日本はかつて移民を出した国‥‥日系移民の現在地と歴史を取材しよう『Global Media Camp in ブラジル』参加者募集

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妻は難産で死に、娘は‥‥

世界屈指の移民大国といえば南米のブラジルです。先住民、白人(ポルトガル人、スペイン人、イタリア人、ドイツ人、ユダヤ人など)、黒人、シリアやレバノンなどの中東系、日系を含むアジア系‥‥。ブラジルには世界60カ国から移民が入っているといわれます。

日系人が世界で最も多く暮らす国、それがブラジルです。いまやその数、およそ270万人。米国の日系人の1.7倍です。

ブラジルへ移民を運んだ最初の船は「笠戸丸」。いまから120年近く前の1908年(明治41年)の4月に神戸港を出発し、アフリカ南端の喜望峰を回り、およそ50日後の6月18日にブラジル南東部のサンパウロ州にあるサントス港に着きました。乗ったのは781人。

人生最大の冒険をして新天地にたどり着き、「バラ色の未来」が待ち受けているのかと思いきや、現実はその真逆でした。日系移民は壮絶な苦労を味わったのです。

後進国ブラジルの農村(主にコーヒー農場)でピストルと鞭に追われ働かされた奴隷的な扱い、安い賃金、風土病で倒れた者、難産で死んだ妻、コーヒー農場で強姦された娘、貧しさゆえに栄養が足りずに死んだ嬰児や幼児‥‥。

ブラジルではかつて、日系を含む東洋からの移民は「ブラジル社会に馴染まないし、奇妙な生活習慣をもつ危険な人種」と揶揄されていました。黒人と黄色人種(東洋系)の受け入れを禁止する法案が1933年に国会に出されたこともあります。

日本軍が1941年に真珠湾を攻撃してからは「敵性国または敗戦国の人間」として猛烈な差別にさらされました。日本人の顔をしていることを悲しみ、日本語を話すことを恥ずかしがり、それを隠す風潮まで日系移民の間で広がったようです。

日系移民からすれば、勝手に戦争を始め、勝手に敗北した日本。その巻き添えを食ったとの思いが強いのかもしれません。当初描いていた5年か10年か働いてお金を貯め、故郷に錦を飾ろうという夢は完全に打ち砕かれ、日本への帰国を諦め、ブラジル永住の道を選択せざるを得なかったわけです。

二世、三世などと世代が進んだこともあり、ブラジルへの同化の道を歩み始めた日系移民たち。いまや、大臣、連邦議員、州議員、市会議員、市長などを輩出するなど、確固たる地位を築きあげました。

2008年の日系移民100周年ではブラジル国内で記念式典が開かれ、ルラ大統領も出席。凄惨な過去を乗り越え、まさに1世紀をかけて、日系移民はブラジル社会への貢献を評価されるまでになったのです。

日本に捨てられ、黒人奴隷の代わり

周知のとおり、日本を含む先進国では近年、「排外主義」が急速に台頭しています。ですが忘れてはいけません。日本も、明治の終わりから昭和の初期にかけて多くの移民を出してきたことを。日系移民が異国の地で戦ってきたことを。

しかもブラジルなどへの移民は日本の国策でもありました。当時の日本は世界恐慌と凶作のダブルパンチで悲惨な状況。要は「口減らし」のために、「棄民」(飢民が転じたもの)としてサントス港へ捨てられたわけです。

日本政府や移民会社、移民周旋人の甘言に乗せられて、地球の向こう側まで出稼ぎにやってきたはいいが、米国のハワイより5倍遠く、賃金は5分の1という理不尽な現実。

またブラジル政府にとっては、1888年の奴隷制廃止(世界で最も遅かった)を受け、黒人奴隷の代わりに、日本人をコーヒー農場の労働力として導入するのは好都合だったとの事情がありました。いわば準奴隷。

日系に限らず、移民はさまざま思惑、外的要因に振り回されます。かといって現代と違って、この時代の移民は日本に帰りたくても、そう簡単には帰れないのは言うまでもありません。

一世が排日や異文化、戦争を耐え忍び、二世・三世がブラジル式の教育を受け、「日本は祖国、ブラジルは母国」というメンタリティのもとにブラジル社会へ急速に同化していった日系移民たち。ここで彼らの苦難もひと段落、と思ったら、そうはなりませんでした。日本へ「逆出稼ぎ」する現象が起きたのです。

彼らはなぜ、日本に舞い戻ってきたのか。

その理由はブラジル経済にあります。1980年代のブラジルは2000%超のハイパーインフレに見舞われ、経済がどん底だった時期。1990年に就任したコロール大統領は一般市民の銀行預金まで凍結しました。口座からの引き出しに制限がかかったのです。

