半数以上が中学生以下 神戸市、「こども・若者ケアラー(ヤングケアラー)」相談・支援窓口開設から1年

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 神戸市が全国の自治体で初めて「こども・若者ケアラー相談・支援窓口」を開設してから1年。相談件数は176件で、匿名や市外からの連絡などを除いた69件についてサポートを行いました。当事者が小中学生のケースは39件で半数以上を占める一方、本人からの相談は6件にとどまるため、関係者への周知が重要であるという、全国初の窓口開設からの課題も見えてきました。

  • 相談の傾向と支援の課題

 69件の当事者の内訳は、小学生17人・中学生22人・高校生13人・大学生・大学院生6人・社会人11人で本人の相談はわずか9%でした。また、実際に当事者・家族に会えたのは25人で、「家族の世話をするのが当たり前」「他人を家に入れたくない」などが理由でした。

 逆に支援につながったケースとして、家族のケアのために不登校傾向にあった小学生に対し、ヘルパー利用回数を増やす対応を行う。認知症の祖父母の見守りを若者に対しては、施設入所の検討と同時に本人がケアの悩みを語る場「ふうのひろば」の紹介をするなど、身体的な負担と精神的負担を軽減する支援を実施。
今後の取り組みとしてヤングケアラーのいる家庭に訪問支援事業として無料でヘルパーを派遣し、自身の勉強や仕事に取り組める環境づくりを支援していきます。

  • 「こども・若者ケアラー」とは

障がいや病気のある家族、幼いきょうだいなど、ケアを必要とする人がいるために、本来大人が担うと想定されているような家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもや若者のことです。ヤングケアラーは一般的に18歳未満の児童を指しますが、神戸市では20代の方も含めて、「こども・若者ケアラー」と呼んでいます。

  • 専門窓口での相談

こども・若者ケアラー当事者や、関係者からの相談を受け付け、ケースに応じた支援へとつなげていく専門の窓口を開設しています。

場所神戸市総合福祉センター 1階
◇相談時間平日9時~17時(祝日・年末年始除く)
◇相談受付方法
1)電話078-361-7600
2)Eメール carer_shien@office.city.kobe.lg.jp
3)来所
対応業務
・相談への対応、相談ケースに応じた支援方針や支援計画の検討・決定
・介護保険サービスや障害福祉サービス等の公的サービスの活用に向けた調整
・ご家族に対するアプローチ
・学校等における見守り、寄り添い
・ケアラー同士の交流・情報交換のための居場所づくり(年度後半を予定)

※以下のページにマニュアルを掲載しています。福祉関係者の方は是非ご覧ください。
https://www.city.kobe.lg.jp/a06448/kodomowakamono_carer.html

  • 交流・情報交換の場 『ふぅのひろば』

神戸市では、こども・若者ケアラー同士が気軽に集えて交流・情報交換する場を設けています。

開催日は「こうべユースネット」(https://www.kobe-youthnet.jp/?cat=16)をご確認ください。
◇場所:神戸市青少年会館
※「ふぅ」は、ひと呼吸(休憩)、ゆったり、潮風(神戸の風)、Future(未来)の意味をこめました。

  • 葺合高校生による啓発動画の作成

ヤングケアラーについて課題研究で取り上げた市立葺合高校の学生が、福祉局を取材して、啓発
動画を作成しました。
◇タイトル:決してあなたは一人じゃない ~いつも頑張る優しいあなたへ~(約4分)
◇啓発動画は以下に掲載していますので、ぜひ一度ご覧ください。
https://www.city.kobe.lg.jp/a06448/kodomowakamono_carer.html

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