1. 2022年3 月期の連結業績(2021年3月 21 日~2022年3月 20 日)
2.ポラスグループ業績推移
3.ポラスグループ受注・販売状況
4.ポラスグループ従業員の状況
5.企業集団の状況
当社はグループ 26 社により住宅の設計、施工及び請負並びに住宅の分譲・不動産の売買、仲介、 賃貸借、管理及びそれらに関連する事業活動を行なっております。各社別概要は以下の通りです。
会社一覧
1.経営成績
(1)経営成績に関する分析
①事業の概況
当連結会計年度における我が国経済は、前期に続き新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けました。個人消費においては、9 月の緊急事態宣言解除により一旦は持ち直しの動きが期待されましたが、年末以降のオミクロン株感染急拡大により再び消費活動が制限されるなど、足踏みの状態が続きました。企業活動においては、米国の金融引き締めやウクライナ情勢の不透明感がある中で、金融資本市場の変動や原材料価格の高騰などによる国内景気への影響が払拭できない状況となっております。
当社グループが属する住宅業界においては、感染拡大による経済活動の制限や米国発ウッドショックによ る木材価格の高騰など住宅需要へのマイナス影響が懸念されましたが、在宅ニーズの高まりによる住環境の見直し等といった底堅い需要に支えられることになりました。また、住宅ローン減税制度が継続されたこともあり、2021 年新設住宅着工戸数が前年比で増加するなど、住宅需要は回復基調にありました。
こうした外部環境の下、当社グループは永続発展を図るために日々「進取挑戦」の精神を持ち、仕事に取り組んでまいりました。 主力事業である戸建分譲住宅事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う生活環境の変化が見られるなかで、IT を活用した非接触型の営業活動を拡充してまいりました。また、ウッドショック等による建築費の高騰を受けて企画方針の見直しに取り組み、ユーザー目線の魅力的な間取りと生活提案を強みとした新シリーズを企画しました。プレカット事業においては、木材需要の高まりやコンテナ船物流の停滞により、原材 料の入荷、在庫推移に合わせた生産・販売を行う状況となったものの、木材仕入に注力することで、取引先へ着実に供給し続けることができました。
その結果、売上高は 280,087 百万円(前年比 20.2%増)、経常利益は 33,428 百万円(前年比 89.0%増)、 親会社株主に帰属する当期純利益は 8,595 百万円(前年比 71.1%増)となり、売上高、経常利益、純利益は いずれも過去最高を記録しました。
②セグメント別主要事業の概況
(戸建分譲住宅事業)
戸建分譲住宅事業におきましては、地域密着経営により 15 年連続「住宅販売総合部門№1」を 3 商圏(さいたま、越谷、柏)で獲得するとともに、県別ビルダーランキングにおいて、千葉県は 4 年連続 6 回目の№1を獲得することができました。また、オリコン顧客満足度調査では、建売住宅の顧客満足度において、4 年連続総合№1 を受賞しました。公益財団法人日本デザイン振興会が主催する 2021 年度グッドデザイン賞では、 合計 4 物件で受賞し、2015 年度から連続で受賞しております。その結果、契約棟数は 3,050 棟(前年比 5.0%減)となりました。
(マンション分譲事業)
マンション分譲事業におきましては、特定非営利活動法人キッズデザイン協議会の主催する2021 年度キ ッズデザイン賞を 3 年連続で受賞することができました。また、株式会社リクルート住まいカンパニーが実施している、首都圏の新築マンション購入者が選んだ顧客満足度ランキング「SUUMO AWARD」2021 年において、「品質向上への取組部門」・「品質と価格のバランス文門」にて最優秀賞、「創造性・先進性部門」において優秀賞を受賞しました。その結果、契約戸数は 410 戸(前年比 1.2%減)となりました。
(注文住宅事業)
注文住宅事業におきましては、ここ数年で総合住宅展示場の役割が“出会いの場”から、事前に集めた情 報の“確認の場”へと明確にシフトしたことにより、その集客力は大幅に減少している環境下にあります。それ見越した対策として2018年度よりスタートし、当期で4拠点体制となった「体感すまいパーク」は、他社との差 別化に有効であり、当社グループ事業エリアでの優位性が実感できる年度となりました。その結果、契約棟数 は702棟(前年比16.4%増)となりました。
(プレカット事業)
プレカット事業におきましては、ロシアのウクライナ侵攻に伴う地政学リスクが発生し、国内外の木材市況 に大きく影響を与えております。更に、コンテナ船物流の停滞等の問題が重なり、調達ソースの多様化や代 替木材提案力が求められる状況にあります。これらのリスクに備え、輸入木材の長期契約や国産材の利用 促進等を通じてサプライチェーンの再構築を行いました。生産面では、ロボット導入、各種機械化や自動化 施策とともに、老朽設備の更新工事を行い、生産性向上を進めました。
(不動産売買仲介事業)
不動産売買仲介事業におきましては、地域密着による豊富な情報量により、中古住宅の売買のほか、新 築注文住宅用の土地の斡旋、賃貸事業で管理している賃貸入居者様への住み替え提案など様々なチャンネルで事業を展開しました。また、循環型ビジネスモデルとなるポラス施工物件の売買仲介契約が増大しま した。その結果、仲介手数料は 3,350 百万円(前年比 23.0%増)となりました。
(リフォーム事業)
リフォーム事業におきましては、既契約者フォローを強化するとともに、ポラスグループ大感謝祭などのイベント企画を積極的に展開し、受注高が前年より向上しました。その結果、リフォーム受注高は 9,377 百万 円(前年比 8.4%増)となりました。
(賃貸事業)
賃貸事業におきましては、メール反響数、新規来店客数の増加により、賃貸仲介手数料が増加しました。 管理物件の空室率も 4.8%と低水準となり、オーナー様の満足度向上を図ることができました。また、ビジネスマッチングを強化し、賃貸建築の請負と管理受託を推進した結果、管理受託戸数が増加しました。
③次期の見通し
当社グループを取り巻く経営環境は、ウクライナ情勢悪化によるエネルギー価格の高騰、世界的なインフレの進行、サプライチェーン・物流の混乱、ウッドショックや円安による資材価格の上昇など、不安定な状況が続くと見込まれます。国内でもインフレや金利上昇への臨機応変な備えが必要と見込まれます。 このような経営環境下で、当社グループは、グッドデザイン賞やインターナショナルデザインアワードといった社外の賞を受賞し商品付加価値を高めるなど、当社グループのブランド力向上に努めます。また、団地再生も含め、社外プロジェクトにも積極的に参加し、カーボンニュートラル、住生活基本計画を意識した新しい商品開発や各種施策に取り組んでまいります。
それらを受けて、2023 年 3 月期の連結業績予想については、売上高 290,000 百万円(前年比 3.5%増)、経常利益 25,000 百万円(前年比 25.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益 6,400 百万円(前年比 25.5%減)としております。