それぞれの園の方針や方向を考える保育者が集まってアイディアを出し合い、保育業界をよりよいものにしていく主任保育士・設置者向けコミュニティ市村弘貴とますだかよによる、「井戸端チームビルディング」を開設

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保育業界でこどもたちの未来を明るいものにしたいと思い、日々努力されている保育士の方々が多い中、心が痛む衝撃的なニュースやSNSなどでも困惑されている保育士の様子がたくさん流れていました。

園児の置き去り、不適切な保育・・・

こうした事件、事故について、様々な原因があるかと思います。

とくに保育士の業界では園児1人に対し、0歳児であれば3人のこどもに対し保育士1人、1歳児、2歳児は6人に1人、3歳児は20人に1人、4歳、5歳児は30人に1人という、過酷な配置基準の見直しを求める声も少なくはありません。(地域、自治体により異なる地域もあります)
もちろん、そうしたこどもたちの環境をよりよくしていくという課題も大きいのでしょう。
そうした声を上げていくことも大切だと思います。
一方、私たちに、この業界を少しでも明るいものにするため、できることはないだろうか・・・
そう考え、一番に思いついたのが保育の職場の人間関係でした。
保育の現場で起きている事件や事故についても、この保育の職場の人間関係を改善していくことに希望を感じたからです。

それが、この保育士のためのコミュニティ「井戸端チームビルディング」を立ち上げることとなったわたしたちの想いです。

【コミュニティのオーナー紹介】

市村弘貴

60年以上続く幼稚園、保育園、行政サービス事業など、さまざまな教育、保育事業を経営し、そのノウハウを伝え、教育業界にリーダーを誕生させるため立ち上げたfmlp株式会社代表取締役を務める

ますだかよ

公立保育園正規職員を退職後親子療育通園施設、児童発達支援事業、放課後等デイサービス等で管理職経験をいかし、カウンセリング、コーチング、研修、保育で悩まれている保育士への直接的なアドバイス(保育コンサル) などさまざまな角度で保育士をサポートしている

 

主任・設置者向けの保育者コミュニティ『井戸端チームビルディング』主任・設置者向けの保育者コミュニティ『井戸端チームビルディング』

保育士は子どもの教育の専門家ではあるが、チームづくりについては無知に等しい

「普段頑張っていたスタッフが突然退職を希望してきた・・・」
初めは、わたしたちがアドバイスをさせていただいている園からのこうした相談がきっかけでした。

話を聞かせて頂いている中で、すぐに原因は見つかりました。
子どもたちのため、保育に関してはとても考え、ステキな保育を実践されている園だったのですが、職場の文化や意識の統一といった、職場の中に対して(そこで働く大人に対して)の取り組みはあまりされていなかったのです。

近年、「保育士不足」という言葉をよく聞くようになりました。
その原因は、さまざまですが、
離職が多い業界でもあるということもひとつの原因だと思います。

保育士に保育士になった理由を聞くと、ほとんどの方が小さい頃から保育士になりたいと願い、その夢をかなえ就職することが多く、一見夢や希望に満ち溢れた業界のように感じます。
それなのに、なぜこうまで離職が多い業界になってしまうのでしょうか。

離職の原因を調べてみると、その原因の多くは人間関係が占めていると言われています。
子どもたちに人と関ることの大切さや幸せを教えているはずの保育士の離職の原因を知ったとき、本当になんとかしたいという強い気持ちを抱くようになりました。

わたしたちはこういった実態を目にしたとき、誰が悪いのかというところに目が行きがちですが、犯人探しから問題解決へ向かうことはできません。

なぜなら、わたしたちが見てきたほとんどの施設が、よりよい職場環境を作りたいと願っているのです。
ただ、そのやり方を知らない、もしくは、やり方と想いがずれてしまっているという場合が意外と多いように感じます。

そうした日々の積み重ねが、

「あれ、なんか変だな・・・」
と、感じることも、口に出さず、やり過ごす。そんな文化が出来上がってしまうのです。

チームを作っているリーダーたちは何もしていないわけではないのです。日々悩み、苦しみながらも、チームを良くしたいともがいているけど、やり方を知らない(教わっていない)が故に、成果が伴っていないのです。

そんな時、これまでのわたしたちの経験が役に立てないだろうか。と感じるようになりました。
そこで、同じ立場のリーダー同士が集い、学び合い、悩みや情報を共有し、ともに育ち合い、現場でリーダーシップを発揮することで、子どもたちのため、よい職場環境づくりを実践していく。そんなコミュニティを作りたい!と願うようになったのです。

