みちのく潮風トレイルは、青森県八戸市蕪島から福島県相馬市松川浦まで総延長1,000㎞を超える自然歩道です。環境省が整備し、2019年に全線が開通しました。垣添会長は2023年3月27日から6月下旬にかけて、みちのく潮風トレイルを4回に分けて北から南へ歩く予定です。
垣添会長のウォーキングによるがんサバイバー支援の活動は、2018年の「全国縦断がんサバイバー支援ウォーク」以来です。当時は九州から北海道まで、一部区間では交通機関も利用しながら約3,500㎞を延べ90日間かけて移動しました。この間、全国がんセンター協議会加盟の32病院を訪ね、がんサバイバーと語り合うなどしました。
みちのく潮風トレイルをたどる旅の第1回は3月27日、青森県八戸市のJR鮫駅をスタート。種差海岸など三陸海岸を南下し、4月9日に岩手県釜石市でのゴールをめざします。第1回の行程は423kmあまり。一部区間では交通機関などを利用しますが、体調や天候が許す限り、「がんサバイバーを支援しよう」と「3/11を忘れない」という二つのロゴの幟を掲げ、緑色のジャンパーに赤色で「3/11を忘れない」と書かれたピンバッジを付け、1日あたり20km前後を歩きます。全行程を映画監督の野澤和之氏が同行取材し、ドキュメンタリー映画『Dr.カキゾエ 歩く処方箋(仮題)』の制作も予定されています。
被災地を訪ねる今回、垣添会長は出発に先立ち、東日本大震災12周年となる3月11日、福島県相馬市の市民会館で営まれた追悼式に参列し、多くの犠牲者の方の冥福をお祈りしました。自身もがんサバ―バーである垣添会長は、思いもよらずがんに罹患した方と、突然の大地震で被災した方は基本的に同じだと考え、被災者や僧侶、再建した食堂の方たちも訪ねる予定です。また、宮城県立がんセンター(名取市)では被災し、かつ、がんに罹った方を訪ねるなど、この旅を通してさまざまな方たちとの交流を深めることにしています。
垣添会長は「サバイバー支援と3.11を忘れないという思いで各地のいろんな方々と交流したい」と話しています。日々の状況は、垣添会長のインスタグラム(https://www.instagram.com/t.kakizoe/)で報告していきます。応援をどうぞよろしくお願いいたします。
垣添忠生(かきぞえ・ただお)プロフィール
1941年大阪生まれ、1967年東京大学医 学部医学科卒業。泌尿器科を専攻し、1975年より国立がんセンター泌尿器科 医員。1992年中央病院長。2002年国立がんセンター総長。2007年定年退職し、現在は公益財団法人日本対がん協会会長。2019年12月より日本学士院会員。高松宮妃癌研究基金学術賞、日本医師会医学賞、瑞宝重光章などを受賞。著書に『妻を看取る日』(新潮社)、『悲しみの中にいるあなたへの処方箋』(新潮社)、『巡礼日記-亡き妻と歩いた600キロ』(中央公論新社)、『「Dr.カキゾエ黄門」漫遊記』(朝日新聞出版)など。
公益財団法人 日本対がん協会
1958年設立。「がんで悲しむ人や苦しむ人をなくしたい」との目標のもと、民間の立場で「がん予防・検診の推進」「がん患者・家族の支援」「正しい知識の啓発普及」という3つの柱に沿った活動に取り組んでいます。
■(公財)日本対がん協会《https://www.jcancer.jp/》
■がんサバイバー・クラブ《https://www.gsclub.jp/》
■リレー・フォー・ライフ《https://relayforlife.jp/》
■ピンクリボンフェスティバル《https://pinkribbonfestival.jp/》
■働く世代のためのがんリテラシー向上プロジェクト《https://www.jcancer.jp/hataraku/》