1.背景および協定の目的
ファッション産業におけるサプライチェーンは、商品企画からデザイン、原材料の調達、商品の生産・調達、販売にいたるまでのサイクルが長く、また多くの企業は複数の国・縫製工場に生産を委託するなど様々な関係者が登場するため、複雑化しています。そのため、サプライチェーン全体の可視化・効率化と、物流と在庫の最適化、また流通過程でのGHG排出量の可視化・削減が課題となっています。
アダストリアは、ファッションを通じてすべての人の人生をワクワクさせる「Play fashion!」をミッションに掲げ、人と情報が行き交うオープンなコミュニティをつくり、新たな価値を生み出す“グッドコミュニティ共創カンパニー”となることを目指しています。サステナビリティポリシー「ファッションのワクワクを、未来まで。」のもと、衣料品在庫の焼却処分をゼロにするための在庫のコントロールや再利用、倫理的かつ公正な調達活動の整備など、様々な取り組みを行っています。
ヤマト運輸は、国内外の拠点と輸配送ネットワークを活用し、法人のお客さまのビジネスの上流から下流まで「End To End」での総合的な価値提供を目指し、企業の経営に資するサプライチェーンの変革、および物流と在庫の最適化を支援しています。また、「2050年温室効果ガス自社排出実質ゼロ」および「2030年温室効果ガス排出量48%削減(2020年度比)」を掲げ、欧州最大の宅配ネットワークを持つDPDグループと物流におけるGHG排出量の可視化と世界共通算定基準の検討に向けた基本合意書を締結するなど、カーボンニュートラル社会の実現に向け様々な取り組みを積極的に進めています。
今回、原材料の調達から商品の生産、オムニチャネルでの販売にいたるまで、国内外に広がるアダストリアのサプライチェーンにおける物流のあり方、在庫の持ち方を見直すことで、GHG排出量の削減を図り、経営に対してより効果的なロジスティクスを構築し、2023年中に一定の成果を上げることを目指します。その後、アダストリアが持つファッション産業のサプライチェーンの知見とヤマト運輸の国内外に広がる物流インフラとロジスティクスのノウハウを活用し、他のファッション企業などとも協力しながらサステナブルファッションの実現・拡大に向けて取り組みます。
2. 両社代表のコメント
<株式会社アダストリア 代表取締役社長 木村治>
ファッション業界をとりまく社会課題は、個社だけで解決できるものではなく、関係企業や地域社会、お客さまと共に継続的に取り組んでいくことが重要です。今回のヤマト運輸とのロジスティクスパートナーシップ協定を契機に、まずは当社の事例をベースにしながら、仲間を集めて取り組みの輪を広げていけたらと考えています。適時適量の在庫管理や共同配送の仕組みづくり、環境負荷の把握に必要なルールの整備など、業界全体でナレッジをシェアし合いながら共に成長できる土壌をつくり、サステナブルファッションの実現を目指してまいります。
<ヤマト運輸株式会社 専務執行役員 恵谷洋>
今回のアダストリアとのロジスティクスパートナーシップ協定は、サステナブルファッションの実現に向けた重要な一歩と認識しています。まずは同社のサプライチェーン改革に向けた取り組みを開始し、そこでの成果をファッション業界内に共有・拡大していきます。当社がアダストリアのパートナーとして、その経営課題の解決に向けて伴走させていただけること、またファッション産業の持続的な発展とSDGsの実現に貢献できることは大変光栄です。消費者とファッション産業に関わる全てのステークホルダーが幸せになる価値創出を共に目指してまいります。
■株式会社アダストリアについて
株式会社アダストリア(代表取締役社長:木村 治)は、「グローバルワーク」「ニコアンド」「ローリーズファーム」など、グループで30を超えるブランドを国内外で約1,400店舗展開するカジュアルファッション専門店チェーンです。ファッションを通じてすべての人の人生をワクワクさせる「Play fashion!」をミッションに掲げ、人と情報が行き交うオープンなコミュニティをつくり、新たな価値を生み出す“グッドコミュニティ共創カンパニー”となることを目指しています。
<本部所在地> 〒150-8510 東京都渋谷区渋谷 2丁目21番1号渋谷ヒカリエ
<URL> https://www.adastria.co.jp/