS委員会)
「今後については引き続き河川ごみの挙動調査を実施していき、さらにデータを収集・分析し、ごみを減らすための効果的なアクションにつなげていきたいと感じました。」
・横田さん(公立鳥取環境大学学生EMS委員会)
「今年度は自分たちの取り組みや調査をもとに、小学校(3校)で「河川ごみと海洋ごみ」に関する出前授業を実施しました。授業では、ごみを無くすために自分たちが出来ることは何だろうということを児童たちに考えてもらう時間を作りました。ごみを無くしたいという思いや取り組みを次の世代に伝えていって子供たちが自分たちで考え、ごみを無くすための活動を行ってくれたらいいなと思います。」
<団体概要>
団体名称:CHANGE FOR THE BLUE inとっとり実行委員会
URL:http://tottori.uminohi.jp/
活動内容:鳥取の海が抱える問題を、子どもたちをはじめ様々な人々が「自分ごと」として捉え、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、鳥取県内で行われる海に関する様々なイベントや活動を取材したり、開催しています。
CHANGE FOR THE BLUE
国民一人ひとりが海洋ごみの問題を自分ごと化し、”これ以上、海にごみを出さない”という社会全体の意識を向上させていくことを目標に、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として2018年11月から推進しているプロジェクトです。
産官学民からなるステークホルダーと連携して海洋ごみの削減モデルを作り、国内外に発信していきます。
https://uminohi.jp/umigomi/
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/