【台湾情報】2023年台湾製造業の動向と戦略<ワイズ機械業界ジャーナル2022年12月第5週号発行>

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ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の2022年12月第5週号を発行しました。今週号では、機械設備業界、製造業全般の動向、EV用充電ステーション運営企業の華城電機と台湾産業界が直面する課題を紹介します。

<最新号目次>

  • 台湾機械設備製造業2022年の振り返り
  • 2023年台湾製造業の動向と戦略
  • EV用充電ステーション運営企業 華城電機(Fortune Electric)
  • 台湾産業界が直面する課題と2023年における対策(後編)

<2023年台湾製造業の動向と戦略>
1.動向
世界の製造業各社は▽米中対立、▽新型コロナウイルス感染症流行による人・物の移動の制限、▽ロシアのウクライナ侵攻などの影響を受け、事業モデルの見直しを余儀なくされてきた。
 単に製品を生産して販売するだけでなく、顧客サポートを含めたアフターサービスの強化が求められている。また、技術の進歩や需要の変化に伴い、カスタマイズ製品・サービスや正確な納期管理に対する要求が高まっており、製造業各社は個別の需要に柔軟に対応できる「サービス提供者」に移行しなければ、競争力を維持するのが困難な状況となっている。
 台湾の製造業各社も▽米中対立、▽新型コロナ規制、▽地政学的要因などを受け、サプライチェーンのリスク管理能力や、稼働停止に陥った場合にいち早く復旧できる強靭(じん)性の強化が求められており、そのためには設備、生産ライン、または工場全体にスマート製造(スマートマニュファクチャリング)技術を導入し、▽受注、▽設計、▽製造、▽顧客サービスの各面で顧客の需要に迅速に対応できる競争力を身につける必要がある。

 2.戦略
(1)製造のスマート化とサプライチェーン管理の効率化
製造のスマート化で中心的な役割を担うのは、センシングによりデータを収集し、視覚化するためのセンサーやシステム、設備だ。これらを導入した上で▽産業用モノのインターネット(IIoT)、▽ビッグデータ、▽人工知能(AI)、▽クラウドコンピューティングなどの情報通信技術(ICT)を活用してデータ解析、制御の最適化を行う。
 また、▽発注、▽製造、▽輸送、▽在庫管理などに関するサプライチェーン管理においては、顧客の需要に合致した製品の部材供給源を確保し、適切なタイミングで適切な数量を発注した上で、製造から輸送、保管に至るまでのあらゆるプロセスを把握する必要があり、この一連の流れの効率を高めるためには、各サプライヤーとの提携を緊密化し、全体の業務を柔軟性のあるシステムに統合する必要がある。
 さらに、スマート工場では外部の不確実性要因により、人手不足や生産停止、供給不足となるリスクを低減するため、サイバーフィジカルシステム(CPS)やロボットにより遠隔での▽モニタリング、▽制御、▽メンテナンスを実現しなければならない。 

(2)製造スマート化で独自の価値提供
 製造業者は顧客が求める製品の規格と品質を正確に予測し、納期を確実に守ることで、顧客満足度を高める必要がある。顧客の需要を満たし、独自の価値を提供することができれば、顧客のつなぎ止めと利益拡大につながる。
 製造にデジタル技術を取り入れたスマート製造は製品の▽設計、▽生産、▽品質管理、▽アフターサービスなどあらゆる段階で応用可能で、▽設計期間の短縮、▽さまざまな数量のカスタマイズ製品の生産、▽納期・コスト管理の効率化、▽品質維持・向上などにつながる。

(3)各業種での試験運用でソリューション改善
米中対立や新型コロナ流行、地政学的リスクなど不確実性が強まる中、製造業はいかに効率やコスト、品質を管理するかが問われているが、製造業が必要とするスマート製造ソリューションは業種によって異なり、各業種の特性や製造システムに応じたスマート技術を取り入れてソリューションを開発する必要がある。
 このため、スマート製造ソリューションの性能や実用性を高めるには、産学研の連携により各業種の生産ラインや工場で試験運用を行うことが求められ、優れたソリューションを開発できれば、台湾だけでなく海外でも応用が期待できる。

3.求められる機能と中核技術
製造スマート化で求められる機能と関連の中核技術は以下の表の通りである。

ワイズ機械業界ジャーナル

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所在地:中華民国台北市襄陽路9號8F 
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