才能あるデザイナーやアーティストの発掘・支援・コラボレーションを目指したデザインとアートのコンペティション「TOKYO MIDTOWN AWARD 2022」結果発表

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東京ミッドタウン(港区赤坂 / 事業者代表 三井不動産株式会社)は、“「JAPAN VALUE(新しい日本の価値・感性・才能)」を創造・結集し、世界に発信し続ける街”をコンセプトに掲げており、その一つのアクションとして、才能ある若手(39歳以下)デザイナーやアーティストとの出会い、応援、コラボレーションを目指したデザインコンペとアートコンペの2部門にてアワードを開催しています。
この度、計1,481点の応募作品の中からグランプリなど全16点の受賞・入選作品を決定いたしました。全16作品は、10月13日(木)~11月6日(日)まで、東京ミッドタウンのプラザB1にて展示いたします。
デザインコンペ グランプリ
テーマ : TRIP

グランプリ(賞金100万円)
《souvenyl chair》
ツルタシュリ

アートコンペ グランプリ
テーマ : 応募者が自由に設定

グランプリ(賞金100万円)
《But he has nothing on at all》
中田愛美里
 

  • TOKYO MIDTOWN AWARD 2022 デザインコンペ受賞作品一覧

■グランプリ(1点)

作品名:《souvenyl chair》(スーべニール チェア)
受賞者:ツルタシュリ
<作品コンセプト>
ビニール袋を椅子にアップサイクル。旅先でもらうお土産袋や生活の中でもらう袋を加熱加工した、世界でたった一つの「お土産のような椅子」。重ねた袋の種類によって、人それぞれの個性や地域性が現れます。自身の旅を蓄積するだけでなく、この椅子がお土産として、人と人のあいだを旅することを目指して制作しました。

■優秀賞(3点)

作品名:《情景を重ねるポストカード》
受賞者:funsui/松尾沙也加、大塚眞浩、加藤槙之助、平野佳奈
<作品コンセプト>
今まで旅の思い出の記録としての役割を担ってきたポストカードに、「物語の情景を探しに行く」という旅の新しいきっかけを与えました。
コロナ禍やSNSの発達を経て、私達はわざわざ旅に出かけるという行為をしなくなってきています。旅を取り巻く環境が大きく変わりつつある現在、新しい旅の価値観や楽しみ方をこのポストカードは提案します。
 

作品名:《icetream》(アイストリーム)
受賞者:成瀬 峻
<作品コンセプト>
自然を感じたいと、旅した先でその土地の名水を飲む。その湧き水は、流れをつくり、上流から下流にかけて豊かな自然をはぐくむ。その流れを支える石は、流されながら、角を削り、丸くなる。石にとっても流れという旅をしている。これは石の上流から下流までの、形状変化になぞらえたアイスキューブ。帰路につき、旅先の自然に思いを寄せながら飲む水も、いつもよりきっと美味しい。
 

作品名:《器になる個包装》
受賞者:curry&hamburg/瀧澤 光、田村 開
<作品コンセプト>
旅とは非日常であり特別な行為です。普段体験できない贅沢を味わう行為。どんな小さなことも、思い出の一つになります。これは、お着き菓子の包装紙がそのままお皿になる提案。おもてなしと楽しさを感じながらゆったりとお着き菓子を楽しめます。些細なことからも贅沢感と楽しさを感じられることこそ旅の醍醐味ではないでしょうか。

■ファイナリスト(6点)

【写真上段左】
作品名:《旅風鈴》
入選者:小林 遣

【写真上段中央】
作品名:《花になるガム捨て紙》
入選者:吉田峻晟

【写真上段右】
作品名:《Avatar》
入選者:谷口えいみ

【写真下段左】
作品名:《tadayo – 部屋を旅する照明》
入選者:はるえ と はやし/春江紗綾・林 海人

【写真下段中央】
作品名:《振り掛け花火》
入選者:井上 凪

【写真下段右】
作品名:《TOFU》
入選者:TOFU/李 彥霆・吳 承澤・汪 佳慧・李 元浩

 

