芸術大学で初めての投資ファンドを組成ー京都芸術大学 Art & Biz ファンド

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京都芸術大学を運営する「学校法人 瓜生山学園」(京都市左京区/理事長 徳山豊)は、このたび、「株式会社クロステック・マネジメント」(京都市左京区/代表取締役 北村誠)を無限責任組合員とする「京都芸術大学アートアンドビジネス1号投資事業有限責任組合」(以下、京都芸術大学 Art & Biz ファンド)に出資を行いました。この取組は、芸術大学では初めての投資ファンドの組成となります。

■0. 本取組の背景とねらい

(1)労働市場におけるAIや機械の活用が進む時代を生きるこれからの学生にとって、「テクノロジーは脅威ではなく、チャンスの源」と捉え、新たな仕事を創り出す「起業家的思考や行動」を身につけることが重要になります。
(2)一方で、これまでの「起業家的思考や行動」を身につける教育上の課題は、大学内部と外部の接点が少なく、必要なリソースを有効活用できていないという点にありました。
(3)教育プログラムと本ファンドの組成によって、本学、他大学、スタートアップ、アクセラレーター、投資家、企業、自治体等と連携した「芸術大学発スタートアップ・エコシステム」の構築を目指します。

写真:表 恒匡写真:表 恒匡

■1. 投資先事業者選定の方針(地域、業種、規模、成長段階など)

(1)投資事業の分野については、制限は設けないものの以下の分野を主な対象とします。
 1)アート、デザイン、教育分野のDX化に寄与するスタートアップ
 2)Web3、メタバース分野のスタートアップ
 3)食分野、音楽・エンターテインメントなどのコンテンツ分野の成長に寄与するスタートアップ

(2)投資フェーズは、主にプロトタイピング期、シード期、アーリー期までを重点的に投資対象とします。

(3)ファンド規模:1号ファンドは2022年6月に1stクローズで3億円、最大10億円

■2. チャレンジが生まれる場づくりと投資相談体制も同時に確立(awabar kyoto)

awabar kyotoawabar kyoto

新規事業の創出支援を行うために、チャレンジをしたい人が集まれる「場づくり」も必要です。
そこで、京都市の中心部である河原町御池の京都信用金庫 QUESTION 1Fで「awabar kyoto(アワバーキョウト)」を本ファンドのベンチャーキャピタル(無限責任組合員)である、株式会社クロステック・マネジメントが運営しています。
東京・六本木や福岡・大名、沖縄・那覇で、多くのスタートアップが出会う場にもなっている「awabar(アワバー)」では、その出会いの中から事業相談が始まったり、投資案件につながっています。
関西、そして京都のそうした「場」として期待されるawabar kyotoでは、スタートアップと大学生が出会い、大学生の就職につながるなどの出会いも生まれています。
「awabar kyoto」では、店長にVCでの勤務経験もあり、自身も起業家である牧田 恵里氏(株式会社tsumug 代表取締役)を招き、本ファンドの「フェロー」として、来店者の皆さんからの投資相談も受けられる体制を構築しています。

また、京都芸術大学では、初年次から「スタートアップ」に関する科目を必修とする「クロステックデザインコース」を2018年4月に開設。クロステックデザインコースの同授業では、家入 一真氏(株式会社CAMPFIRE 代表取締役)、鶴岡 裕太氏(BASE株式会社 代表取締役CEO)を客員教授に招き、学生がスタートアップの持つイノベーションの可能性を理解する学びを推進しています。同コースからはこれまでも在学中の学生起業が生まれています。

■3. 京都芸術大学および他大学の学生も参加する「アート・アントレプレナーシップ教育プログラム」も2022年5月より展開中

京都芸術大学アート・アントレプレナーシップ教育プログラムおよびクロステックデザインコース京都芸術大学アート・アントレプレナーシップ教育プログラムおよびクロステックデザインコース

これからを担う若い世代から新規事業へのチャレンジが生まれていくためには、教育システムの構築も重要です。

そこで、京都芸術大学では、2022年5月より、起業家としての思考力や行動力を身につけることを目的として、「アート・アートプレナーシップ教育プログラム」を開講し、関西の他大学生も参加した教育プログラムを展開しています。
受講する学生は、芸術大学の学生の持つ「観察力やアイディアを生み出す力、創造力」に、総合大学の学生の専門分野の知見を掛け合わせて、異なる視点からさまざまなビジネスプランのアイディアを見つけるところからスタートします。そのアイディアを社会で実施検証を行い、その後投資家や起業家のメンターによる「壁打ち」を繰り返し、在学中の起業を目指しています。
こうした学内のみならず関西の学生に開かれた教育プログラムの中から生まれたスタートアップへの投資も想定して、本ファンドは組成されました。