対照的に日本はこのころ、バブル景気の真っただ中。深刻な人手不足も手伝って、日本政府は1990年に出入国管理法を改正。日本人の血を引いていれば在留許可を与えると特別扱いをしました。この流れに乗って、ブラジルをはじめ南米に移民した日系人が今度は日本へ向かいます。群馬県大泉町や愛知県小牧市などにある部品工場でいまも働いています。

ブラジルへ渡った一世が苦労して生活の基盤を築いたのに、「日本在住の日系ブラジル人」になってしまったその子ども・孫たち(二世、三世)も。その数およそ21万5000人。

「移民史」抜きに世界は語れるのか

言わずもがな、移民は、世界史を語るうえで無視できません。古代人類の大移動、大航海時代、アフリカからの黒人奴隷、中国やインドからのクーリー(苦力)移民、欧州や日本からの近代移民、そして現在。

移民問題をいまこそ立ち止まって考えてみませんか。移民とは何か、差別とは何か、同化とは何か、アイデンティティとは何か。移民はなにも一部の国の人の話ではないのです。どの国にも栄枯盛衰があり、移民を出したり、また受け入れたり、この繰り返しです。日本しかり、欧州しかり、ブラジルしかり。

ブラジルの日系移民から見る「移民の現在地と歴史」。といっても、「移民」とひとくくりするのではなく、ブラジル・サンパウロで暮らし続ける日系人それぞれの物語を直接取材するのです(日本語を使います)。脱・ステレオタイプの見方。

市民ジャーナリストになって取材し、記事を書き、発信する、このプログラムの名称は『Global Media Camp』。2026年8月にはブラジルでも開催します。日本人として海外とかかわっていくうえで原点ともいえる、われわれの先人・日系移民にフォーカスするのが特徴です。

『Global Media Camp』を主催するのは、2012年から途上国を追ってきた専門メディアのganas。Global Media Campは2014年の春以来、アジア、ラテンアメリカ、アフリカの10カ国14カ所で計47回開いてきました。2026年8~9月の開催地はブラジル・サンパウロのほか、タイ・チェンマイなどがあります。

『Global Media Camp in ブラジル』の概要

◎場所:ブラジル・サンパウロ
◎期間:2026年8月22日(土)~8月31日(月)
*8月22日に現地集合(当日着の希望者に限って、サンパウロの国際空港でお迎え)、8月31日に現地解散、9泊10日の現地研修プログラム
◎費用:一般25万4800円、学生23万4800円
*渡航費(5月10日時点で往復26万円台から。航空券は早めに買う方がお得です)、保険代(3700円台から)は含みません。日本国籍保有者はビザ、イエローカード(黄熱ワクチンの予防接種国際証明書)ともに不要です。
*含まれるもの:講習費、通訳の費用(基本は日本語で取材できます)、その他取材費用、宿泊費、宿泊先と取材先の移動費、食事代
*ganasサポーターズクラブのパートナーは3万円、サポーターは2万円の特別割引があります(早割との併用のみ可。このプログラムへのお申し込みと同時にganasサポーターズクラブに入会されても割引を受けられます)
*6月22日(月)までのお申し込みは「早割」として1万円割引
*特典として、2026年秋に開講予定の「グローバルライター講座」(5万5000円相当)または「77日記者研修」(6万9000円相当)を特別に1万円で受講できます(ただしganasサポーターズクラブに入っている/入ることが条件)
◎締切:2026年7月22日(水)
*6月22日(月)までのお申し込みは「早割」として1万円割引
◎定員:最大8人程度(先着順)、最少開催人数4人程度
◎事前研修:2026年8月初めまたは7月後半を予定(1回で8時間程度)
*参加者の都合を優先し、日時を決めます
*場所は都内を予定
◎報告会:2026年10~11月を予定(希望者のみ。記事を発信するだけでなく、プレゼンというアウトプットをする格好の機会になります)
◎主催:特定非営利活動法人開発メディア(ganasの運営団体)
◎問い合わせ先:devmedia.ganas@gmail.com
◎申し込み方法:お問い合わせいただければ申込書をお送りいたします。下のURLをクリックしてもダウンロードできます(文字化けなどがする場合はメールでご連絡ください)。
https://docs.google.com/document/d/1ms0K5ofCgV9YTWUazD1LENg44prBHLay/edit?usp=sharing&ouid=117805614848569471035&rtpof=true&sd=true