わたしたちは、これまでに実際に教育施設の運営、教育施設へのアドバイスを通し、チーム、組織に変化を起こしてきました。
・今まで、会議では誰も発言しなかったが、より良い園づくりのため、みなが意見を出し合うようになってくれた。
・職場にとってなにが一番いいのか、いいことも、悪いことも話し合えるようになった

こうした変化を起こすために足らなかったものは、組織内のコミュニケーションでした。

コミュニケーションの改善後、社内のいたるところで助け合いや会話が増えていきました。
トップダウンでものごとが決まっていた現場が、チーム自ら課題を乗り越えるチームに成長したのです。
こうした、職場の意識や文化を改革することでも、悲しい事故や事件をなくす事に大きく貢献できるとわたしたちは信じています。

この「井戸端チームビルディング」の井戸端には、色々な所で井戸端会議が開かれ、園やこどもたちのことを、役職、担当クラス関係なく、垣根を越えて話し合える組織を作る。そうした願いが込められています。
また、この「井戸端チームビルディング」はコロナ禍でも力を発揮します。
正解のない時代だからこそ、仲間たちが集い、思ったこと、違和感を口に出し、前へ進んでいく。その力をチームに育てていくのです。
 

職員間でのコミュニケーションの様子職員間でのコミュニケーションの様子

コミュニケーションの充実が離職にも繋がるコミュニケーションの充実が離職にも繋がる

自分たちの職場や組織を越えて・・・
全国のこどもたちに関わる人たちが学び合うコミュニティ『井戸端チームビルディング』

自分たちの職場や組織の垣根を越えて日々こどもたちや仲間と過ごす中での疑問や問題点を解決するきっかけになればと思い、12/10に1回目の井戸端チームビルディングをZoomにて『職場内の人との関わり方』というテーマで参加者同士話し合いをしました。

コミュニティの講師であるますだかよが、もし、現場で不適切な保育をしている先生を見かけたらどうするか、講義とみんなでディスカッションをしました。

職場で言わないといけないことだが人間関係を気にして言いにくくなってしまう場合どうしたらよいかという実際の職場でもありえるケースについて意見を出し合いました。

『状況を実際に見て、相手の意見をまずは聞く』『個人に向けてではなく全体に向けての注意喚起などで気づいてもらえるようにする』など様々な方法を出してくれました。

 

 

職場内の人との関わり方についてのテーマで話し合う職場内の人との関わり方についてのテーマで話し合う

 

 

  2回目は12/17にもうひとりの講師である市村弘貴が、

『変化の激しい時代のマネジメント』というテーマで前回同様、Zoomで講義を行いました。

昔ながらのトップダウンからの指示などでは保育士が行き詰ってしまう。上も下も情報共有の文化づくりへ移行していく必要性を話しました。また、保育の仕事を様々な想いがある中で、お互いを尊重しながらも、きちんと意見を伝えあうことの大切さも時代の変化の中で大切になってくると思います。

そうした職場の文化をつくるためになにをしたらよいのかみんなでディスカッションをしました。

『チームで難しい問題も何とかする!』という問題解決に向けてチームを束ねることの大切さやコロナなど社会的にも状況が速いスピードで変化していき、答えがない・難しい問題にも個ではなくチームで解決に向かっていく組織づくりが重要性についても話し合いました。

 

変化の激しい時代のマネジメントについて話し合いました変化の激しい時代のマネジメントについて話し合いました

今後の活動について

毎月2回、市村弘貴とますだかよがそれぞれの会の講師となり、井戸端チームビルディングを進めていきます。

職場の人間関係づくりや組織づくりの方法や悩み解決など、参加者のみなさんにとって実りある時間に出来るよう努めていきます。
井戸端チームビルディングにご参加いただくには以下のプラットフォームより申込をお願いいたします。詳細もご覧ください。

https://community.camp-fire.jp/projects/view/631790

今後の予定
1月7日(土)
21:30~22:30
講師:ますだかよ
議題:『若い世代の先生たちのコミュニケーション』

1月14日(土)
21:30~22:30
講師:市村弘貴
議題:『退職者を出さない職場のつくりかた』~『だれもが』安心して働ける職場をつくろう~

 

 

 

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