- 千葉大学独自の環境マネジメントシステムの仕組み「千葉大学方式」
千葉大学は2004年度にISO14001を取得、2013年度にISO50001を取得(2019年に50001のみ自己宣言化)し、環境・エネルギーマネジメントシステム(以下EMS)の構築と運用を「学生の実務教育の機会」と捉え、教職員の指導・サポートを得ながら学生主体で行っています。千葉大学は、この学生の活動を「環境マネジメントシステム実習」という授業の単位としているのが大きな特徴です。
まず、1年次に、EMSの理解や仕事の進め方、内部監査などのノウハウの習得を行うとともに、環境ISO学生委員会の環境活動に参加します。
2年次はリーダーとなって10~30人程度の班員を牽引して、様々な活動・業務を行うほか、EMSの根幹に関わる「基礎研修講師」「内部監査員」「外部審査の議事録作成」などの実務を担当します。
3年次では、2年間で培った知識や経験を、外部の団体や自治体、企業のEMS関連部署などで発揮する5日間のインターン科目(希望者のみ)になっています。 そして、インターン科目とは別に、3年次まで学生委員として大学のEMSに貢献した学生は、3年生の12月に「千葉大学環境エネルギーマネジメント実務士」という学内資格を与えられる資格認定制度があります。
この資格を取得した学生は2005年度から2022年度までの18年間で670名になりました。
(2005年度15名、2006年度25名、2007年度29名、2008年度39名、2009年度32名、2010年度30名、2011年度38名、2012年度37名、2013年度34名、2014年度44名、2015年度34名、2016年度30名、2017年度37名、2018年度44名、2019年度38名、2020年度54名、2021年度47名、2022年度63名)
- 2022年度「千葉大学環境エネルギーマネジメント実務士」資格の認定式
日時:2022年12月22日(木)11:00~12:00
場所:西千葉キャンパス 自然科学系総合研究棟1
内容:中谷企画担当理事から代表して委員長に認定証を授与したあと、学生を代表して委員長と副委員長から3年間を振り返った感想が述べられ、理事から激励のコメントと講話がありました。
- 学生の感想(学生委員会で経験したこと、成長したこと)※一部抜粋
・企画の統括としての活動を進める中で、コロナ禍であまり交流がなかった同輩や後輩・先輩と交流が持つことができ、企業の方とお話しする機会も多くあり、とても充実した経験をすることができました。また、メンバーと話し合いながら詳細な内容が決まっていき、最初は右も左もわからない企画がいつしか具体性を帯びて着実にゴールに向かっていく過程をとても面白いと感じました。それは今までに感じたことのない経験で、とても新鮮でした。
・企画を運用する上で私が率先して動かなくてはならない場面が多々ありました。そのような場面をこれまで経験したことがあまり無かったため、試行錯誤の連続でしたが、周囲の支えがあり、無事に実施することが出来ました。この経験で大きく成長できたと感じているため、今後何か企画を行う際には率先して動いていきたいと思います。
・学生委員会の活動を通して、チャレンジと成長を続ける人間になろうと考えるようになりました。また、社会人の方と接する機会もあり、社会を知るきっかけになったと感じています。これらの活動を通して、人に伝える力、諦めずに物事をやり遂げる力が伸びたと感じています。
・企画のリーダーとして、「企画書の作成、活動内容の共有や会議、活動を仕切る、報告書の作成」という流れの活動をしてきて、人をまとめることの難しさや、期限に向けて段取りを考えて活動をしていくことの重要性を感じました。活動を重ねるにつれて、そういった1つ1つのことができるようになってきたと感じて嬉しかったです。
・前例がない中で、新しいことに対応するのに最も苦労しました。しかし、経験を重ねるうちに、新しいことに挑むという環境に慣れることができました。大学入学前は新しいことに挑戦するのが苦手でしたが、委員会のおかげで、委員会以外のことでも新しいことに挑もうと思えるメンタルを培うことができました。また、複数のタスクを抱えた時に、自分がどのようにそれらを処理していくべきか学ぶことができました。
・企業の方とメールや対面でのやり取りは初めての経験であり社会勉強となりました。また、オンラインでメンバーをまとめてスケジュール管理などをすることを通してリーダーとしての力を身につけることができました。コロナ禍であっても妥協せずに新しい企画の実行に努め、みんながやりたい企画を実現できるように働きかけることができたのは、自分にとって良い経験になったと思います。
- 千葉大学環境ISO学生委員会について
千葉大学は、環境マネジメントシステム(EMS)の国際規格であるISO14001を2005年に取得して以来、地域社会に開かれた形でEMSを運用していくことを「環境・エネルギー方針」の柱の1つとして掲げて活動をしています。千葉大学ではEMSを学生主体で運用することを教育の一環としており、2003年に設立された「千葉大学環境ISO学生委員会」が中心となって、学内・地域社会でEMSや様々な環境活動を実施しています。
毎年1~3年生まで約300名が所属し、内部監査員や環境報告書の作成のほか、エネルギー班、紙班、ごみ班、堆肥化班、学外緑化班、構内美化班、学外教育班、環境報告書班、地域交流班など、活動の内容に応じて20ほどの班や担当があり、環境負荷削減の意識啓発活動や、小中学校幼稚園への環境教育活動、緑化や堆肥化といった活動、エコグッズの作成など、幅広い活動を行っています。
近年ではSDGsの達成を目指して、企業と連携したプロジェクトも複数実施しています。また、2009年にNPO法人格も取得し、NPO法人として企業と協力して里山保全活動を行ったり、地域の学校へ環境出前授業を行ったりしています。
◆公式サイト http://chiba-u-siso.xrea.jp/chibasiso/
- 本件に関するお問い合わせ
千葉大学環境ISO事務局
kankyo-iso@office.chiba-u.jp
Tel:043-290-3572