大型土のうに代わる防災製品「ハイウェイデルタ」開発

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大型膜面構造物(テント構造物)や土木・物流資材などを手がける太陽工業株式会社(東京本社:東京都世田谷区、大阪本社:大阪市淀川区、社長:能村 祐己)は、道路災害発生時の早急な復旧を支援する土のうに代わる仮設大型水のう「ハイウェイデルタ」を、中日本ハイウェイ・メンテナンス中央株式会社(本社:東京都八王子市、代表取締役社長:河合 朝仁)と共同開発し製造を開始しました。「ハイウェイデルタ」は2023年1月より、中日本ハイウェイ・メンテナンス中央株式会社から全国の道路維持修繕業務を請け負う会社や自治体を対象に販売されます。

(左)災害発生時 (右)ハイウェイデルタを設置し復旧 ※写真はイメージ

 地すべりや土石流、がけ崩れなどの土砂災害は近年増加傾向にあります。国土交通省によると2021年までの10年間は、それ以前の10年間と比較すると年平均の発生件数が約1.3倍に増加しています(令和3年の土砂災害/国土交通省砂防部)。道路斜面でこうした土砂災害が発生した場合は、土砂撤去などの応急処置をしたのち、道路へさらなる泥水や石が侵入することを防ぐ必要があります。「ハイウェイデルタ」はこうした泥水や石を防ぐための仮設大型水のうです。防水性の高いシートを用いて製作した三角形の長い袋体で、伸ばして敷設し、その中に水を注入することで強固な水のうとなります。これまでの土のう(トンパック)に代わる防災ツールとして軽量で、コンパクトに折りたたんで収納でき移動も容易で、すばやく設置できます。何回でも使用することができるため環境や資源にも配慮しています。
 
本製品は当社の水害対策製品「デルタチューブ」をもとに、中日本ハイウェイ・メンテナンス中央株式会社との協力により、約1年半をかけて道路脇で使用可能な製品として改良しました。三角形の形状を見直し、道路の方向を分かりやすくする矢印反射板や保護マットなど道路脇で必要なものを装備して製品化しています。

<おもな特徴>
①可搬性
・    従来の方法(大型土のう設置)と比べた場合、収納状態で現地へ運搬可能

②省力化
・大型土のうの設置には重機が必要となりますが、ハイウェイデルタは必要ありません
・運搬にかかる往復作業の必要がありません
・1基設置する場合、4人の作業員により15分で設置完了
※中日本ハイウェイメンテナンス中央の散水車を使用した場合

③再利用可能
・土のうの場合、撤去時に破損し土砂が散乱する場合がある
・雪氷用塩(塩化ナトリウム等)用袋を使用すると、撤去後の廃棄物処理が必要となる場合がある

④道路利用者の安全性
・    大型土のうの場合、衝突が大事故につながる可能性が高い。ハイウェイデルタは水のうのため衝突の衝撃を緩和できる

■ハイウェイデルタ 概要
製 品: ハイウェイデルタ
販 売: 中日本ハイウェイ・メンテナンス中央株式会社
仕 様: 高さ1.1m×幅1.2m×長さ6m 重量40kg/基  容量4.5㎥
材 質: 基布:ポリエステル100%、コーティング樹脂:ポリ塩化ビニル(PVC)
開 発: 中日本ハイウェイ・メンテナンス中央株式会社/太陽工業株式会社
製 造: 太陽工業株式会社

 
■太陽工業株式会社について
太陽工業は、社会の安心・安全を支え、人々の豊かな生活の実現に貢献することを目指す「膜構造のリーディングカンパニー」です。軽くて丈夫な素材の特性を活かし、巨大ドームの屋根に象徴される各種建築事業をはじめ、土木や物流、さらには環境分野などにも製品を展開しています。特に近年では、各地で多発する災害時の緊急対応や、新型コロナ対策の医療用テントでも社会の注目を集めつつあります。​

公式HP:https://www.taiyokogyo.co.jp/

<ご参考>
太陽工業の水害対策製品について

太陽工業では、街中から河川沿い、いざという時のために幅広い水害対策器材を開発、製造、販売しています。「ハイウェイデルタ」は、土のうに代わる水防ツール「デルタチューブ(下写真)」を応用して開発した道路災害対策の新製品です。

 

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