ウクライナ侵攻、安倍元首相の事件、値上げラッシュの裏で生まれた名言たち 今年「最も素晴らしかった伝え方No.1」は?第6回「伝え方グランプリ2022」ベスト3発表! 

この記事は約11分で読めます。
TV・SNS・雑誌などから年間300以上の名言を集める伝え方研究所※は、今年「最も素晴らしかった伝え方No.1」を決定する「伝え方グランプリ2022」を開催しました。2017年以来、第6回目となる今年は、ジャーナリストの田原総一朗さんら計7名の審査を経て、グランプリは「想像力さえあれば、太古でも未来でも、宇宙にだって行ける」に決まりました。『タイタニック』や『E.T.』など名作映画の翻訳で知られる戸田奈津子さんが述べたコトバです。ほか、ベスト10の結果は伝え方研究所の公式webサイトなどで12月9日(金)に発表しています。
※伝え方研究所とは?「あした、もっと伝え上手に。」をコンセプトに、伝え方の調査・発信を行う研究機関。クリエイティブブティック・株式会社ウゴカスが運営。

■「伝え方グランプリ」とは?

 伝え方グランプリはその年に生まれた「最も素晴らしかった伝え方No.1」を表彰するもの企画です。世の中のニュースの大半はつらい事件や悲しいできごとです。SNSには誹謗中傷があふれています。
一方で、前向きで人の背中を押すような言葉もあります。そんなポジティブな言葉がひろがれば、世の中はもっとよくなると考え、2017年にこの賞が設立されました。
伝え方研究所では、テレビ、ラジオ、新聞、SNSなどの各種の媒体から、年間300以上の、聞いた人が「前向きになるコトバ」を調査・年間300以上収集しています。今回、独自の基準で、このうち10のノミネート作を選定しました。選定にあたっては、気の塞ぐコトバがあふれる現代にあって、「人類が明日の生活や人生を楽しくしようと思える、次世代に残したいコトバ」という観点を大切にしています。

■審査を経て、今年「最も素晴らしかった伝え方」としてグランプリが決定!
今を生きる人々の心を温め前向きになれる言葉が上位に

2022年11月28日(月)に、ジャーナリストの田原総一朗氏ら、計7名による審査が行われ、ベスト3には以下の言葉たちが選ばれました。審査の総評つきでご紹介します。
※受賞した言葉を発信した方々の肩書きは、当時のものです
 

【第1位】
「想像力さえあれば、太古でも未来でも、宇宙にだって行ける」
翻訳家 戸田奈津子さん

グランプリには、翻訳家・戸田奈津子さんの言葉が選ばれました。
『タイタニック』『E.T.』『ミッション・インポッシブル』はじめ名だたる映画を翻訳してきた戸田さん。一人の女性が一生で体験できることはわずかでも、想像力があれば、どこへでも行ける。そんな人間の可能性を感じる伝え方です。

(審査員の総評)
審査では、「ワクワクする言葉」「心の可能性を想起させる」など、想像力の価値や素晴らしさに気付かされたというコメントが目立ちました。「『過去と未来』ではなく、『太古』にしたことで、恐竜に会うことまでイメージできた」という評価もありました。

(審査員・田原総一朗さんのコメント)
日本人は、正解がない問題をどうやって解くかという教育を全く受けていない。小学校も、中学校も、高校も、全部正解のある問題を出している。だけど世界の主要国は違う。G7(主要7カ国)の会合は、正解がないからこそやるものだ。こういう場面で、日本人は想像力を養う教育を受けていないから、政治家も全く通用しない。だからこそ、想像力がもっとも必要であり、そういう意味で、この言葉には重みがある。

(審査員・山口真由さんのコメント)
スクールカーストの低位をさまよっていた少女時代、私は本の世界に没頭した。そこではヒーローにだってプリンセスにだってなれた。時空を超え、空間を超え、想像力の翼を限界まで延ばして映画の世界観をセリフとして紡ぎ、伝え続けてくれた戸田奈津子さんの言葉は、改めて外界の制約を超えて果て無く広がる内なる心の可能性を想起させ、背伸びするための勇気をくれる。

【第2位】
「青春って、すごく密なので」
仙台育英野球部監督 須江航さん

 

2位は、夏の甲子園で初優勝をはたした仙台育英の須江監督のコトバが選ばれました。コロナで目の敵にされた「密」が、高校生にとっては「熱く、かけがえのない人間関係」であることを思い出させる名言でした。

(審査員の総評)
審査員からは、「これこそ2022年の時代を表す言葉」や、「青春の青臭さがイメージしやすい」「コロナ禍であっても、それぞれの夏の青春を感じた」といった声が上がりました。

