ライスレジンの原料となるお米は、食生活の変化や高齢化に伴い、2022年の主食用米等生産量は675万t[i]と、ピーク時の半分以下[ii]となっています。米の国内生産量の減少に伴い、日本の耕作放棄地は東京都の面積の約2倍まで拡大しています。
耕作放棄の拡大は、食料自給率低下の他にも、水源の涵養や土砂流出の防止など里地里山の国土保全機能の低下だけではなく、放置された里地里山は防災上も課題となっています。
当社は、これらの社会課題解決に寄与するべく、食用に適さない古米、米菓メーカーなどで発生する破砕米など、 飼料としても処理されず、廃棄されてしまうお米を活用し、バイオマスプラスチックへとアップサイクルしてきました。
加えて、減少の一途を辿る米の生産に歯止めをかけるべく、2019年より3年間にわたり、南魚沼市及び三条市、浪江町、飯館村の耕作放棄などを活用し、「ライスレジン®︎」の原料となるお米の作付けにも取り組んできました。現在では、4か所(新潟県2か所、福島県2か所)、約30haにまで拡大しております。
このような背景から、このたび「ライスレジン®︎」の原料となるお米の作付けを全国に拡大することに致しましたので、お知らせいたします。これにより、全国の遊休地・休耕田の解消に貢献します。
今後は、栽培効率の向上及び省力化、高付加価値化を目指していきます。今年度は、浪江町の圃場において、単位作付面積あたりの収穫量が一般的な品種と比較して1.5倍となる超多収品種の栽培や、再生二期作栽培[iii]の取り組みを開始しました。
超多収品種の栽培については、東京農工大学大川教授指導のもと、東京農工大学育成の多用途利用水稲新品種「さくら福姫(農工大系統名:モンスターライス4号)」の栽培に成功しました。再生二期作栽培については、農研機構九州沖縄農業研究センターと連携し、1度の田植えで2回の稲の収穫に成功しています。
その他、IT/IoTを活用しドローン直播や水源管理などの作業効率化だけではなく、メタン抑制や農地炭素貯留などの低炭素農業にも取り組み、多くの成果を上げています。
これまで培った経験・ノウハウを活用し、J Aひがしかわ(北海道上川郡)、ライスイズコメディ(滋賀県長浜市)、NPO法人MUKU(兵庫県淡路市)、モスファーム熊本(熊本県八代市)など全国20か所程度と、「ライスレジン®︎」の原料となるお米の作付けについて検討を開始しています。3年以内に、全国の水田や遊休地・休耕田などを活用したお米の作付けを300haまで拡大する予定です。
今後も、バイオマスレジングループは、「Plastic innovation for tomorrow」をスローガンに、より良い地球環境と未来づくりを目指し邁進してまいります。
[i] 農水省, 米の基本指針(案)に関する主なデータ等(令和4年度8月)
[ii] 農水省, 食料・農業・農村政策審議会食糧部会(令和3年11月19日)
[iii] 再生二期作栽培:1回目の稲を収穫した後に切り株から出てくるひこばえ(植物の切株から再生して出てくる芽を栽培し、2回目の稲(再生稲)を収穫する栽培方法
■株式会社バイオマスレジンホールディングスについて
米由来のバイオマスプラスチック「ライスレジン」や生分解性プラスチック「ネオリザ」といった環境配慮型プラスチックの製造販売を行うスタートアップです。日本国内で事業展開をするため複数の企業と協業し、バイオマスプラスチックの製造技術により海洋汚染や地球温暖化、フードロスなどの世界規模の社会課題解決に向き合い、「Plastic innovation for tomorrow」をスローガンに、日本からアジア、そして世界に向けて全力で挑戦を続けていきます。
【株式会社バイオマスレジンホールディングス】
本社:東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング EGG
設立:2020年3月10日
資本金:10,000万円(2022年6月現在、資本準備金を含む)
代表者:代表取締役CEO 神谷 雄仁
事業内容:バイオマス資源を利用したプラスチック樹脂原料の製造・販売及び研究開発
HP::https://www.biomass-resin.com/
<本件に関する問い合わせ先>
株式会社バイオマスホールディングス 経営企画室広報 湯本
Mail:press@biomass-mkt.com
TEL:080-4447-0238