ENEOS堺製油所における実証試験にて省エネ効果を立証

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SPACECOOL株式会社(社長:宝珠山 卓志、以下、SPACECOOL)は大阪ガスが独自技術を用いて開発した放射冷却素材 SPACECOOL®(以下、「本素材」)を活用し、ENEOSホールディングス株式会社(社長:齊藤 猛、以下、「ENEOSホールディングス」とENEOS株式会社(社長:齊藤 猛、以下、「ENEOS」)との共同プロジェクトにて、ENEOS堺製油所にて稼働する高圧受変電盤(空調機能保有)の省エネルギーを目的とした共同実証を行い、実運用環境下にて本素材による省エネ効果を確認できた事をお知らせします。

2022年の7月~9月の3カ月間、SPACECOOLの技術を用いてENEOS堺製油所でカーボンニュートラルへ向けた新たな実証試験を行いました。当社は本実証結果を踏まえ、ENEOSグループ国内外のグループ各社・各事業所へ本素材の使用を広く提案を進める事で、石油業界のCO2排出削減、及び暑熱・地球温暖化・エネルギー枯渇問題などの社会課題解決への貢献につながると期待しています。そして SPACECOOLはCO2排出削減、地球温暖化の抑制に貢献する具体的なプロダクトとして、更なる商品開発、及び用途開発を加速して参ります。

1.実証概要
関東地域や関西地域での候補を検討した結果、堺製油所での設備環境が効果測定に適しており、その中でも空調電力の削減量を定量把握するため、設置環境は屋外で直射日光が当たり、内部に空調機を設置している設備を実証対象にしました。

図1.実証対象の高圧受変電盤図1.実証対象の高圧受変電盤

(参考)内部格納機器
– 真空遮断器 3.6kV 600A×6台
– モールド変圧器 3Φ3.3kV/210V 100kVA×1台
– モールド変圧器 1Φ3.3kV/210-105V 100kVA×1台
– 直流電源装置 2.6kVA×1台、 蓄電池 MSE 50Ah@10時間率 54セル(MSE-50-12×9個、DC108V/組)
– 空調機容量 1Φ100V 615W×3

2.本素材の施工状況
屋根、東・西・南・北壁の5面に施工しました。

図2.フィルム施工後の外観図2.フィルム施工後の外観

3.効果
7/22-8/31を施工前、9/1以降を施工後として全期間での消費電力低減効果を測定しました。本素材の有無での空調電力をモニターした結果、晴天日では約21%、雨天・曇りの日を含めた全期間でも約20%の空調電力削減効果を確認しました。尚、当公表内容は公益社団法人石油学会の長野大会(2022年10月27日‐28日開催)にてENEOSホールディングスより発表された内容となります。

図3.フィルム施工前後の消費電力の変化図3.フィルム施工前後の消費電力の変化

4.放射冷却素材「SPACECOOL」について
本素材は、宇宙に熱を逃がす放射冷却技術により、エネルギーを用いずに温度低下を実現できる新素材です。太陽光により地球上で発生した熱は、常に宇宙に向けて放出されていますが、一部は大気中の二酸化炭素や水蒸気に吸収されて大気中に留まり、地球温暖化につながっています。本素材は、二酸化炭素や水蒸気に吸収されにくい赤外線波長を放射する性質を持つため、熱を大気中に留めることなく、宇宙に放出することができます。

 

 

図5.SPACECOOLフィルム(白、銀)図5.SPACECOOLフィルム(白、銀)

図6.SPACECOOL膜材料(白、銀)図6.SPACECOOL膜材料(白、銀)

会社概要

会社名 SPACECOOL株式会社(英語名 SPACECOOL Inc.)
設立 2021年4月1日
本社所在地 東京都港区虎ノ門1-17-1虎ノ門ヒルズビジネスタワー4F ARCH内
代表者 宝珠山卓志
事業内容 放射冷却素材「SPACECOOL」の製造・販売
省エネルギー関連の製品、環境改善のための製品の販売・コンサル
株主構成 大阪ガス株式会社 49%、WiL Ventures III, L.P. 29%、WiL Fund II, L.P. 22%
ホームページ https://www.spacecool.jp/
お問い合わせフォーム https://www.spacecool.jp/contact2/

 

 

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