  • TOKYO MIDTOWN AWARD 2022デザインコンペ審査員総評

総括
パンデミックの蔓延から3年弱が経ち、人々が新しい環境の変化にも順応してきたムードが感じられる昨今ですが、「旅」のデザインを通してコロナ後の未来に想いを馳せていただきたいという思いから、15回目を迎えた今年のデザインコンペでは「TRIP」をテーマに掲げました。全体では1,218点の応募があり、「旅に出たい」という初期衝動をダイレクトに訴えるようなプロダクトやファッション、コミュニケーションのデザインや、別視点で「TRIP」というワードを読み解いたデザイン提案まで幅広い作品が集まりました。現在の審査員メンバーが就任してから5年目となりますが、満場一致でグランプリが選出されたのは今回が初めてで、上位に残った作品は、提案力、想像力、発見力が優れていた印象を受けました。昨年に引き続き、2次審査では、どのチームもプレゼンテーションの質が高く、若い世代のデジタルリテラシーの高さを実感するとともに、ファイナリスト10組のうち6組が学生だったことを受け、次世代を担うデザイナーに大きな可能性も感じる結果となりました。

石上純也(建築家)
今回「TRIP」というテーマで、とても楽しく審査させていただいた。一見、誰にでも考えることができる優しいテーマに思えるが、実際には、旅に対する個々人の価値観が異なる中、多くの人々が共有できるデザインとして提案するとなるととても難しいように思う。自分の思い入れだけではなく、旅という行為を自分なりに思い浮かべ、それを抽象化しデザインへと転化する行為は高度なデザイン能力を必要とする。実際、最終的にファイナリストに残った作品は自分が感じる旅への思いと、それが万人へも通じるデザインの昇華という所でバランスがとれていて、結果的にレベルが高い作品が上位に残ったのではないかと感じた。

伊藤直樹(クリエイティブディレクター/アーティスト/起業家)
「TRIP」って具体的で結構難しいかと思っていましたが、結果的に良いトリガーになっていたと感じました。未だに行動が制限されている中で「何か体験したい」という渇望感が醸成されていっている気がしていて、上位賞の作品は素敵な体験が一個加わってるものが多い。そして今回の特徴として、プレゼンの中の映像がすごく良かったです。「TRIP」を伝える時に、映像と音で感性を伝えている点が特徴的でなおかつレベルも高い。今年のプレゼンは5年間の中でも一番良かったと思いました。トータル的に、非常に感銘を受けた回でした。

えぐちりか(アーティスト/アートディレクター)
1次審査では「TRIP」というテーマが難しかったという印象を持っていましたが、2次審査でのモックの完成度が高く、どのチームも期待を上回るプレゼンテーションでした。上位賞の審議では審査員が満場一致で「これだよね」というものを審査員を務めて5年目にして選ぶことができました。それぞれとてもいい作品なので、受賞で終わらずに商品化へむけて頑張っていただきたいです。これをきっかけにして、それぞれの道での更なる活躍に期待しています。

川村元気(小説家/フィルムメーカー)
「TRIP」というテーマの解釈が広く、それがゆえにユニークなデザインが登場した印象でした。アイデアを具体化させるプロセスで生まれるデザインの進化もあり、2次審査のプレゼンまであるこの賞ならではの表現が生まれたことがとても良かったと思います。

中村勇吾(インターフェースデザイナー)
実際の旅で使われるプロダクトのデザインであったり、内面的な心の旅を誘発させるメディアのデザインであったり、「旅」の解釈が実に多様で興味深かったです。プレゼンのレベルが高く、デザインに対する実際的な検証はもちろん、自分は「旅」についてこう考えた、というそれぞれのデザイナーの価値観が強く伝わってきたのが印象的でした。具体的に使用してどうか、というよりは、「それを媒介にしてどのように心が繋がるか」といったデザインの別の側面が垣間見えました。

 

  • TOKYO MIDTOWN AWARD 2022アートコンペ受賞作品一覧

■グランプリ(1点)

作品名:《But he has nothing on at all》
受賞者:中田愛美里
<作品コンセプト>
バレリーナを目指していた頃、舞台に立つと無意識で空っぽな身体が誰かに何かを演じさせられているように感じた。その感覚は日常にも潜んでいて、現代には気づかないうちに演劇的な構造に参加させられている人がたくさんいる。この作品では、SNSで集めた着飾られた犬たちをモチーフに社会の中で
“本当の自分ではない誰か”を無意識に演じさせられている人々の肖像を描く。私たちは大きな劇場の中で踊らされている。

■準グランプリ(2点) ※審議の結果、1点のところ、2点になりました。

作品名:《35°39’55”Nの旅》
受賞者:片貝葉月
<作品コンセプト>
この作品は「想像の旅」をすることを目的としています。その旅のルートは、東京ミッドタウンの展示場所と同じ緯度(35°39’55”N)をひたすら西へまっすぐに進む1本線の旅路。自分の足元から繋がる多種多様な世界を再発見し、自分と世界に対する新しい見方を手にすることは、分断されつつある世界を接着するための、ひとりひとりができる、ひとつの手段になるのではないかと考えています。
 

