単身世帯が増えたこと、それも「一人暮らしの高齢者」が増えていることが背景にあるようです。
少子高齢化が進み、子ども夫婦と同居する高齢者が減少するなか、孤独死する方の数は今後さらに増えることが予想されています。
では、身近な人が孤独死にならないために、どのようなことができるのでしょうか。
介護支援の専門家である「ケアマネジャー(介護支援専門員)」から、孤独死となりやすい方の特徴などを聞くことで、孤独死を防ぐ対策方法が分かるかもしれません。
そこで今回、株式会社GoodService(https://www.kataduke-kaitori.com/)は、ケアマネジャーを対象に、「ケアマネジャーからみた孤独死」に関する調査を実施しました。
- ケアマネジャー(介護支援専門員)として、孤独死増加をどのように感じている?
はじめに、孤独死に関して伺っていきたいと思います。
「孤独死をする方の数はご自身が働き始めた当初と比べて増えたと思いますか?」と質問したところ、『とても増えた(30.7%)』『やや増えた(54.2%)』『変わらない(分からない)(14.5%)』『減った(0.6%)』という回答結果になりました。
『とても増えた』『やや増えた』と回答した方を合わせると、8割以上の方が増えたと感じているようです。
核家族が進み、さらに一人暮らしの年配の方も増えているのかもしれません。
では、孤独死の原因はどのようなことが考えられるのでしょうか。
前の質問で『とても増えた』『やや増えた』と回答した方に、「孤独死が増加した原因として、特に強く当てはまると思うものを教えてください(上位3つまで)」と質問したところ、『一人暮らしの増加(61.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『高齢者自体の増加(少子化の加速も含む)(57.0%)』『コロナ禍による交流機会の減少(38.5%)』『介護サービスを受けてない人(19.6%)』『介護要員の不足(19.0%)』と続きました。
6割以上の方が『一人暮らしの増加』と回答したことから、亡くなって数日気づかれないことも多いのかもしれません。
- 孤独死は誰にでも当てはまる!?孤独死になりやすい方の特徴とは?
8割以上の方が、孤独死が増えたと感じていることが分かりましたが、孤独死するのはどの年代の方が多いのでしょうか。
そこで、「孤独死をする方の中で、多いと思う年代を教えてください ※一人暮らしが前提」と質問したところ、『40代以下(6.6%)』『50代(10.8%)』『60代(14.4%)』『70代(27.3%)』『80代以上(40.9%)』という回答結果になりました。
約4割の方が、『80代以上』と回答しました。
一人暮らしの年配の方が増え、それに比例して孤独死が増えているのかもしれません。
では、どのような原因が考えられるのでしょうか。
「孤独死の原因として多いと思うものを教えてください(上位3つまで) ※一人暮らしが前提」と質問したところ、『熱中症や脱水症(57.1%)』と回答した方が最も多く、次いで『病気や突然死(ヒートショックを除く)(55.5%)』『ヒートショック(32.4%)』『転倒事故など(15.6%)』『自殺(14.7%)』と続きました。
6割近くの方が『熱中症や脱水症』と回答しました。
気づいた時には、症状が悪化しそのまま力尽きてしまうのかもしれません。
では、どのような特徴があるのでしょうか。
「孤独死をする方にはどのような特徴がありますか?近いと思うものを教えてください(複数回答可)※一人暮らしが前提」と質問したところ、『高齢者(65歳以上)(51.2%)』と回答した方が最も多く、次いで『親族や近所との交流が少ない(50.0%)』『経済的余裕がない(32.5%)』『慢性疾患がある(31.9%)』『食生活が偏っている(19.9%)』と続きました。
半数以上の方が『高齢者(65歳以上)』と回答したことから、高齢者で一人暮らしをしている方には定期的に連絡をとることで孤独死を防げることもあるかもしれません。
- ケアマネジャーが孤独死に遭遇したケースとは?
