全員面談は、1年生の学習を直接サポートしている学習支援担当部門と、教学データの分析を担う学長直下のIR推進室(Institutional Research,IR)が協働して、学生の生活・学習状況を総合的に分析して面談資料を作成し、実施につなげている。2022年度には、必修科目への出席と課題の提出状況が十分ではない学生を抽出し、試行的に実施した。面談後には、「大学の先生と授業以外の場面で話せて楽しかった」「自分の前期の学びをふりかえる良い機会となった」など、学生から肯定的な意見が多く寄せられた。2023年度は、学生や担当した教職員からの意見をもとに改善し、全新入生を対象に、4月以降順次面談を行っていく。面談は、学習支援担当部門の教職員を中心に、大学の全教職員が持ち回りで担当する。
全員面談は、必修科目での学習が十分ではない学生のつまずきを解決することに加えて、学生生活の中で抱える悩みに寄り添うことで、大学が学生にとって安心・安全な居場所となることも期待している。教職員と学生のつながりをつくることで、多くの大学が直面する、早期の「あいまいな理由による中退」問題への対応策としても有効であるとIR推進室では考えている。
「面倒見のいい大学」は多くの大学が掲げるキャッチフレーズではあるが、その多くは就職・キャリア支援の充実に主眼が置かれている。これに対して桐蔭横浜大学の全員面談は、まだ大学生活に慣れない新入生の時期に、大学生活への適応に向けたサポートを行うものである。これは、桐蔭横浜大学が教育の柱として掲げる少人数教育を、授業外でのサポートへと拡張したものであり、入学直後から卒業までの学生生活をサポートする、最初のステップとなる。