自然の甘さと高い栄養価、強い殺菌力と防腐作用を備え、免疫力の向上にも効果がある、と言われるはちみつは、健康食品の代表格です。ただ、1歳未満の乳児には、「乳児ボツリヌス症」を発症させてしまうため与えてはいけません。はちみつが、健康に活かされるのは、腸内細菌が整う1歳以上になってからです。
はちみつには、毒性が強い「ボツリヌス菌」が含まれています。この菌は、「芽胞」という硬い膜で覆われていることから、乾燥や高温など過酷な条件を耐え抜き、生き続ける特性を持っています。そのため、調理等で加熱しただけでは死ぬことがありません。はちみつを含んだ加工食品の摂取でも、ボツリヌス菌が体内へ取り込まれてしまいます。通常は、胃酸、腸内細菌によってボツリヌス菌の増殖は抑制されますが、腸内細菌が整っていない乳児の場合、体内で菌が増殖し、感染症、そして中毒へ至ります。乳児は体調変化を伝えることができないため、便秘気味、発熱が続く、嘔吐、お腹に張りがあるなどの、初期症状の見極めが重要です。
救急集中治療医の見地から、乳児へはちみつを摂取させてはいけない理由と、「乳児ボツリヌス症」の初期、また中毒の症状についてを解説します。万一摂取した場合には、病院への受診が必要です。
◆テーマ
「はちみつは1歳を過ぎてから」
◆解説者
中田孝明
株式会社Smart119 代表取締役
千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学 教授
https://twitter.com/Nakada119
谷口昌志
堺市立総合医療センター集中医療科医長
◆印刷用資料ダウンロードリンク
https://smart119.biz/manga/000500.html
◆1歳未満の赤ちゃんに、はちみつを与えてはいけない。はちみつにはボツリヌス菌が含まれているため、摂取した場合には「乳児ボツリヌス症」を発症する危険がある
◆ボツリヌス菌とは
- 芽胞という硬い膜で覆われている状態だと、乾燥、高温、低温への耐用性がある
- 猛毒を産生する
- はちみつはもちろんのこと、飲料やお菓子などはちみつ入りの加工食品にもボツリヌス菌は含まれている
- 加熱による殺菌はできない
◆ボツリヌス菌が体内に摂取された場合
- 胃液などの消化液、腸内細菌により増殖は抑えられる
- 腸内細菌が未熟な1歳未満の乳児では増殖してしまう
◆感染した場合の初期症状
- 3日以上続く便秘
- 発熱、お腹の張り、吐き気、嘔吐
◆ボツリヌス菌の増殖に伴う中毒症状
- 筋力が低下する
- 無表情になる
- 声が小さくなる
- ミルクを飲む力が弱くなる
◆参考資料
・日本小児科医会:乳児ボツリヌス症・ボツリヌス菌中毒
https://www.jpa-web.org/dcms_media/other/乳児ボツリヌス症について_170620tue.pdf
・厚生労働省:ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000161461.html
◆医療情報イラストレーション・シリーズ ホームページ
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<株式会社Smart119について>
株式会社Smart119は「現役救急医が設立した、千葉大学医学部発スタートアップ」です。
『今の「119」を変える』ため、音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」を開発・運用。
千葉市において、日本医療研究開発機構 (AMED) の救急医療に関する研究開発事業を実施。
緊急時医師集合要請システム「ACES」、災害時をはじめ、医療事業継続支援システム「respon:sum」の開発・運用を行っています。Smart119は「安心できる未来医療を創造する」を目指します。
【株式会社Smart119概要】
会社名: 株式会社Smart119
住所: 千葉県千葉市中央区中央2丁目5-1千葉中央ツインビル2号館 7階
設立: 2018年5月
代表者: 中田 孝明
事業内容:
音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」の開発・運用
緊急時医師集合要請システム「ACES」の開発・運用
医療事業継続支援システム「respon:sum」の開発・運用
URL: https://smart119.biz
Twitter: https://twitter.com/Smart119_jp
メールアドレス: press@smart119.biz (担当:中村)