約4割の方が、孤独死の多い年代は80代以上と回答しました。
では、第一発見者にはどのような方が多いのでしょうか。
「孤独死の第一発見者は、どのような方(職業)が多いと思いますか?」と質問したところ、『隣人などの地域住人(32.2%)』と回答した方が最も多く、次いで『管理人や警察官(23.1%)』『家族や知人(21.0%)』『ケアマネジャーや(ホーム)ヘルパー(20.1%)』『宅配便や新聞の配達人(3.3%)』と続きました。
『隣人などの地域住人』と回答した方が多くいました。
最近見かけなくなったり、ポストに新聞が溜まっていたりと些細なことで気づく方もいるのかもしれません。
では、介護の仕事をしている方の遭遇する頻度は増えているのでしょうか。
「ケアマネジャーといった介護要員が孤独死に遭遇することが増えてきていると感じますか?」と質問したところ、『とても増えてきている(25.1%)』『やや増えてきている(54.3%)』『変わらない(分からない)(19.7%)』『減ってきている(0.9%)』という回答結果になりました。
『とても増えてきている』『やや増えてきている』と回答した方を合わせると、8割近くの方が増えていると感じているようです。
コロナ禍で人と交流する機会が減ったことで、孤独死が増え遭遇する機会も増えたのかもしれません。
では、実際に体験したエピソードを伺ってみましょう。
■体験した孤独死に関するエピソード
・ヘルパー訪問時にポストに新聞が溜まっており、不審に思ったヘルパーよりケアマネジャーに連絡があった。家族の許可がありレスキューを呼んで亡くなられていたのを発見した(30代/女性/兵庫県)
・夏場にクーラーがなく熱中症で倒れてた(30代/男性/北海道)
・訪問時に返事がなく、注文しているお弁当が溜まっていて中に入ると亡くなっていた(40代/男性/北海道)
・水道の検診をしていますが、水量がゼロになってしまった独居老人の孤独死を見たことがあります。とても生臭い匂いが玄関ドアの方から漂っていました(50代/男性/埼玉県)
などの回答が寄せられました。
ポストに新聞が溜まっていること、お弁当が溜まっていることで様子がおかしいと感じ、中に入ると亡くなっていることがあるようです。
- ケアマネジャーとして、利用者の孤独死をどう防げば良い?
8割近くの方が、孤独死に遭遇することが増えていると感じているようです。
では、孤独死を防ぐためにはどのようなことが必要なのでしょうか。
そこで、「身近な人が孤独死にならないためには、どのようなことが必要だと思いますか?(上位3つまで)」と質問したところ、『自治体が行っている孤独死を防ぐためのサービスの利用(50.3%)』と回答した方が最も多く、次いで『スマホのアプリなど企業が行っている見守りサービスの利用(46.5%)』『老人ホームの利用(37.4%)』『民生委員など近隣との連携(29.7%)』『家族との連携(21.4%)』と続きました。
半数以上の方が『自治体が行っている孤独死を防ぐためのサービスの利用』と回答しました。
自治体からのサービスを知らない方もいるでしょうから、積極的に促せば安心して利用してもらえるのではないでしょうか。
最後に、ケアマネージャーとして、利用者の孤独死を減らすために必要だと考えることについて伺ってみましょう。
■利用者が孤独死にならないための方法
・家族と連携をとりなるべく一人にならない環境を作る(30代/男性/北海道)
・お金のかからない行政サービスを増やす(40代/女性/兵庫県)
・経済的理由により使いたくても使えない高齢者がいる事をもっと行政は理解して対応して欲しい(40代/男性/埼玉県)
・ウェブカメラなどによる定点監視(50代/男性/埼玉県)
などの回答が寄せられました。
ウェブカメラなどによる定点監視や一人にならない環境を作るという意見がありました。
また、将来的に行政のサービスを増やすことでその人にあったサービスを受けることができるかもしれません。
- 【まとめ】身の回りのご家族やご自身が孤独死にならないためにはこまめな連絡が大事
今回の調査では、8割近くの方が働き始めた当初と比べて、孤独死が増えたと感じていることが明らかになりました。
そして、4割以上の方が80代以上の孤独死が多いと感じているようです。
身近な方が孤独死にならないためにも、定期的に連絡を取り合うことが大事になってきます。
改めて、最近連絡を取っていなかった方にも気軽に連絡をしてみてください。
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調査概要:「ケアマネジャーからみた孤独死」に関する調査
【調査期間】2022年11月4日(金)~2022年11月5日(土)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,006人
【調査対象】ケアマネジャー(介護支援専門員)
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