『Global Media Camp in ブラジル』の基本的なスケジュール(予定)と取材先候補

8/22(土)サンパウロ着
8/23(日) 取材
8/24(月) 記事の執筆&フィードバック
8/25(火) 取材
8/26(水) 記事の執筆&フィードバック
8/27(木) 取材
8/28(金) 記事の執筆&フィードバック
8/29(土) 取材
8/30(日) 記事の執筆&フィードバック、フェアウェルパーティー
8/31(月) ふりかえり、現地解散

下のような取材先を候補として考えています。
↓↓↓
一世(戦後移民。移住して半世紀)、二世、三世(日本への出稼ぎ経験がある若者)、日本生まれでブラジル育ちの若者、広島と長崎で幼いころに被爆した二世(ブラジルでも被爆者差別があった)など。各県人会が開く祭りに参加できる可能性も。

『Global Media Camp』への参加で得する3つのこと

1)途上国を取材できる!

‥‥『Global Media Camp』は、途上国を本格的に取材でき、記事を書き、それを発信する唯一無二のプログラムです。スタディツアーのように、担当者からレクチャーをひたすら受けるのではありません。参加者自らが取材対象に自由に質問していきます(ブラジルのみ日本語。基本はシンプルな英語を使います)。取材は、その国のことを短期間で少しでも深く、また多角的に知る手段のひとつ!

2)スキルアップできる!

‥‥『Global Media Camp』では新しい体験をするだけではありません。ネタ(良い話も悪い話も)や視点(切り口)を見つける力、情報を引き出すために質問する力、物事を掘り下げる力、要点をまとめる力、伝わる文章を書く力など“一生モノのコミュニケーションスキル”の向上を目指します。各回の参加者を最大8人に絞っているため、ganas編集長からマンツーマンでフィードバックを受けられます。頑張った証として、現地取材をベースにした「署名記事」が残ります。記事には1万以上の「いいね!」が付いたことも。ステレオタイプでない記事の発信にも大きな意義があります。

3)「複眼の視点」でとらえられる!

‥‥「途上国=貧困 or 幸せ」などと決めつけていいのでしょうか? 物事に対する見方はさまざま。『Global Media Camp』では複眼の視点で物事をとらえる方法を学びます。世の中には自分が知らないこと、自分自身で無意識に決めつけてしまっていることがたくさんあります。取材も含め、現地の人と話す時間をたっぷりとっていますので、疑問を直接ぶつけてみてください。脱ステレオタイプを目指しましょう!

『Global Media Camp』はこんな社会人&学生におススメ

◎途上国を掘り下げたい人
・アジアやアフリカ、ラテンアメリカなどを深く知りたい(世界人口のおよそ8割は途上国で暮らしています)!
・国際ニュースの現場に行ってみたい!
・その土地の人と「深い話」をしたい!
・多様な途上国を多角的に見る方法を学びたい!
・さまざまな途上国で将来、仕事をしたい!
・過去(歴史)と現在、未来のつながりや、大国や近隣国とのつながりを取材であぶり出したい!
・フィールドワークの練習をやってみたい!
・途上国の若者と仲良くなりたい(友情は、その国をウォッチし続ける「基盤」になります)!
・JICA海外協力隊、海外インターン・ボランティアに興味がある! 

◎メディア・広報・コミュニケーションに関心のある人
・メディアに疑問を感じるから、自分で取材・記事執筆に挑戦してみたい!
・自分の足で取材したアジアやアフリカ、ラテンアメリカのことを多くの人に発信したい!
・プロのジャーナリストになりたい!
・ジャーナリストの動きを体験してみたい!
・「ネタや切り口を見つける力」「質問する力」「深掘りする力」「要点をまとめる力」「伝わる文章力」を高めたい!
・ESなどでアピールできる実績を積みたい!

『Global Media Camp』は2014年の春以来、フィリピン(セブ、ネグロス)、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、コロンビア、ベナン(コトヌー、トタ村)、インド(プネー、コルカタ)、タイ(バンコク、チェンマイ)、ルワンダ、セネガルの10カ国14カ所で合計47回開いてきた実績をもちます。参加者は合計217人。年齢は18~59歳と幅広いです。

大学生の場合、参加者が多いのは慶応大学、東京外国語大学、上智大学、早稲田大学、神戸市外国語大学、明治大学、立教大学、青山学院大学、東京大学、筑波大学、法政大学、横浜国立大学、大阪大学、一橋大学、北海道大学、立命館大学、中央大学、津田塾大学、東京女子大学、ICU、日本大学、同志社大学、奈良女子大学、茨城キリスト教大学、名古屋大学など。文系の学生はもちろん、医療や看護、都市開発、建築、プラントエンジニアリング、農業などを学ぶ理系の学生の参加者もいます。

