昨年は不安定な国際情勢により、世界的に物価上昇の圧力が強まり、個人消費が鈍化しました。日本においても新型コロナウィルスの感染拡大の抑制により、経済活動が再開するも、原材料価格の高騰から物価高が叫ばれ、国内消費が停滞する1年となりました。清掃業界においては、withコロナが定着し、様々な領域で新たな生活様式が日常となり、今までの価値観とは異なったものが求められる場面が増えたと感じています。高い衛生管理意識が当たり前となり、清掃に求められる価値が、より安心・安全で健康な暮らしの実現に変わりました。このような状況だからこそ、清掃に求められるニーズを正確に捉え、私たち清掃機器専業メーカーならではの技術力、ノウハウ、そして、グローバル市場で培った知見を活かし、健やかで豊かな暮らしの実現に貢献できればと考えています。
家庭用分野では、日本における主に室内向けの清掃ニーズに応え開発した、ジャパンプロジェクト製品を導入することにより、カスタマープラットフォームの拡大を行い、新たな顧客層の獲得に尽力してまいります。また、オンライン市場の急拡大に伴い、オンライン上でのブランド体験の向上・利便性の強化も必要不可欠です。業務用分野においては、フロアケア市場に重点を置き、自律走行型の床洗浄ロボットの導入を進めていくとともに、清掃業務におけるDX化にも注力し、清掃業界の慢性的な課題である人材不足の解決の一助となるよう、革新的なソリューションを提供してまいります。
2023年1月、ケルヒャー ジャパンは創立35周年を迎えます。これからも皆さまに寄り添ったサービスを提供できるよう今一度初心に返って「カスタマーセントリック（お客様中心主義）」に基づいた経営を実践していく所存でございます。また、近年持続可能性に関する意識が高まるなか、ケルヒャー ジャパンがお客様からの信頼をより高める上において、省エネルギーや社会貢献活動などのSDGs関連の活動は、今後も更に積極的に取り組んでまいります。
本年も、皆様の一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
2023年 元日
ケルヒャー ジャパン株式会社
代表取締役社長
マーク・ヴァン・インゲルゲム
ケルヒャー ジャパン株式会社について
ケルヒャーは、ドイツで生まれた、世界最大手の清掃機器メーカーです。高圧洗浄機をはじめ、床洗浄機、スイーパー、乾湿両用クリーナー、スチームクリーナーなど、3,000種類もの清掃機器を有し、世界中で愛用されています。それらの技術開発力を活かして、ニューヨークの自由の女神やベルリンのブランデンブルク門、リオデジャネイロのキリスト像、広島平和記念公園のモニュメントなど、世界的に有名な建造物や彫像の洗浄・再生も手がけています。
ケルヒャー ジャパンは、18番目の現地法人として1988年に設立しました。その後、全国に拠点を開設し、販売・サービスネットワークを構築・拡充しています。社会貢献活動としては、2000年に広島平和記念公園の9体のモニュメント、2008年に栃木県の松田川ダム壁面をキャンバスに、高圧洗浄機で汚れを落として絵を描くエコ・アートを実施し、2010年には国の重要文化財である「日本橋」を洗浄・再生するクリーニングプロジェクトを成功させています。2021年には長崎原爆資料館、2022年は広島平和記念公園の「平和の池」および「祈りの泉」にてクリーニングプロジェクトを実施しました。
