灯台をテーマに巡ると、函館市東部エリアには知られざる魅力が!「灯台周遊モニターツアー in 北海道函館市」を実施

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恵山岬灯台活用協議会は2022年12月12日(月)、「恵山岬灯台を核とした函館東部エリア活性化事業」の取組みのひとつ「灯台周遊モニターツアー in 北海道函館市」を実施し、参加者から高評価を得ました。このツアーは、灯台の存在意義を高め、灯台を起点とする海洋文化を次世代へと継承していく「海と灯台プロジェクト 新たな灯台利活用モデル事業」の一環です。

訪問した灯台のひとつ「汐首岬灯台」にて、灯台と津軽海峡、参加者訪問した灯台のひとつ「汐首岬灯台」にて、灯台と津軽海峡、参加者

【「灯台周遊モニターツアー in 北海道函館市」の概要】

内容:ガイドの案内で恵山岬灯台、汐首岬灯台、日浦岬灯台の3灯台を巡り、知られざる灯台のストーリーを知るとともに、自然景観や観光名所、グルメを楽しみ、函館市東部エリアを満喫する1日ツアー。恵山岬灯台活用協議会が2022年9月から実施している灯台調査の内容を盛り込んで企画しました。
実施日:2022年12月12日(月)
参加者:10名(函館市民、函館市職員、灯台活用団体関係者、恵山岬灯台活用協議会会員)
主催:恵山岬灯台活用協議会
共催:日本財団 海と日本プロジェクト
協力:函館市海上保安部

▼本モニターツアー企画運営によって明らかとなった、3つの灯台のストーリーや見どころを紹介します。

恵山岬灯台を見学する参加者たち(ドローンで撮影)恵山岬灯台を見学する参加者たち(ドローンで撮影)

【恵山岬灯台~太平洋と日本海をつなぎ、人と物の流れを支える~】
◎ストーリー
恵山岬灯台は、北海道開拓のためのインフラ整備の一環として、北海道庁が建てた灯台のひとつ。周辺は岩礁や霧による海の難所で、灯台が必要だった。明治23(1890)年の初点灯以来、津軽海峡のゲート的存在として、出入りする大型船やフェリーの安全を守っている。太平洋戦争末期に空襲を受けるが、その重要性から、たった3か月で復旧された。恵山岬灯台と対岸にある尻屋崎灯台(青森県)を結ぶ線は、日本海と太平洋の境目である。
◎見どころ&楽しみ
・恵山岬灯台は高さ19メートル。函館市内にある3灯台の中では最も高く、迫力がある。白くまっすぐ大きな灯台、青い海、赤茶色の山肌を見せる恵山のコントラストが美しい。周辺は公園として整備されているため歩きやすく、様々な角度から「映える」写真撮影が楽しめる。
・徒歩3分の場所にホテル恵風があり、宿泊すれば、朝、昼、夜と異なる灯台の姿を堪能できる。

津軽海峡にせりだす日浦岬の突端に立つ日浦岬灯台津軽海峡にせりだす日浦岬の突端に立つ日浦岬灯台

【日浦岬灯台~荒波と柱状節理がつくり出すうずしおから漁師を守る~】
◎ストーリー
日浦岬灯台は、近隣の漁業者からの要望で造られた灯台である。昭和26(1951)年初点灯。日浦岬灯台のおかげで漁業者の安全が守られ、美味しい海産物がもたらされている。
◎見どころ&楽しみ
・駐車場から日浦岬灯台へは3分ほどの近さだが、道中には火山活動が作った柱状の岩々「柱状節理」が連なり、潮だまりを眼下に眺める橋もあり、冒険気分を味わえる。
・高さ9.5m、ライトも小ぶりで、かわいらしい灯台である。
・間近で海を眺め、潮風をあびることができる。岬の真下に出来ては消えていく渦潮や砕ける波は美しく、見飽きない。漁業者が漁をする様子や、津軽海峡を行きかう船、鳥、対岸の下北半島もよく見える。
※日浦岬灯台は通常、立ち入り禁止です。今回は函館海上保安部から特別な許可を得て訪問しました。

