女子教育制限続くアフガニスタン、今年新たに21万5千人が中等教育に進めず【プレスリリース】

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ラグマーンの高校で授業を受ける小学6年生の女の子たち。(アフガニスタン、2022年10月撮影) © UNICEF_UN0735857_Karimiラグマーンの高校で授業を受ける小学6年生の女の子たち。(アフガニスタン、2022年10月撮影) © UNICEF_UN0735857_Karimi

【2023年1月30日 ニューヨーク発】

ユニセフ(国連児童基金)事務局次長のオマール・アブディは、アフガニスタンにおける女子教育の制限に関し、国連の記者会見において以下の通り述べました。

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ユニセフは、国内外の非政府組織(NGO)の女性の人道支援従事者による活動をアフガニスタン全土で禁止したことを撤回するよう要請しました。またこれに加え、すべての女の子と女性を市民生活、特に中等教育や高等教育から取り残さないよう要請、働きかけを続けています。

判明した数字は驚くべきものです。中等学校に通っていたはずの100万人以上の女の子が、この3年間、学ぶ機会を失っています――初めは新型コロナウイルス感染症拡大のため、そして2021年9月からは中等学校への通学禁止のためです。大学や教育センターから女性を締め出すという昨年12月20日の通知により、アフガニスタンの女の子や女性が学び、働くという希望が、またしても打ち砕かれました。私たちは、女の子や女性の発達、特にメンタルヘルスへの影響を非常に憂慮しています。

2023年、もし中等教育への扉が閉ざされたままであれば、昨年小学校6年に在籍していた推定21万5,000人の女の子が、再び、学ぶ権利を否定されることになります。
 

ユニセフが支援する子どもにやさしい空間で、授業に参加する女の子たち。(アフガニスタン、2022年10月撮影) © UNICEF_UN0745167_Naftalinユニセフが支援する子どもにやさしい空間で、授業に参加する女の子たち。(アフガニスタン、2022年10月撮影) © UNICEF_UN0745167_Naftalin

たとえ困難な状況であっても、アフガニスタンの人々はあきらめていません。ですから、私たちもあきらめてはいけないのです。

明るい兆しもあります。女の子が中等学校へ通うことを禁止して以降も、およそ12の州で推定20万人の女の子が中等学校に通い続け、中等学校の女性教員は事実上の当局から引き続き給料を受け取っています。 先週カブールで会った当局者たちとは、女子が中等学校で学ぶことに反対していないとの立場を再確認できています。彼らの指導者にガイドラインが承認されれば学校を再開することを、カブールの当局者たちはあらためて確約しました。

さらに昨年は、個人宅や公共の場で行われるコミュニティベースの教育(Community Based Education)のクラスの数が、1万から2万へと倍増しました。約60万人の子どもたちがそこで学んでおり、そのうち55%が女の子です。 以前は紛争のために到達できなかった国内の多くの地域に今は行けるようになったため、一度も学校に通ったことのない子どもたちにも教育が行き届くようになりました。

このような前向きな兆候は、事実上の当局の関与と、学校やコミュニティベースの授業の門戸を開き続けるよう求める地元のコミュニティからの突き上げ、双方があってのものです。

地元コミュニティが教育を求め続ける限り、私たちは公的な教育だけでなく、コミュニティベースの教育のクラスや遅れを取り戻すクラス、職業訓練など、他の形態の教育も支援し続けなければなりません。 教育がなければ、アフガニスタンの女の子と女性のより良い未来は望めないのです。

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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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