2050年カーボンニュートラルの実現に向けた動きは加速しており、自治体においては「2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロ」を表明した自治体が700以上に上り、脱炭素化に向けた具体的な戦略策定・施策実行が急がれています。また、企業においても気候変動に対する具体的な取り組みや情報開示が非財務価値として重要視されています。そうしたなか、脱炭素化の具体的な施策として、再生可能エネルギーの導入や公用車・営業車の電動化(EV化)に対するニーズが拡大する一方で、自治体や企業が独力で、機器の構成選定、導入、そして効率的な運用を行うのは容易ではありません。
出光興産はこれまで、太陽光発電システム・EV・蓄電池を活用し、これらのリソースを最適制御することにより、エネルギーコストや環境負荷の低減と災害時のレジリエンス向上に資するシステムの構築を行い、2021年からは宮崎県国富町役場で実証実験を行ってまいりました。本実証実験で得た知見をもとに構築したEMSと、出光興産がもつEVリース等の既存サービス、再エネ100%電力を供給する電力プラン(※1)、さらにソーラーフロンティアが供給する太陽光発電システム・V2Hを活用し、このたび本サービスの提供を開始します。
本サービスは、EV導入のための煩雑なプロセス、ゼロカーボンドライブを実現するためのEV用の再エネ電源確保、V2H等の付帯機器の選定・設置工事、EV運用時の充電による電力の基本料金上昇リスクといった様々な課題を解決するとともに、移動手段に加えて「動く蓄電池」としての価値を持つEVをEMS・車両予約システムと組み合わせることで、エネルギー利用の効率化・最適化や電力料金の削減、停電時の給電(災害レジリエンス強化)を実現します。
出光興産とソーラーフロンティアは、本サービスの普及を通し、さまざまな自治体・企業が利用するエネルギーの脱炭素化を促進し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
(1) サービス構成要素
【電気自動車(EV)】
出光興産のメンテナンス付きカーリースサービス「オートフラット」でEVの提供が可能です。
【自家消費型太陽光発電システム・充放電設備(V2H)】
設備のリース(太陽光発電は規模に応じてPPAも可能)により初期費用0円で導入可能です。
【エネルギーマネジメントシステム(EMS)・車両予約システム】
平常時にはEVの充放電を最適に制御し、エネルギーコストや環境負荷を低減します。
※オプションとして、定置型蓄電池や普通充電設備も選択、組み合わせが可能です。
上記商品・サービス内容はお客様ごとにカスタマイズ可能です。
(2) サービスの特徴
導入相談・システム設計・施工、導入後の運用までをワンストップで支援
・ シミュレーションによる導入効果の試算
・ 自治体・企業のニーズに応じてカスタマイズした機器構成・サービスのご提案
CO2排出量の削減
・ 公用車・営業車のEV化によるCO2排出量の削減
・ 自家消費型太陽光発電システムの導入、再エネ100%電力の購入による使用電力の再エネ化
コスト削減(経済的なメリット)
・ 公用車・営業車のEV化による燃料代の削減
・ 自家消費型太陽光発電システムの導入による系統電力の購入量の減少
・ 充電タイミングの分散化による電力基本料金の上昇抑制
・ V2Hを利用したEVからの放電によるピークカットによる基本料金の削減
・ 電力利用の最適化(デマンドレスポンス・裁定取引等)による、電力コスト低減による電力従量料金の削減
・ 公用車・営業車の利用状況の見える化による車両台数の最適化
管理業務の負担軽減
・ 車両予約システムのご提供
・ 発電量・使用電力量の実績、充放電の状態、CO2削減量等の見える化システムのご提供
非常時(停電時)の給電(BCP対応)
・ EV/蓄電池からの電力供給
※1当社グループが提供する複数の再エネプラン(FIT電気(※2)を活用した再エネメニュー、 又は火力電源等に再エネ指定の非化石証書を組み合わせた実質再エネメニュー)の中からご選択頂けます。いずれのメニューもトラッキング付非化石証書の活用等により、RE100加盟企業にもご利用頂けます。
※2 固定価格買取制度(FIT)によって電気事業者に買い取られた再生可能エネルギー。FIT電気のCO2排出量は、火力発電なども含めた全国平均の電気のCO2排出量として扱われます。