本カンファレンスは、「アスリート・指導者が知っておくべきアスリートキャリアの向上とライフキャリアの関係」を大きなテーマとし開催いたしました。スポーツキャリアサポートコンソーシアム高橋義雄会長は開会の挨拶にて、「アスリートセンタードとして多くのアスリートに関わる大人たちがみんなで手を取り合い、アスリートを育てていくことができる環境が求められている」ということについて参加者へ伝えました。
次にスポーツ庁室伏広治長官が「スポーツキャリアサポート支援事業」について説明をしました。室伏長官は「アスリートのキャリア全体を見据えたサポートができる指導者不足等の課題に対して、コンソーシアム加盟団体と連携し、アスリートが引退後の社会で競技を通じて培った能力を存分に発揮できるようサポートを充実させていきたい」ということを伝えました。
その後に3つのセッションが実施されました。セッション1では“アスリートのキャリアについて考える”をテーマに、JOCアスリート委員会委員長の松田丈志氏、スポーツ心理学博士/(株)Tsutomu FUSE, PhD Sport Psychology Service 代表取締役/慶応義塾大学スポーツ医学研究センター研究員の布施努氏、特定非営利活動法人キャリアカウンセリング協会理事長の藤田真也氏らで熱く議論が交わされました。セッション2では法政大学キャリアデザイン学部教授/一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事である田中研之輔氏がモデレーターとなり、”指導者に求められるキャリア支援とは”をテーマとし、スポーツコメンテーター(元プロ野球選手)の古田敦也氏、スポ―ツ庁参事官(民間スポーツ担当)付の渡邉一樹氏によるクロストーク後、スポーツ人材係長株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホック取締役ゼネラルマネージャーの西村卓朗氏、有限会社レジックスポーツ取締役専務(元体操女子日本代表選手)の岡﨑美穂氏、一般社団法人Japan PDP理事/東京サントリーサンゴリアスPDMの小沼健太郎氏、一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)専務理事/仙台大学教授の池田敦司氏らでキャリア開発の取り組み事例について紹介されました。セッション3では”アスリート人材への期待”について、企業事例の紹介やACCの取り組みを語っていただきました。
※スポーツキャリアサポートコンソーシアムは、2017年2月にスポーツ庁委託事業の一環として、アスリートのキャリア形成を支援する体制を整備することを目指して創設されました。本コンソーシアムは、協働と共益の理念に基づき、スポーツ界、教育界、経済界などから団体・法人・個人が参画し、アスリートのキャリア形成を実際に支援するコーディネーターの育成等を行っています。
【当日コメント:SCSC会長 高橋 義雄】
スポーツを通してアスリートが育つことで社会にとって活躍できる、可能性の広がる人材となる。
指導者の方々には一人で責任を背負うだけでなく、これからはアスリートセンタードとして多くの大人たちがみんなでアスリートを育てていけるような環境が求められている。ぜひ指導者同士も心を開いて多くの方々とアスリートを囲んで、みんなで良い選手を育てていけるような社会を目指したい。
【当日コメント:スポーツ庁長官 室伏 広治】
アスリートのキャリア形成を取り巻く支援の輪は拡大しているが、一方で中央競技団体や大学のコンソーシアムからの加盟数が少ない現状である。また、競技力の向上だけでなく、アスリートのキャリア全体を見据えたサポートができる指導者が不足しているという課題がある。SCSCでは、こうした課題を解決するために加盟団体と連携を図り、アスリートが自らキャリアを主体的に考えることができ、競技を通じて培った能力を引退後の社会でも存分に発揮できるようサポートの取り組みを充実させていきたい。
【スポーツ庁長官 室伏 広治】
【SCSC会長 高橋 義雄】
【フォトセッション(全体)】
【フォトセッション(古田様、髙橋会長、室伏長官、松田様】