「経済学者を対象とした経済・財政についてのアンケート調査」結果

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[本文はこちら] https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=4160

1月23日より始まる通常国会では、防衛や少子化など様々な課題への対策と、その財源捻出について議論が行われる予定です。経済学者たちは、日本経済の今後の展望をどう捉えているのでしょうか。金融緩和政策、財政赤字、消費税増税についてどういう認識を持っているのでしょうか。このたび東京財団政策研究所(※)では、経済の専門家に対して日本経済と財政に関する見通しについてのウェブ調査を実施し、その分析結果をReview(論考)として公表いたしました。

(※) 「多様な国民に受け入れられる財政再建・社会保障制度改革の在り方:行動経済学・政治学の知見から」研究プログラム(研究代表者:佐藤主光)

[Review概要]
1.  経済・財政について「専門家」としての経済学者の間で認識が共有されているか否かを検証するため727名の経済の専門家に対して日本経済と財政に関する見通しについてのウェブ調査を実施した。調査にあたっては、IDEAS にある”Top 25% Institutions and Economists in Japan” (「日本におけるトップ 25%研究機関及び経済学者」)に掲載された、経済学及び関連分野を専門とする大学の研究者について、公開されている連絡先データを使用し、727名の対象者リストを作成。最終的な調査回答者数は282名、回答率は 38.8%だった。
2.  政策の優先順位としては大規模な財政出動よりも、規制改革、財政再建に多くの支持が集まった。
3.  財政赤字は大きな問題であり、このままでは将来的に厳しい財政再建が迫られるとする意見が多くを占めた。
4.  消費税については世代間で公平、効率的、安定財源と肯定的な意見が多数だった。
5.  財政赤字への問題意識、財政政策の在り方について一定の共通認識があることが確認された。ネット世論や一部エコノミストの意見と大きな違いがあるが、学派・所属機関を超え、広く学術研究者の意見を取りまとめた意義が大きいといえよう。
6.  今後、同研究プログラムで並行してウェブ調査を行った、国民の認識と経済学者の認識の差の分析についても論考を出す予定である。

[研究プログラム]
「多様な国民に受け入れられる財政再建・社会保障制度改革の在り方:行動経済学・政治学の知見から」
https://www.tkfd.or.jp/programs/detail.php?u_id=26
研究代表者:佐藤主光 東京財団政策研究所研究主幹、一橋大学経済学研究科教授
研究分担者:大竹文雄 東京財団政策研究所研究主幹、大阪大学感染症総合教育研究拠点 特任教授
加藤創太 東京財団政策研究所研究主幹
小林慶一郎 東京財団政策研究所研究主幹、慶應義塾大学経済学部教授
前田幸男 東京財団政策研究所研究主幹、東京大学大学院情報学環教授

[執筆者]
佐藤主光 東京財団政策研究所研究主幹、一橋大学経済学研究科教授

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◇◆東京財団政策研究所の方向性◆◇
戦後75年が過ぎ、国内外を問わず、社会の大きな転換が進んでいます。この大転換は、戦後の政治・経済・社会の体制から本格的に脱皮し、市民一人ひとりが独立した人間として自らの人生と社会の充実、国家の再生、平和の維持に携わる新しい時代を日本にもたらしています。また、この新たな時代を創るための政策研究・実践のイノベーター(革新者)として、戦後の体制からの独立した政策シンクタンクが必要とされています。
当財団の研究部門は、この大転換期が求める日本再生のイノベーターを目指します。

◇◆取り組む分野◆◇
国際情勢と歴史認識への冷静な視座のもと、下記5領域で約30の研究プログラムを並行して進めています。
Ⅰ. 経済・財政、環境・資源・エネルギー
Ⅱ. 健康・医療・看護・介護
Ⅲ. 教育・人材育成、雇用・社会保障
Ⅳ. 科学技術、イノベーション

Ⅴ. デジタル革命、デジタル化による社会構造転換

 

 

 

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