1872(明治5)年、横浜のガス灯からはじまった日本のガス事業は、本年10月31日に150年を迎えます。本展では、ガス事業150年の歴史の中で「ガス灯」がきらめいた(wink)5つの時代に焦点をあて、現代へと至る各時代のガス灯の魅力と特徴を、150アイテムの展示や写真、体験から紹介します。時代とともに暮らしに輝きを与え続けてきたガス灯のすべてがわかる特別企画です。https://www.gasmuseum.jp/gallery/
明治はじめに、あたたかな炎で文明開化の街に輝きを与えた「ガス灯」は、明治後期から大正期にかけて、室内のあかりとしても普及していきます。
最初は赤い光を放つ裸火のあかりであったガス灯ですが、明治30年代に、ガスの燃焼熱を利用して明るく青白い光を放つマントル式のガス灯が登場すると、広く国内で街灯や室内のあかりとして利用され、大正時代はじめには全盛期を迎えました。
やがて電灯があかりの主力となっても、ガス灯は昭和モダンの頃や昭和30年代初めまで、電気を使わない室内のあかりとして、わたしたちの暮らしの中できらめき続けました。
その後、1959(昭和34)年の横浜開港百年記念事業で、横浜の街に2灯のガス灯が復刻されて灯ります。これを機に、街の記憶、シンボルとして全国各地でガス灯が復刻されていきます。今では、北は北海道から南は沖縄まで、3,000基あまりのガス灯が夜の街を照らしています。
今回の展示会では、明治初頭の文明開化に始まったガス事業150年の歴史のなかで、「ガス灯」がきらめいた(wink)5つの時代に焦点をあて、現代へと至る各時代のガス灯のチャーミングな魅力と特徴を、150アイテムの展示や写真、体験から紹介します。
また会期中、ガス灯の「点灯実演」ならびに、実際にガス灯に火をともしていただく「点灯体験(※)」を開催します。ぜひ足をお運びください。※土・日・祝日のみ
- 展示テーマ
Wink1.街にきらめく文明開化の灯り (明治初期~中期)
文明開化の象徴、都市の近代化のシンボルとしてガス街灯が登場した時代。
Wink2.暮らしのあかりへ (明治後期から大正中期)
ガスマントルの登場でガス灯が広く使われるようになり、都市の暮らしへガス灯が浸透した時代。
Wink3.昭和モダンを彩る (昭和初期)
昭和モダンの文化的な生活を彩る灯りとして、チャーミングなガス灯に魅せられた時代。
Wink4.戦後復興を照らす (昭和20~30年代)
電気を使わない灯りとして、ガス灯の魅力が再興した時代。
Wink5.街の記憶の復刻 (昭和40年頃から現在)
都市の記憶として復刻され、ガス灯が新たな街の景観となる時代。
コラム展示 瀟洒(しょうしゃ)で優美なデザインのガス灯たち
国内外の瀟洒で優美なデザインのガス灯を紹介します。
- 展示会場
●メイン展示:ガス灯館2階ギャラリー「企画展」
「Wink1~4」の時代ごとに、ガス灯実物および錦絵や写真のパネルなどの史料を展示。
●常設展示:ガス灯館1階
「Wink1~2」の時代を中心に、「鹿鳴館のガス燈」などの貴重なガス灯実物展示をはじめ、ガス事業の黎明期の歴史を展示。毎日定時に「ガス灯点灯実演」を実施。
<花ガス点灯実演の写真>
●屋外展示:ガスライトガーデン
「Wink1~2」の時代に建てられた、ヴィンテージのガス街灯18基を実際に点灯。
●特別展示:くらし館1階「多目的スタジオ」
「Wink5」今の時代に輝くガス灯と街の風景を取り上げた、2つの写真展をご紹介。
(1)日本ガス協会所蔵『ガス燈のある街』写真展
国内各地の街でガス灯が灯る美しい風景写真を紹介。
(2)ミュージアムブログ『ガス灯を探しにいこう!』アーカイブ展
都内各地や国内主要都市でガス灯がともる街を、ガスミュージアム館員が探訪して紹介したWEBブログシリーズ各号をパネル展示で紹介。
- 開催概要
■会期:2022年10月1日(土)から12月25日(日)
※月曜日休館。但し、10月10日(月・祝)は開館、 10月11日 (火)は休館。
■開館時間:午前10時~午後5時
■入場:無料
■会場:ガスミュージアム(東京都小平市大沼町4-31-25)
■お問い合わせ:
〒187‐0001 東京都小平市大沼町4-31-25
TEL:042‐342‐1715/FAX:042‐342‐8057(休館日を除く10:00~17:00)
ホームページ:https://www.gasmuseum.jp/
■感染予防対策:
新型コロナウイルス感染防止のため、ご見学は30分間隔の入れ替え制とさせていただきます。
詳しくはホームページをご覧ください。https://www.gasmuseum.jp/announcement/20220401/
- ガスミュージアムについて
ガスミュージアムは、日本のガス事業に関する貴重な資料を展示・収蔵するために、1967(昭和42)年に東京都小平市に開設されました。
明治の初めにガス灯が灯って以来、台所やお風呂・暖房などいつも私たちのくらしと共にあったガスの歴史を赤レンガの洋館の中でゆっくりお楽しみいただけます。
食文化への学びや体験の提供に取り組む博物館であることが評価され、2022(令和4)年3月に文化庁から「食文化ミュージアム」として認定されました。
また、2022(令和4)年4月、日本の都市ガス事業を牽引した明治時代を代表する実業家である渋沢栄一を紹介するギャラリーも完成しました。新しい一万円札の顔に決まった渋沢栄一が日本の近代化に果たした役割の一端をご覧いただけます。
■アクセス
西武新宿線 花小金井駅北口「花小金井駅入口」バス停より または、JR中央線 武蔵小金井駅北口より
[武21]錦城高校経由…東久留米駅西口行き西武バス 「ガスミュージアム入口」バス停下車徒歩約3分
西武池袋線 東久留米駅西口より
[武21]錦城高校前経由…武蔵小金井駅行き西武バス 「ガスミュージアム入口」バス停下車徒歩約3分
西武新宿線 小平駅より 徒歩約20分(2km)新青梅街道 滝山南交差点角
※駐車場無料