産学連携!エンターテインメントの力で社会課題の解決を模索

この記事は約6分で読めます。
大正大学(学長:髙橋秀裕、所在地:東京都豊島区)の表現文化学科アート&エンターテインメントワークコースの 2 年生 57名が、ワークショップ形式で実施される2022年度秋学期ソーシャルデザイン基礎(担当教員:外川智恵)の授業において、企業・団体と共同で様々な社会課題の解決をエンターテインメントの力で模索(※)しました。 
今年度の全体テーマ「2025年問題(こども・高齢者・医療)」のうち、11月22日(火)から始まった第3弾のテーマ「医療」では、2021年度からご協力いただいている「Patient Empowerment Program(以下、PEP)」(主催:一般社団法人オンコロジー教育推進プロジェクト 理事長:福岡正博、所在地:東京都港区)の活動である「患者力(=患者自身の病気への理解力や情報の見極め方を高めていく力)」を普及させることを目的とした啓蒙活動(PR方法)において10チームが予選を行いました。1月10日(火)に開催された決勝大会では、選出された6チームがプレゼンテーションを実施し、論理性・独自性・新奇性・実現性・表現力の面から最優秀チームが選出されました。協力団体より副賞として、アイデアの起用・連携などの特典が用意される予定で、大学と実社会を行き来する先進的な取り組みとなっています。

予選を通過したチームによるプレゼンテーション予選を通過したチームによるプレゼンテーション

ZOOMを活用し、遠方の講師を交えたハイブリッド形式にて実施ZOOMを活用し、遠方の講師を交えたハイブリッド形式にて実施

【本件のポイント】

  1. 社会問題に対して当事者意識を持ち、社会課題の解決に自らの学びを結びつけるPBLでの取り組みです
  2. 企業・団体の直面する社会課題に自ら取り組むことで、大学での学修の枠を超えた新しい学習区分の実践となります
  3. 学生一人一人が分析・立案した企画を社会に向けて発表する場の提供は自己肯定感の創出になり得ます

​(※)学生が表現力やコミュニケーションスキル、分析力を駆使した PBL(課題解決型学習)で実用的かつ実践的な学びを可能とし、本授業の到達目標7項目のうち、「前期で得た知見を効果的にPRする手法」「共同研究企業、当該業界の取り組みを踏まえて企画立案する」を重点的に追究します。

■ご指導いただいた講師のみなさま
上野 直人 様(ハワイ大学がんセンター)
東 光久様(奈良県総合医療センター)
長谷川 友美 様(白河厚生総合病院)
守田 亮 様(秋田厚生医療センター)

■「『患者力』普及のための啓発活動」
最優秀チーム(同率首位)

「AED」
・明吉七星さん・下馬場ひかるさん・関帆乘さん・番場彩愛さん・松本莉奈さん
【発表概要】
『患者が医療に対して当事者意識を持ち、自分の意思や疑問を伝えることができる力』がテーマ。老人ホームに入居中の高齢者の方をターゲットに、大切にしたいことを書いたカードを自身の優先順位で取捨選択していくことで、病気になった時に自身の求める治療法や大切にしたいことを再認識できるだけでなく、伝える力を身に付けることが期待できる。医師に自分が何を重要視するかなどを伝えることで、適切な治療を受けることが出来るだけでなく、効率的な治療も期待できる。
 最優秀チーム(同率首位)
「荻原のお」
・荻原直希さん・藤森百香さん・南りおさん・山内杏夏さん・小宮梨音さん
【発表概要】
近所の病院の場所が分からない、どの位の症状で受診すべきか不明、などの患者力が低いと推測される一人暮らしの大学生をターゲットに、患者力の向上を図るため「知る」「伝える」「会話する」の3つのスキルのバランスを調べる『患者力タイプ診断』を提唱。診断により、自身のスキルバランスを踏まえた上でスキルアップに繋がるアドバイスをすることができる。イメージキャラクターの設定で親しみやすく、クイズ形式で楽しく自身の健康と病気に関する意識醸成が期待できる。
【講評】
PEP 東 光久様、守田 亮様、長谷川 友美様

どの企画も本当に良くて迷ったが、今回は2025年に実装できる具体的な企画の詳細を示せているかという点と、今後プロジェクトとして一緒に進めていけるものとして判断した。医療を「表現」で、というのはすごく難しい。こんなにいろいろな分野からのアプローチは初めてですごく悩んだが、新しい気付きを沢山くれる皆さんと仲間として一緒に働きたいと思った。

長谷川友美講師(白河厚生総合病院)を囲む最優秀賞2チーム「AED」「荻原のお」長谷川友美講師(白河厚生総合病院)を囲む最優秀賞2チーム「AED」「荻原のお」

〈協力団体〉
■Patient Empowerment Program(PEP)
患者を中心としたチーム医療を実現するには、患者自身が病気や治療について理解し、医療者任せにしない姿勢が大切であり、コミュニケーション能力や、さまざま情報を吟味し、また患者自身の想いを伝えられるスキルも必要といえます。この「患者力」を引き出し、養うため、医療者はもちろん、医療の垣根を越え、様々なアプローチで社会を変えていく取り組みです。公式HP:https://www.pep-med.org/
・「患者力」:自分の病気を医療者任せにせず、自分事として受け止め、色々な知識を習得し、医療者と十分なコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、人生を前向きに生きようとする患者の姿勢のこと
・一般社団法人オンコロジー教育推進プロジェクト
公式HP:http://www.oncology-education.or.jp/servise/index.html

 ◆表現学部表現文化学科アート&エンターテインメントワークコース
表現学部表現文化学科は1年次に表現文化学科に属する4つのコースの分野を全て学修します。1年間の学修や経験を踏まえ、興味・関心のある分野を2年次に選択します。本コースでは、チームの一員として何が必要とされ、どう行動すべきかを考え、さらに知的財産権、マーケティング、広報などの知識を学び、センスを磨き、業界の枠を超えて広く社会で活躍する能力を養います。アートとエンターテインメントに関わる領域について横断的に学び、アートワークをエンターテインメントビジネスにしていく術についての知見を蓄えます。https://www.tais.ac.jp/faculty/department/art_entertainment/

◆大正大学
大正大学は、設立四宗派の天台宗・真言宗豊山派・真言宗智山派・浄土宗および時宗が協働して運営する大学です。その協働の精神を支えているのが、大正15年(1926)の創立時に本学が掲げた、「智慧と慈悲の実践」という建学の理念です。建学の理念のもとに〈慈悲・自灯明・中道・共生〉という仏教精神に根ざした教育ビジョン「4つの人となる」を掲げて教育研究の活動を展開しています。また、令和2年度文部科学省「知識集約型社会を支える人材育成事業」に本学が推進する「新時代の地域のあり方を構想する地域戦略人材育成事業」が採択されました。公式HP:https://www.tais.ac.jp/

タイトルとURLをコピーしました