作品名:《Sky Forming Apparatus》
受賞者:studio SHOKO NARITA/成田雄基・平澤尚子
<作品コンセプト>
空という漢字は「穴」に由来し、太古の人間は頭上に広がる大きなからっぽの中から神々が舞い降り、雲や雷が出てきては消えてゆくと考えていました。無と有の両方の側面を持つ空は、いつの時代も人間にとって五感を惑わす美しいものです。この作品は、空の原理を応用した特殊なガラスが生む色の移ろいを、パラボラアンテナで映し取っています。さまざまな人が行き交う東京ミッドタウンにおいて、いま鑑賞してもらいたい作品です。

■優秀賞(3点) ※審議の結果、4点のところ、3点になりました。また、作家のこれからの成長を期待し、優秀賞の中から審査員特別賞を1点選出しました。

【審査員特別賞】

作品名:《空白を晒す》
受賞者:馬蹴れんな
<作品コンセプト>
私は「空白」をあって当然の何かが失われた状態と仮定し、それを受け止めた際に湧き上がる感情の一つ、解放感に着目した。私は空白への逃避、即ち極限の解放を時折強く望む。もしその様な欲が誰の心の根底にもあるのだとしたら、人間は本質的に満たされないと言える。人間は強い欲と自己を持っていながらも支え合わないと生きていけない、センチメンタルの塊なのだ。
 

作品名:《tooloop》
受賞者:井村一登
<作品コンセプト>
様々な土地の黒曜石を砕き、溶かし、混ぜ合わせ、人工的に塊を生成する。本作は、展示会場で作家が制作した石器と、そこで生じた破片を展示する。黒曜石は産地の歴史を保存した記録媒体と言える存在であり、それを合わせることは土地の記憶を共有させる行為である。石器作りという目的により、軌跡は記憶を保持したまま分散する。東京ミッドタウンという場の構造、そこで生まれる人々の営みからこの作品案が生まれた。
 

作品名:《六本木の肌理》
受賞者:平野利樹
<作品コンセプト>
公園のふわふわとした紫陽花、ゴツゴツした小石の舗装、ベトベトしたドーナッツ、ツルツルとしたスーパーの魚、ガチャガチャした路地裏のゴミ捨て場、ガタガタした雑居ビル、のっぺりとしたガラスの高層ビル。大小さまざまなスケールで見出された六本木という都市の肌理を、3Dスキャンによって収集し、デジタルファブリケーションと手作業によって再び物理空間上に製作することで、触覚的な都市空間体験を考察する作品です。

 

  • TOKYO MIDTOWN AWARD 2022アートコンペ審査員総評

総括
アートコンペでは、テーマは「応募者が自由に設定」とし、東京ミッドタウンのパブリックスペースに作品を展示するという場所性を活かしたサイトスペシフィックな作品を募集。15回目となる今回は263作品の応募がありました。最終審査にはレベルの高い作品が集まり、評価が拮抗した今回は、長時間にわたる審議を経て、例年は1点のみ選出する準グランプリを2点、作家の今後の活躍に期待を込めて優秀賞の中から審査員特別賞1点を選出する運びとなりました。自身のアイデアの本質と、それを表現する素材や技術の関係を突き詰めた作品が上位に残ったのが印象的でした。応募傾向としてはインスタレーションの応募が最も多く、次いで立体、絵画が続きます。応募者の年齢を見ても全体的に若年化が進んでいます。パンデミックの発生から3年弱が経ち、バーチャルとリアルが混在する現代社会に呼応しながら自身の表現を追求している作品が多く集まりました。

大巻伸嗣(アーティスト)
今回は作品の完成度も高く、とても審査が困難であった。展示作品を最初に見せていただいた時、自分の事ではないのだが、少しワクワクし、作家たちが最後まで諦めず挑戦してくれたことに大変嬉しく感じた。新型コロナウイルスが蔓延してから3年弱という時がたち、その環境を受け入れながら新たな表現を紡ぎ出すことができる状況にやっとなってきたように感じる回だった。作家が抱える希望や悩みが一人の人間として、小さな試みであるが、この小さな試みが東京ミッドタウンに何かしらの影響を与えてくれるように思う。

金島隆弘(アートプロデューサー/京都芸術大学客員教授)
例年よりバラエティーに富んだクオリティの高い作品が揃い、コロナ禍も落ち着き、以前の状況に戻りつつあることが実感できた回でした。しかし、その間には技術の進展や社会の変化があり、それは今回の応募作品にも現れており、物質的な表現に加え、デジタルの表現の可能性を示唆するものも多い一方で、オンライン社会が急速に広がる中、作品が展示される現場での鑑賞者の視点が希薄になっている感もありました。審査員を担当して5年目ですが、この間の社会の転換点を、アートを通じて定点的に観察できた機会をいただけたことに感謝しております。

