あたたかい住まいで、健康・快適な暮らしへ。「リフォームを取り巻く生活者動向【第5回】」

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株式会社LIXIL(以下 LIXIL)は、「リフォームを取り巻く生活者動向」をまとめ、シリーズ(全5回)で順次公表いたします。第5回は『あたたかい住まいで、健康・快適な暮らしへ。』です。

食事に運動、睡眠など、健康を維持するために日々、気を使っている人は多いことでしょう。では、「住まいの温度」、特に冬の「住まいの暖かさ」について気を付けている人はどのくらいいるでしょうか。この10年で、冬の室内温度が健康に大きく影響することがわかってきました。

国も住まいの省エネ化を強力に推進しています。2022年11月、経済産業省と国土交通省は環境省が3省連携による住宅支援制度を発表しました。家庭部門の省エネを強力に推進するため、「窓の断熱改修」をはじめとした省エネ対策を推進する計2,800億円分の補助制度が新たに盛り込まれました。内容は断熱性の高い窓へリフォームした場合、工事内容に応じて ( 補助率1 / 2 程度)、一戸あたり上限200万円まで助成するというもの。窓のほかにも高効率給湯器や高断熱浴槽の設置といった省エネ設備へのリフォームも助成対象となっています。

近年、国の支援制度が発表されるなど、「省エネ」や「節電」の観点からも注目されている住まいの断熱ですが、まだまだ知られていない健康面でのメリットもたくさんあります。今回は、高齢者の方はもちろん、小さなお子さん、働き盛りの世代も見逃せない住まいと健康の関係についてレポートします。

●寒さは我慢するもの?日本は断熱後進国
欧州をはじめ、世界各国では高い基準を定め、住まいの断熱性、省エネ性を高める施策を行ってきました。しかし日本の住まいは、未だに寒いままです。国内にある既存住宅約5000 万戸のうち、現行の省エネ基準を満たしている住宅はわずか 10%にすぎません。残り90%の住まいは、夏は暑く、冬は寒い、断熱性能に乏しい住まいのままなのです。

●暖かい住まいが「病気」を遠ざける
病気になってから治療するのではなく、「病気にかからないよう予防する」ことを「予防医学」といいます。年齢を重ねても心身ともに健康で生きたいというのは、多くの人が願うところでしょう。そこで欠かせないのが「ゼロ次予防」で、いわゆる住空間づくりが該当します。温度や空気、水、光、自然といった、基礎になる住環境を整えることで、長期にわたって心身の健康が維持できるという考え方です。

ここで大事になるのが、温度です。WHO(世界保健機構)は、住む人の健康を守るためには冬の住宅の最低室内温度を18度以上にすべきと勧告しています。英国では寒い家とそこに暮らす人の死亡率の関係について長年にわたって研究が続けられてきましたが、室温が18度未満で血圧が上昇、循環器疾患の恐れが高まることがわかっています。さらに室温が16度以下で呼吸器系疾患の抵抗力が低下するなど、大きな健康リスクがあるとされています。そのため、「英国保健省の冬季住宅内室温指針」では室内18度を許容室温としています。昔から「冷えは万病の元」といわれてきましたが、現代の予防医学により「暖かい家は病気を遠ざける」ことがわかってきたのです。

 

●減らそう! 家庭内のヒートショック
夏、連日のように熱中症の注意喚起が行われますが、寒い冬の場合は「ヒートショック」に注意が必要です。その原因の1つとされていてる入浴中の死亡者数は年間1万9千人と推計され、交通事故死亡者の約5倍にあたります。
ヒートショックで気をつけるべきは、急激な温度差です。築年数が経過した断熱性能が低い家などでは、廊下などの普段過ごしていない部屋が寒くなりやすいので注意が必要です。特に、脱衣場は浴室との温度差も大きいことや、室内が寒いために早く温まろうと熱めの湯につかる場合もあることから、血圧が乱高下し、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こしやすくなるといわれています。
対策として急激な温度差をなくすことが重要です。脱衣室やトイレといった寒くなりやすい部屋に電気ヒーターなどを設置する、お湯はり時にふたをせず浴室を暖める、お湯の温度を41度以下にする、入浴前に水分をとるといった対処もできます。
ただ、根本的な解決として有効なのは、住まいそのものの断熱性能を高め、部屋間の温度差を少なくすることです。普段、長く過ごす部屋はもちろん、脱衣所やお風呂、トイレなども、寒暖差なく室温18度以上あれば、今はもちろん、年齢を重ねても安心して過ごせることでしょう。

●「住まいStudio」でこれからの住まいのあたたかさを体感&納得!
「住まいStudio」は、住宅の断熱性能の違いによる冬の室内温度の感じ方、夏の日差しを遮る方法など、快適な暮らしについて学べる体験型ショールームです。特に「Studio冬」では、施設内に冬を想定した環境条件を再現し、「昔の家(省エネルギー基準:昭和55年基準)」「今の家(省エネルギー基準:平成28 年基準)」「 これからの家HEAT20 G2」の3つの部屋があります。サッシやガラスをさわって温度の違いを体感したり、サーモグラフで温度状況を見たり。温熱環境、断熱性能を「見て」「さわって」「体感できる」施設です。

●断熱に関する様々な情報を発信しています!
断熱先生こと住まいStudio東京館長の古溝洋明が、まだまだ知られていない住まいに関わる断熱についてのアレコレを“分かりやすく”、“暮らしのお役立ち情報”として発信しています。

LIXIL公式note「断熱先生のダンネツノート」
https://note.com/dannetsu_note

About LIXIL
LIXILは、世界中の誰もが願う豊かで快適な住まいを実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、お風呂、キッチンなどの水まわり製品と窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供しています。ものづくりの伝統を礎に、INAX、GROHE、American Standard、TOSTEMをはじめとする数々の製品ブランドを通して、世界をリードする技術やイノベーションで、人びとのより良い暮らしに貢献しています。現在約55,000人の従業員を擁し、世界150カ国以上で事業を展開するLIXILは、生活者の視点に立った製品を提供することで、毎日世界で10億人以上の人びとの暮らしを支えています。
株式会社LIXIL(証券コード: 5938)は、2022年3月期に1兆4,286億円の連結売上高を計上しています。
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