【U25世代が「伝える」を学び考える三日間】ジャーナリストや評論家などによる講座・ワークショップを開催 〜フォトジャーナリスト安田菜津紀が副代表の認定NPO法人Dialogue for People

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認定NPO法人Dialogue for People(東京都中野区・代表理事:佐藤慧)は、今夏、U25世代を対象に、報道や発信、表現についてゼミナール形式で考える企画「D4P メディア発信者集中講座2022」を開催します。誰もがメディアに触れ、そしてメディアになりえる今、発信のこれからを担う次世代に向けて、「伝える」ことの意味や影響、可能性について改めて考える講座・ワークショップを提供します。
「D4P メディア発信者集中講座2022」とは
「D4P メディア発信者集中講座」は、発信の次世代を担う若者を対象に、さまざまなかたちで「伝える」仕事に最前線で携わる方々による講義と参加者同士のディスカッションを行い、「伝える」ことの意味や影響・可能性について学び、考える企画です。
 

D4Pメディア発信者集中講座2022D4Pメディア発信者集中講座2022

 

  • 【本企画のポイント】

◆ 社会課題に近い立場で発信に携わる方々による講義
本講座では、弊会所属のフォトジャーナリスト佐藤慧・安田菜津紀に加えて、4名の講師をお迎えして講義を行います。実際に「伝える」側として活動されている方々から、最新のメディア論や現場取材から学んだことなどについて直接レクチャーを受けることができます。
講師陣と講義内容は以下の通りです。

<講義一覧>
・荻上チキ氏(評論家) 「メディアとは?」
・伊藤詩織氏(ジャーナリスト) 「視覚と聴覚で伝える映像ジャーナリズムの魅力」
・小川たまか氏(ライター、性暴力に関する問題を取材・執筆) 「性暴力に関する報道について―被害者バッシングとタブー化の過去―」
・師岡康子氏(弁護士・外国人人権法連絡会事務局長) 「ヘイトスピーチと報道」
・佐藤慧(弊会代表・フォトジャーナリスト・ライター) 「表現方法の選択/取材される側の視点」
・安田菜津紀(弊会副代表・フォトジャーナリスト) 「写真で伝える/取材は頂きもの」

講師は社会課題に近い立場で「伝える」を実践する方々講師は社会課題に近い立場で「伝える」を実践する方々

◆参加者同士のディスカッション
講義後には、参加者同士によるディスカッションの時間を設けています。徳田太郎氏(日本ファシリテーション事務局長兼会長・法政大学大学院、法政大学兼任講師)をファシリテーターにお迎えし、講義の感想や参加の動機をシェアしていただくことで学びを深めていただきます。

徳田太郎氏徳田太郎氏

◆座学だけではなく実践も。参加者による取材・レポート作成と講師によるフィードバック
二日間の講義を受けた後、参加者は自身の関心があるテーマに関する取材とレポート作成を行い、最終日には、講師陣からレポートに対する講評と感想をもらいます。講義による学びだけでなく、その学びをアウトプットする機会を提供します。
 

  • 【開催概要】

・実施日程:8月13日(土),14日(日),9月3日(土)10:00~18:40(初日のみ9:30から)
・会場:都内(ご取材頂ける方にご案内します)
・対象者:原則18~25歳〈※講座初日の8月13日時点〉で、「伝える」ことに関心がある人(経験・学歴は不問)
・募集人数:24名予定(審査のうえ先行通過連絡済)
・参加費: 3,000円

★詳細はこちらのURLから
https://d4p.world/news/16891
昨年の様子はこちら
​⇒ https://d4p.world/activities/seminar/2021summer/

  • 【参加者について】

社会のこれからを担う「Z世代」の方々を対象に募集。定員を大幅に上回る応募があり、審査の上、現時点での参加予定人数は24名。高校生から社会人まで、興味関心も、難民、紛争、環境問題、人権、ジェンダーなど幅広い状況です。
 