クワクボリョウタ
(アーティスト/情報科学芸術大学院大学 [IAMAS] 教授/多摩美術大学情報デザイン学科非常勤講師)

今年はコロナ禍を切り抜けて、それぞれの作家が自分本来の問題意識を全開にして挑むことができたように思います。また、最後までどのようにすればより良く表現できるか試行錯誤を続ける姿勢も目立ちました。このアワードがある種の対話の場として機能したのかも知れません。
AIによって良く出来たアート作品が量産されつつある今、人の創造性とは何なのかが再び問われています。その意味で、作品はそれ単独の物としてではなく、それを作った者がどのような過程において世に問うたものなのか、そのプロセスを含めて受け止め、評価することが重要なのだと感じました。

永山祐子(建築家)
全体的にレベルが高い年で最終審査はとても見応えがあった。表現方法が様々で作家が2次審査での講評から作品を客観視した上で自分なりの答えを出した葛藤が見えた。このアワードならではの良さが出た年であったと思う。自分の感覚を信じて突き進んだもの。技術的に難しい内容を検証を重ね表現に昇華させたもの、最終的に出来上がったものはクオリティが高く美術館にあってもおかしくないと感じた。しかし、このアワードは美術館とは違う場所に飾られる。そこがさらに試された部分であると思う。審査は票が割れ、難航したが、最終的には皆が納得した形となったことも印象深かった。

林 寿美(インディペンデント・キュレーター/成安造形大学客員教授)
各作家がそれぞれ、プランをもとに自分のアイデアに真摯に向き合い、表現の精度を上げてクオリティの高い作品を完成させたことに敬意を表します。また、誰もが小さく縮こまらざるをえなかったコロナ禍の収束を告げるように、どの作品にも、新しい可能性を見出そうとする意志や挑戦が感じられました。ようやく次なる時代が始まる予感がしています。

 

  • 展示情報

【TOKYO MIDTOWN AWARD 2022 EXHIBITION】
期間:2022年10月13日(木)~11月6日(日)
受賞・入選した全16作品(デザインコンペのファイナリストを含む)を東京ミッドタウンのプラザB1に展示します。
 

 

▲イメージ▲イメージ

【東京ミッドタウン・オーディエンス賞】
期間中、来場者の一般人気投票をオンラインで実施し、「東京ミッドタウン・オーディエンス賞」を決定します。結果は11月下旬にTOKYO MIDTOWN AWARD オフィシャルサイトにて発表します。

 

  • トロフィー

TOKYO MIDTOWN AWARDでは、年度ごとにオリジナルのトロフィーを制作しています。
2022年度のトロフィーはデザインコンペの審査員、えぐちりか氏がデザイン、制作した作品です。

【コンセプト】

“問いかけるトロフィー”
TOKYO MIDTOWN AWARDの受賞は、作家やデザイナーとして
さらに大きく飛躍していく期待の込められたスタートライン。
「一度きりの人生、死ぬまでに何を成し遂げたいか?」を
問いかけてくるようなトロフィーにしたいと思い、骨をモチーフにしました。
ゴールドとプラチナの鏡面は、未知の自分や可能性をイメージし、
受賞された方々のさらなる活躍に想いを込め、
陶芸で一つ一つ自分の手で制作しました。

概要の詳細は公式サイトをご参照ください
TOKYO MIDTOWN AWARD公式サイト www.tokyo-midtown.com/jp/award/
※デザインコンペ、アートコンペの各受賞作品画像は、以下のURLよりダウンロードいただけます。
 www.tokyo-midtown.com/press/index_press.html

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三井不動産グループのSDGsへの貢献について
三井不動産グループは、「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、人と地球がともに豊かになる社会を目指し、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、つまりESG経営を推進しております。当社グループのESG経営をさらに加速させていくことで、日本政府が提唱する「Society 5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。また、2021年11月には「脱炭素社会の実現」、「ダイバーシティ&インクルージョン推進」に関し、下記の通りグループ指針を策定しました。今後も、当社グループは街づくりを通じた社会課題の解決に向けて取り組んでまいります。 

【参考】
・「脱炭素社会実現に向けグループ行動計画を策定」 
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1124/
・「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言および取り組み方針を策定」 
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1129_02/
※なお、本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における1つの目標に貢献しています。

目標17 パートナーシップで目標を達成しよう

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