旧戸井線アーチ橋と汐首岬灯台旧戸井線アーチ橋と汐首岬灯台

【汐首岬灯台~江戸時代のかがり火台がルーツ、海の要衝で明かりを灯し続ける~】
◎ストーリー
汐首岬灯台がある場所には江戸時代末期、松前藩によって「かがり火台」が置かれていた。汐首岬は北海道と本州の最短地点で、対岸にある下北半島・大間崎とは17.5kmしか離れていない。往来の激しい津軽海峡の中で狭く危ないエリアであり、夜間の船の安全航行のために明かりが必要だった。北海道庁が建てた明治期の灯台29基のひとつで、明治26(1893)年初点灯。
◎見どころ&楽しみ
・汐首岬灯台は、レトロモダンなたたずまい。
・灯台の横には、かつて宿舎や段々畑があった跡がある。灯台守の使命感や、それを支えた家族の皆さんに思いをはせることができる。
・平均海面から約40mの高台に建つため、津軽海峡と対岸の本州の絶景を一望できる。また、戦争遺構の旧戸井線アーチ橋を上から見ることができる。下から、灯台とアーチ橋を一緒に撮影するのもおすすめ。
※汐首岬灯台は通常、立ち入り禁止です。今回は函館海上保安部から特別な許可を得て訪問しました。

汐首岬灯台が建つ高台から津軽海峡を眺める参加者汐首岬灯台が建つ高台から津軽海峡を眺める参加者

今回のツアーでは3つの灯台に加えて、世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」構成資産のひとつである「垣ノ島遺跡」と、函館市内で54年ぶりに誕生した酒蔵「五稜乃蔵」、干潮時の数時間だけ海中から出現する「水無海浜温泉」も訪問。また、ランチタイムにはホテル恵風で、お刺身やブリの煮つけ、たち(鱈の白子)の天ぷらといった海の恵みたっぷりの料理を堪能しました。

【参加者の声】
「東部には何度も来ていますが、知らなかった歴史や自然に触れ、新鮮な1日でした。」(50代男性)
「灯台は『古い』『近寄りがたい場所』という印象を持っていたが、今回のツアーで親近感を覚えた。灯台守の方々が苦労して灯台を維持管理されていたことを知り、心打たれた。」(40代男性)
「灯台が北海道開発に貢献したという歴史や、船や漁業の安全を守っていることを学び、自分たちの生活との結びつきを感じた。」(70代男性)
「今回訪れた3つの灯台にはそれぞれに異なるストーリーがあった。もっと他の灯台についても知りたいと思う。」(20代女性)

【今後の展開について】
恵山岬灯台活用協議会は、モニターツアー企画運営で得た知見や参加者の感想等をふまえ、来年度、バスツアーの実施を目指します。灯台をテーマとする函館市東部エリアの周遊旅は、大人の知的好奇心をかきたてる魅力に満ちており、今回の参加者からも大変好評でした。特に、函館市民の方々に、体験いただきたいと思っています。詳細が決まり次第、当協議会ブログにて発表します。

<団体概要>
団体名称:恵山岬灯台活用協議会
URL:https://blog.canpan.info/esanmisaki/
活動内容:恵山岬灯台の近代産業建築物としての価値を顕在化させ、観光コンテンツへ磨き上げる。それにより函館市民や観光客の来訪を増やし、函館東部エリアの活性化を目指す。

海と灯台プロジェクト 新たな灯台利活用モデル事業
日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、灯台を中心に地域の海の記憶を掘り起こし、地域と地域、異分野と異業種、⽇本と世界をつなぎ、新たな海洋体験を創造していく「海と灯台プロジェクト」。その取り組みのひとつである「新たな灯台利活用モデル事業」は、灯台の様々な利活用モデルを創出することで、灯台の存在意義を高め、灯台を起点とする海洋文化を次世代へと継承していくことを目的としています。初年度である2022年度は、本リリース事業含め、全国で12事業が採択されました。
海と日本プロジェクト公式サイト https://uminohi.jp/
海と灯台プロジェクト公式サイト https://toudai.uminohi.jp/
新たな灯台利活用モデル事業 公募情報 https://toudai.uminohi.jp/event/post-5778/

 

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