  • 【本企画の背景】

本企画は、弊会が今まで実施してきた東日本大震災の被災各地を巡り、現地の方のお話を伺う「東北スタディツアー」が、コロナ禍の影響で現地訪問型の夏季開催が難しく、その代わりに、なんとか若い世代の皆さんとともに歩む企画を実施したいという思いで立ち上げたものです。
インターネットやSNSの発達により誰もが「発信者」で「メディア」になりうるいま、発信することの影響力や役割、課題を考えることがより一層重要となっています。このような「伝える」に関することを、参加者の皆さんと共に考え、学ぶ機会になればと思っています。
 

  • 【担当者からのコメント】

さまざまな情報を通じて、僕たちは世界を理解しようとします。それは文字や音声、映像や写真、その他の抽象的な表現であることもあります。2022年2月より続くロシアのウクライナ侵攻は、それぞれの思惑が絡んだ大量の情報が飛び交うことにより、「第一次情報大戦」とも呼ばれる様相を呈しています。こうした状況は、得ている情報や、その受け止め方によって、世界が180度違う姿を見せることすらあるということを示しているのではないでしょうか。また、インターネットやSNSの発達により、誰もが発信者となれるこの時代にあって、その発信の影響や役割を考えることは、今後より一層重要となっていくことでしょう。

このような発信は、何も情報の受け手のためだけにあるわけではありません。たとえば社会問題に関する報道は、多くの人がその問題の存在を知ることで、「解決しなければ」という思いを抱いたり、「こういった方法はどうだろう」と、知恵を持ち寄ったりするための土台となります。一方でそうした報道は、その社会問題の当事者たちにも大きな影響を及ぼすものです。報道の角度が少し違うだけで、当事者たちに対する受け手の印象は変わります。時には、無自覚な偏見や偏狭な価値観を助長してしまい、問題解決とは反対の影響を及ぼすこともあります。被取材者が発信に「同意」したとしても、そうしたリスクの全てを把握・理解できていない場合もあります。単に「情報を発信する」という視点ではなく、大局的・構造的な視点を大切に発信を行うことこそ、これからの時代に必要なものではないでしょうか。

本講座では、最新のメディア論や直接問題解決に携わる方々の視点、現場取材の経験から学んだことなどに触れることで、そうした視座を相互に育んでいけたらと思っています。 

認定NPO法人Dialogue for People
代表理事 佐藤慧
 

  • 認定NPO法人Dialogue for Peopleについて

境界線を越えた平和な世界を目指して

Dialogue for Peopleは、「すべての人の基本的人権が守られ、さまざま違いを越えて多様性が認められる世界」を目指し、さまざまな「伝える活動」を通して世界の「無関心」を「関心」に変えるための対話の礎を築く活動を行っている認定NPO法人です。フォトジャーナリストの安田菜津紀、佐藤慧が活動しています。
主に国内外の社会課題の取材・発信活動に加えて、継続的な社会のアップデートのため、次世代の発信を担う若者に向けた教育プログラムを提供しています。

公式ウェブサイト:https://d4p.world/
公式Facebook:https://www.facebook.com/Dialogue4People/
公式Instagram:https://www.instagram.com/d4p.world/
公式Twitter:https://twitter.com/dialogue4ppl

◤安田菜津紀(やすだ・なつき)プロフィール
1987年神奈川県生まれ。認定NPO法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)フォトジャーナリスト。同団体の副代表。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。著書に『写真で伝える仕事 -世界の子どもたちと向き合って-』(日本写真企画)、他。上智大学卒。現在、TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。

◤佐藤慧(さとう・けい)プロフィール
1982年岩手県生まれ。認定NPO法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)フォトジャーナリスト、ライター。同団体の代表。世界を変えるのはシステムではなく人間の精神的な成長であると信じ、紛争、貧困の問題、人間の思想とその可能性を追う。言葉と写真を駆使し、国籍−人種−宗教を超えて、人と人との心の繋がりを探求する。アフリカや中東、東ティモールなどを取材。東日本大震災以降、継続的に被災地の取材も行っている。著書に『しあわせの牛乳』(ポプラ社)、同書で第二回児童文芸ノンフィクション文学賞など受賞。東京都在住。

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