社会人では会社員、JICA職員、NGO職員、大学教授、公務員、医師、看護師、会社経営者、青年海外協力隊の経験者・候補者・志望者、地域おこし協力隊、メディア志望者、フリーランサーなどにご参加いただいています。

講師

長光大慈(ganas編集長)
途上国・国際協力に特化したNPOメディア「ganas」編集長/特定非営利活動法人開発メディア代表理事。上智大学法学部を卒業後、アジア最大の日本語媒体であるNNA(現在は共同通信グループ)のタイ支局とフィリピン支局を立ち上げる。電気新聞記者、フリーライター、デベックス・ジャパン・メディア部門責任者などを経て現職。合計10年以上の海外在住経験(米国、タイ、フィリピン、インドネシア、ベネズエラ)、50カ国超の渡航経験をもつ。青年海外協力隊(現在のJICA海外協力隊)のOBでもある。ハンモックのコレクター。

現地コーディネーター

松田亜弓(ブラジル・サンパウロ在住)
ブラジル日本語センター職員。フリージャーナリスト、ライター。元JICA日系海外協力隊。前職は十勝毎日新聞社記者。専門は教育、文化、災害、動物園。

主催団体

 特定非営利活動法人 開発メディア
2012年設立。途上国・国際協力を専門とするNPOメディア「ganas」を運営。下のボードで記事を発信中。キャッチフレーズは「途上国を知る。世界が広がる。」。

・ウェブサイト:https://www.ganas.or.jp
・Facebook:https://www.facebook.com/ganas.or.jp
・X:https://twitter.com/devmedia_ganas
・Instagram:https://www.instagram.com/devmedia_ganas
・LINE:https://page.line.me/ganas
・note:https://note.com/devmedia_ganas
・ポッドキャスト:https://open.spotify.com/show/0yOzlKPgVivnKoxeVGdgjj

『Global Media Camp』の過去の参加者の声(抜粋)

「特に印象に残ったのは、予想外に多くのベネズエラ難民たちと出会えたこと。生きることに前向きなパワーを直接感じ取れた。国内避難民へのインタビューでも心が揺さぶられた」(渡辺卓さん、社会人)

「ベネズエラ難民や国内避難民を取材できた。逆境にいる人たちは、想像していたよりも落ち着いていて、よく笑うなと思った。ただ、悲しみの片鱗が時々垣間見えることが気になった」(洲鎌槙吾さん、学生)

「『英語×途上国×書く力』という3つの学びがそろうのがGlobal Media Camp。ハードだったけれど、これまでの大学生活では積めなかった経験」(敷野雄一さん、学生)

「Global Media Campは、参加者の裁量に任される部分が大きく、思う存分取材できたのが良かった。他人の言葉を情報としてただ得るのではなく、なぜそうなったのかを考える姿勢が身についた。スキルアップしたい人にはおススメ」(石井ゆめみさん、学生)

「取材する際に、オープンクエスチョンに頼りすぎない必要性を身にしみて感じた。知識がなくても『なぜ』『どのように』を使えば、簡単に質問できる。でもそれでは相手は答えにくいし、なにより自分の頭で考えることを放棄することになる」(向出洋祐さん、学生)

「暮らしている人たちから実際に話を聞き、記事を書くことでその国の歴史や人々の考え方に対する理解が深まる。自分がしっかり理解していないと他人に伝えられないから。ただの旅行では絶対に味わえない学び」(岡村有梨沙さん、学生)

「最大の収穫は『情報の聞き出し方』を学べたこと。インタビューしながら見出しをイメージし、それに基づいて必要な情報を収集するのは大変だった。でも徐々にコツをつかめたことが達成感につながった」(森春奈さん、学生)

「スラム街や国内避難民居住区など、自分一人ではアクセスが難しいところにも行け、またアウトプットの機会も用意されているのは貴重」(榊原麻由さん、学生)

「毎日がおもしろすぎた。そして大変すぎた。あの人にも取材したい、こんなことも知りたいという好奇心と、記事をたくさん書いて発信したいけれどなかなかできないという葛藤。これからも書き続け、自分をスキルアップさせたい」(加藤美希さん、社会人)

「外国人とここまで密にコミュニケーションをとったことはなかった。良い記事を書くためには、少しでも多くその国のことを知ることが必須だから、必死に取材した」(成田丈士さん、学生) 

『Global Media Camp』の過去の参加者が書いた記事(ブラジルは初開催となりますので別の国のもの)~こんな記事が書けます! ぜひご一読を~

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