(審査員・堀江貴文さんのコメント)
密って言葉をネガティブからポジティブに変換する、というような意図はなかったとは思うけど、結果としてそんな表現となった。いつまで経っても新型コロナウィルスを特別扱いしかできず子供達にマスクを強要する社会への強烈な皮肉となっているのが良い。

(審査員・坪田信貴さんのコメント)
「密」と言うコロナの時代直撃のある種のバズワードと、「青春」と言う古くて、誰もが若かりし頃を思い出すレトロなワードとの組み合わせ。そして、「青春が密」と言うのは、人間関係や愛情、努力、友情、受験など若者だからこそ耐えられる複合的な濃密さを端的に表現されているのが詩的だなと感動しました。

(審査員・土江英明さんのコメント)
2022年の時代を表す言葉かなと思いました。ネガティブな言葉として使われていた「密」をポジティブに変換して使われているということと、監督の「球児だけでなく全国の高校生」とか、父兄の方にもすごく心配りされている、すごく伝わるあったかい言葉だと思います。(半年たった今も)この言葉は印象に残っているので、きっと多くの人に届いているんじゃないかなと思いました。

【第3位】
「深呼吸してください」
―twitter投稿者スサノオ(@susano_com)さん

3位は、持ち主のピンチを救ったとTwitterで話題になったこちらの言葉。仕事でミスをして上司に呼び出された投稿者の心拍数が、不安と緊張で急上昇。異常を感知したApple Watchのこの表示を見た上司は「許したる」と顔をゆるめたとか。

(審査員の総評)
「技術が人の心を動かすのが、すごく今っぽい」など、先端技術が発した言葉という点に注目が集まりました。今回ノミネートの中では最も短い言葉ながら、「ぶつかったときに深呼吸をするということは、一回じっくり考えるということ。それがないと喧嘩になっちゃう」といった評価もありました。

(審査員・福岡元啓さんのコメント)
現代を風刺するシチュエーションが面白く、人々が冷静さを失ったときに、アドバイスするのがAIであるというパラドックスも面白いです。自分もイラっとしたときとかに、深呼吸してくださいって客観的にアドバイスできる人(なのかAIなのかわかりませんが(笑))が傍らにいたら、人生快適に過ごしていけるような気がしました。人の感情をAIになだめられるというほっこりエピソードです。

(審査員・佐々木圭一さんのコメント)
技術が人の心を動かすって「すごく今っぽいな」と思います。
今までも、言葉が人の心を動かすことはあったと思うんです。例えば、「本を読んでいてジーンときました」とか「話していてジーンときました」とかはあったと思うんですけど、科学技術が気持ちを動かすって、とても面白いなと感じます。

■伝え方研究所所長 杉直樹のコメント

「毎日のように、あたらしいコトバが量産されています。今回ノミネートされた10の作品は、膨大な数のコトバから選定に選定を重ねた、上澄みのコトバたちです。

そのなかで、今年は、翻訳家・戸田奈津子さんの『想像力さえあれば、太古でも未来でも、宇宙にだって行ける』がグランプリに選ばれました。世の中は戦争や疫病に見舞われ、先が見通しづらくなっています。一方で、どの時代も人類は、たくましい『想像力』で新しい地平を切り開いてきました。その歴史を思い出させてくれるこのコトバは、人を前向きにするエネルギーに満ちていると感じます。そして、コトバはたった数文字から数十文字で、人を傷つけもしますが、大きく勇気づけてくれもします。今回紹介した灯りのようなコトバたちが、一人でも多くの方の心を照らすことを願っています」

 

【審査員プロフィール(敬称略)】

田原総一朗

1934年滋賀県彦根市生まれ。早稲田大学文学部卒。
業岩波映画製作所、テレビ東京を経て、‘77年フリーに。現在は政治・経済・メディア・コンピューター等、時代の最先端の問題をとらえ、活字と放送の両メディアにわたり精力的な評論活動を続けている。テレビ朝日系で‘87年より「朝まで生テレビ」、’89年より2010年3月まで「サンデープロジェクト」に出演。テレビジャーナリズムの新しい地平を拓いたとして、‘98年ギャラクシー35周年記念賞(城戸賞)を受賞した。2010年4月よりBS朝日にて「激論!クロスファイア」開始。‘02年4月より母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講、未来のリーダーを育てるべく、学生たちの指導にあたる。‘05年4月より‘17年3月まで早稲田大学特命教授。2019年ATP賞特別賞、2022年日本外国特派員協会「報道の自由賞」を受賞。

