- 概要
銀座 蔦屋書店は時代の大きな転換期を迎えている今、時代をリードしてきた巨匠建築家と、これからの時代を担うことが期待される若手建築家の双方へまなざしを向け、提案と発信を続けています。
『IN THINGS』は2022年10月にオランダの出版社Lecturisから刊行された、建築家・板坂諭のプロダクトデザインを収録した最新作品集で、これから更なる活躍が期待される若手建築家・板坂諭のデザイン思想を知ることができます。銀座 蔦屋書店では『IN THINGS』の刊行を記念し、本書のカバーデザインにもなっている照明「Mushroom lamp gold」他、板坂諭のデザインレーベル「h220430」の照明作品3点を展示・販売いたします。
次世代を担うべき「Next leader」の1人である板坂諭がプロダクトデザインに込めた思いを知り、感じ取っていただけたらと思います。
特集ページ|https://store.tsite.jp/ginza/blog/architectural-design/30063-1635391109.html
- 作品詳細
■「Mushroom Lamp」
米ソ間での冷戦が終結し、一時は核戦争の危機が去ったかと思われました。しかし、 冷戦後もインド、パキスタン、中国、フランス、北朝鮮などで核兵器開発は続き、核戦争の危機は今なお終結していません。2021年時点で、地球上には13,000発 という信じがたい量の核兵器が存在しています。これは地球を何度も壊滅させることのできる量です。この絶望的な状況下で私たちが核兵器の無い世界を目指してできる事は、この問題に関心を持ち、理解を深め、話し合い、核廃絶の声を上げつづけることです。我々は日々の生活の中にMushroom Lampを挿入する事でそのきっかけを創出し、世界中の平和を願う人々の心を照らす手助けをしたいと考えています。
2011
Materials:ABS, LED
Dimensions:W420 × D420 × H450
■「The Birth Stand」
「卵子は受精した瞬間に光を放つ。」
この記述を目にしてから、生命の神秘に対する興味はより一層強くなりました。それはまさに命の光です。厳密には卵子は受精した瞬間にカルシウムイオンの波⻑を変化させます。光を波⻑と捉えれば、そのカルシウムイオンの電子的な波⻑は”光”の一種と言えます。その”光”をインスピレーションとしてThe Birthが誕生しました。
電球同士を内側に向けたことによって、電球の表面には周辺の複数の電球が映り込みます。それは受精卵が一週間で200もの細胞分裂を繰り返すさまを想起させます。The Birthはまるで心臓の鼓動のような光の明滅を繰り替えします。これは卵子が受精後に反復的なカルシウムイオンの上昇と下降を繰り返すことに由来しています。
今日、人種差別や無差別テロといった人道的課題は尽きることがありません。人工的に生命を創り出すことすら可能になり「生命の重さ」が変化している今、「生命」について改めて考える必要があると考えています。The Birthが生命の神秘と尊さを再認識するきっかけになることを願っています。
2015
Materials:Aluminum, Light bulbs, Cables
Dimensions:Ø750 × H(FREE)
Garden stool
W440×D365×H450
■「Virus Lamp」
2019年に私たちは未知のウィルスに遭遇し未曾有の危機に直面しました。しかし、人類がかつて戦ったSARS、MARS、スペイン風邪などの前例からもわかるように、しばらくすると我々はまた平穏を取り戻します。きっと、日本では満員電車が再び走り出し、飲食店では密な状態で会話が交わされるでしょう。
痛みを忘れることは人類に与えられた能力なのかもしれませんが、私たちはこれからも常にウィルスの存在を意識する必要があります。Virus Lampは平穏を取り戻した日常であっても目に見えないウィルスの存在を我々に思い起こさせてくれます。洗面所などでおぞましく空間を照らしながらウィルスを意識させ、手洗いなどの感染症対策を誘引します。
2020
Materials:LED, Heat resistant nylon
Dimensions:W250 × D250 × H125
(板坂 諭)
- アーティストステートメント
IN THINGSは、inside the Thingsの略で、作品の内に秘めた想いやストーリーを意味しています。
作品の魂を感じてもらいたいという願いを込めて「IN THINGS」というタイトルを選定しました。
モノの形態操作だけでデザインを語れる時代ではありません。
魂を感じるデザインを楽しんでいただきたいと考えています。
板坂諭
- 作品販売について
銀座 蔦屋書店店頭にて、11月24日(木)10時30分より販売開始いたします。
- アーティストプロフィール
板坂諭 (いたさか・さとし)
1978年生まれ。2012年に建築設計、プロダクトデザイン、アートの製作やキュレーションなど幅広い分野で創作活動を行う株式会社the design labo 一級建築士事務所を設立。住宅や商業施設などの建築設計を主軸としながらも、国内外の企業からの依頼を受けプロダクトデザインを担当。幾つかの作品が美術館のコレクションに加えられるなど、エリアやジャンルを越えた活動を行っている。著書に「New Made In Japan」(青幻舎)、「IN THINGS」(Lecturis)がある。
- 展示詳細
会期|2022年11月24日(木)~12月25日(日)
会場|銀座 蔦屋書店 建築書籍売場
入場|無料
主催|銀座 蔦屋書店
お問い合わせ|03-3575-7755(営業時間内)/info.ginza@ccc.co.jp
特集ページ|https://store.tsite.jp/ginza/blog/architectural-design/30063-1635391109.html
- 建築コンシェルジュより
2022年の建築書フロアはMasterpieceとNext leaderを2大テーマとしており、さらにその間にある「継承される、継承する」も紐解こうと取組んでいます。板坂諭は建築設計の傍ら、プロダクトをデザインすることで社会への問いかけを試みており、そのまなざしはコロナ以降の社会へと確実に向けられており、「Next leader」としての活躍が今後ますます期待されます。(建築コンシェルジュ 坂山)
- 書籍情報
タイトル:IN THINGS The collected works by h220430
出版社:Lecturis
サイズ:165 x 235mm
ページ:144p
著者:板坂諭
言語:英語
ISBN:9789462264588
価格:5,500円(税込)
h220430は日本人デザイナー板坂諭のデザインレーベルです。本書は、照明や家具から公共空間 のコロナ対策ソリューションまで、この レーベルが過去 10 年間に生み出してきた多様なデザインと製品の概要を紹介しています。
- 銀座 蔦屋書店
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- CCCアートラボ
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