■4. 本ファンドの組成を記念した、下記オンラインイベントを開催

2022年9月9日(金)オンラインイベント2022年9月9日(金)オンラインイベント

イベント名:「VCのリアル」

開催日時:2022年9月9日(金)17:30-19:00
開催方法:オンライン配信(Zoom)
参加方法:要事前登録/無料

    (下記URLよりお申し込みください)
    https://engawakyoto.com/event/event_799/

■5. 本ファンドのVC(無限責任組合員)株式会社クロステック・マネジメントについて

2016年10月27日に、学校法人瓜生山学園、株式会社オレンジ・アンド・パートナーズ、株式会社ABBALabが出資し創業しました。京都芸術大学など学校法人瓜生山学園各校の豊富な人的資源と外部のさまざまな知見を掛け合わせて、企業や自治体、海外機関の抱える課題やニーズに対して新たな価値を創出しています。そうした活動を通じて、アートやデザインを学ぶ在学生や卒業生の活躍の場を広げることを目指しています。その理念に共感し、2018年に株式会社電通が出資して経営に参画しています。
今回の取組では、株式会社クロステック・マネジメントを構成する各企業の強みである、教育、多様な人的資源、企画、ブランディング、マーケティング、コミュニケーション、投資領域などの視点で投資先企業への支援も行います。

■6. 本ファンド組成の社会的背景

現在、経済産業省および文部科学省では、日本の経済が持続的な発展を続けていくためには、イノベーションの連続的な創出が必要であると考えられています。一方で、既存企業等の多くは比較的リスクの低いコアビジネス関連技術を用いた事業化が主となっており、リスクの高い新規マーケットへの事業展開は十分行われていない現状があります。そうした中で、大学を取り巻く環境の中から生まれるスタートアップは、大企業ではリスクの取れない領域への積極的なチャレンジによって、新市場を創出するラディカルな「イノベーションの担い手」として期待されています。しかし、そうしたスタートアップが担う領域はその新規性からリスクも高く、昨今の日本経済の停滞により投資が敬遠される傾向にあります。こうした社会背景の中で、起業前や起業直後の「プロトタイピング期・シード期・アーリー期」において投資を行うシステムを大学自らが構築することで、新たなチャレンジが生まれやすい社会風土の形成を目指してまいります。
国公立大学や大規模な総合大学では、これまでもすでに「大学ファンド」は組成されておりますが、芸術大学を運営する学校法人として、それらのファンドとの違いとして、上記の「投資事業領域」を対象とすることによって、アート、デザイン、教育、Web3、メタバース、食、音楽・エンターテインメントなどのコンテンツ分野の発展に寄与したいと考えています。さらに、投資先となるスタートアップにアートやデザインを学ぶ学生をつないでいくことによって、現在ビジネスの世界で期待されるアート思考、デザイン思考を持った学生の視点を投資先スタートアップに活かしていくことも違いとなります。

■7. 本ファンド組成の教育上のねらい

これからの時代を生きる学生にとっては、急激な社会環境の変化を受け止め、その変化と向き合いながら、社会の課題を解決し、新たな価値を創造するための思考や行動を身につけることが重要になります。
一方で、令和3年3月17日の第8回成長戦略会議において、「Q. 起業家自身が日本で起業が少ないと考える原因」として、「第1位 失敗に対する危惧(再チャレンジが難しい)」(37.6%)、「第2位 身近に起業家がいない」(19.5%)、「第3位 学校教育(勇気ある行動への低い評価等)」(15.0%)が上位の回答として挙げられています。
本学園では、日本の教育が抱える上記課題を解決する取組として、教育プログラムの開発・改善と本ファンドの組成によって、本学、他大学、スタートアップ、アクセラレーター、投資家、企業、自治体等と連携した「芸術大学発スタートアップ・エコシステム」の構築を目指します。
そうした取組から、自身の強みであるアート思考、デザイン思考に加え、さらに起業家的思考力や行動力を身につけた学生一人ひとりが、地域や企業の抱える課題と向き合い、社会に新しい価値を生み出すことを期待しています。

■8. 関連企業情報

(1) 学校法人瓜生山学園 京都芸術大学 https://www.kyoto-art.ac.jp

(2) 株式会社クロステック・マネジメント http://xtech-m.co.jp

(3) awabar kyoto   https://www.instagram.com/awabar_kyoto/

(4)   engawa kyoto   https://engawakyoto.com

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