山口真由

信州大学特任教授。1983 年札幌市出身。
2002 年、東京大学教養学部文科 I 類(法学部)入学し、在学中 3 年生時に司法試験合格。4 年生時には国家公務員 I 種試験合格し、2006 年卒業。同年 4 月に財務省に入省。
2008年に財務省を退職した後は、2015年まで弁護士勤務。その後ハーバード大学ロースクール(法科大学院)留学を経て、帰国後、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程を修了した。現在は信州大学特任教授。主な出演番組に『羽鳥慎一 モーニングショー』、『よんチャン TV』、『ゴゴスマ』、『英雄たちの選択』などがある。

堀江貴文

実業家。1972年、福岡県生まれ。SNS株式会社ファウンダー。現在は自身が手掛けるロケットエンジン開発を中心に、スマホアプリ「テリヤキ」「マンガ新聞」「755」のプロデュースを手掛けるなど幅広い活躍をみせる。ホリエモンドットコムでは『テクノロジーが世界を変える』をテーマに、各界のイノベーター達に自ら取材したものを連載中。堀江貴文イノベーション大学校(HIU)を設立し、アドバイスだけでなく、自らプレイヤーとなりメンバーとともにあらゆるプロジェクトに参加している。

坪田信貴

累計120万部突破の書籍『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(通称ビリギャル)や累計10万部突破の書籍『人間は9タイプ』の著者。
これまでに1300人以上の子どもたちを子別指導し、心理学を駆使した学習法により、多くの生徒の偏差値を短期間で急激に上げることで定評がある。大企業の人材育成コンサルタント等もつとめ、起業家・経営者としての顔も持つ。テレビ・ラジオ等でも活躍中。新著に『人に迷惑をかけるなと言ってはいけない 子どもの認知を歪ませる親の言葉と28の言い換え例』がある。東京都在住。

土江英明

ダイヤモンド社書籍編集局第4編集部。ビジネス書を中心に多くのベストセラーを担当している。
担当書籍には、『伝え方が9割』109万部(シリーズ156万部。中国でも100万部を突破)のほか、『面接の達人』(中谷彰宏)シリーズ累計390万部、『家族。』(カジサック)、『冨永愛 美の法則』、『成功者がしている100の習慣』、『小さな習慣』、他多数。

 

福岡元啓

プロデューサー・文教大学非常勤講師・情熱大陸元プロデューサー。毎日放送にてラジオディレクター、テレビ報道記者、全国ネットのゴールデン帯バラエティー番組の演出をへて2010年~2017年、情熱大陸プロデューサーをつとめる。ギャラクシー賞・ニューヨークフェスティバル等国内外の映像コンペを受賞。早稲田大学ビジネススクールを修了し、株式会社ジンプクを設立、ビジネス映像の制作プロデュースを行っている。著書に「情熱の伝え方」(双葉社)「イノベーションの競争戦略」(共著・東洋経済新報社)

佐々木圭一

『伝え方が9割』シリーズ著者。コピーライター。伝記「スティーブジョブズ」に出てくる米国クリエイティブエージェンシーTBWA/CHIAT/DAYに2年、博報堂15年のあと、自らの会社を起業。ブランドをつくるだけではなく、統合コミュニケーションで、店頭で売れる「動かすしくみをつくる」ことの専門家。日本人初、One Show Designでゴールド賞を獲得(Mr.Chiildren)。カンヌ広告祭でゴールド賞(サンシャイン水族館)、アジアで最も成功したと評価されAIMアワードグラクプリを獲得(いろはす)など、国内外で55のアワードに入賞受賞。

【「伝え方グランプリ 2022」概要】
・審査日:11月28日(月)
・結果発表:12月9日(金) 「伝え方研究所」サイトなどにて
・審査員:田原総一朗/土江英明/坪田信貴/山口真由/堀江貴文/福岡元啓/佐々木圭一(敬称略)
<特設サイト> https://ugokasu.co.jp/tsutaekata-gp/

伝え方研究所とは?
シリーズ累計156万部を突破した『伝え方が9割』の著者・佐々木圭一が代表を務める株式会社ウゴカスが、2021年9月に立ち上げた研究機関。「あした、もっと伝え上手に。」をコンセプトに、日本人のコミュニケーション能力のベースアップを目指して、調査・研究を行っています。活動の一環として、研究所のサイトやSNSにて、ビジネスパーソンがスマホひとつで“伝え方”の悩みを解消できるお役立ち情報や、各界の名言なども発信中。
https://www.ugokasu.co.jp/labo/

 

タイトルとURLをコピーしました