本学とJSは、団地のコミュニティ活性化に寄与する空間に関する共同研究を行っています。今回のリノベーションは、2019年にJSが主催したコンペにおいて、日本女子大学大学院 家政学研究科 住居学専攻 篠原研究室の学生たちが最優秀賞を受賞したことからスタートしました。まずは、学生主体で住民へのアンケートやプレゼンテーションなどを行い、団地におけるコミュニケーションの課題や要望を調査しました。その結果を踏まえて、「ぷらっとあさひ」は学生が基本設計を担当し、JSや設計事務所との実施設計の打合せを重ね、2022年4月に着工し、7月に竣工しました。今年度は、篠原研究室の修士課程1年2名、修士課程2年1名、博士課程(後期)3年1名が本取り組みを担当して完成に至りました。
誰もがいつでも気軽に立ち寄れ、日常に溶け込むスペースをコンセプトに考案。モノや空間を通してさまざまな人がつながる「プラットホーム」であり、誰もがいつでも気軽に「“ぷらっと”立ち寄れる空間」であってほしいという想いから、「ぷらっとあさひ」と名付けました。いつでも利用でき情報発信や情報共有の場となる「ぷらっとエリア」と、イベント時に開放される「きっかけヒロバ」で構成されています。
8月のプレオープン期間には、学生たちが「ぷらっとあさひ」の利用方法について説明や、これまでの活動経緯の展示、休憩スペースとしてご利用いただいた感想を伺うなど、地域の方々とコミュニケーションを図ってまいりました。この期間中に、必要な設備や表示なども現地で確認し、運用開始に向けての準備を進めました。地域の方々と対話する中でいただく意見や新しいアイデアには、改めて気付かされることが多く、大変意義深い期間となりました。
オープン後も地域の方々と作り上げる空間を目指し、住民によるイベント開催や、学生の課外活動、本学社会連携教育センターを介しての活用など、住民と学生、地域社会がコミュニケーションできる場として幅広く提供していく予定です。
■ぷらっとあさひ概要
・場所:
清瀬旭が丘団地 2-5-2号棟 106号室(東京都清瀬市旭が丘2丁目)あさひがおかぐりーんモール内
・アクセス:
西武池袋線「清瀬」駅バス9~15分 徒歩1~4分
東武東上線「志木」駅バス20~22分 徒歩1~4分
JR武蔵野線「新座」駅バス10~12分 徒歩1~4分
・平米数:58.59㎡
■取り組みのこれまで
・2019年度:
JSが主催したリノベーションコンペで、日本女子大学大学院の学生の案が最優秀賞を受賞。
・2020年度:
11月に『団地共用部とコミュニティ』についてのアンケートを住民対象に実施し、3月にアンケート結果報告会を開催。
・2021年度:
団地内の集まり等に参加しながら、どのような場所があるとより良いのか、空間の使い方や人々のつながりについて考え、12月には、学生が考えた空間のプレゼンテーションを実施。3月には学生主催の住民との交流イベントを着工前の現地で開催。
・2022年度:
4月に着工し7月に竣工。8月にプレオープン(内覧会・試験運用)し、9月10日(土)本格運用開始。
「ぷらっとあさひ」ホームページ(イベント予定やこれまでの経緯もお読みいただけます):
https://mcm-www.jwu.ac.jp/~sinohara/project/kiyose/plat_asahi.html
<参考情報>
■「建築デザイン学部(仮称)」 開設予定(構想中)
本学では、2024 年4月に本学初の工学分野を含む学部として、「建築デザイン学部(仮称)」を新たに開設する予定です。従来の「家政学部住居学科」を発展的に独立させて新学部とする構想です。
本学の住居学科は、建築家の妹島和世氏、東利恵氏、貝島桃代氏、赤松佳珠子氏等、著名な建築家をこれまでに多数、輩出してきました。「建築デザイン学部(仮称)」となることで、これまで以上に、より広い視野を持ち、同時に生活環境への繊細な眼差しを持ったデザイナー、研究者、職業人の育成を目指し、国際社会の持続的発展に寄与できる女性の活躍を推進していきます。
- 日本女子大学は、日本初の組織的な女子高等教育機関として創立し、昨年120周年を迎えました。私立女子大学唯一の理学部を有し、文理融合の教育環境をもつ女子総合大学です。幼稚園から大学院までの一貫教育、さらに卒業生以外にも門戸を開くリカレント教育など、誰もが生涯を通じて学び、成長し続ける社会を創るための機会を提供しています。多様で非連続に変化する社会において、新しい明日を共に創る人材を育てています。詳しくは、https://www.jwu.ac.jpをご覧ください。