◆ 焼却炉のコンパクト化を実現し、設置面積に制約のある敷地に対する配置計画の自由度が向上
三菱重工グループの三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社(MHIEC、社長:菱沼 隆之、本社:横浜市西区)はこのほど、新たに開発した「低熱灼減量対応V型ストーカ式廃棄物焼却炉(以下、V型ストーカ炉)※1、2」で、一般社団法人日本産業機械工業会(会長:斎藤 保氏、本部:東京都港区)主催の「第48回優秀環境装置表彰」における最高位の「経済産業大臣賞」を受賞しました。表彰式は、26日に東京都港区の機械振興会館で開催されました。
同表彰は、環境保全技術の研究・開発ならびに優秀な環境装置(システム)の普及促進を目的に、経済産業省(旧通商産業省)の後援を受けて1974年度から実施されています。全国の環境装置メーカーや環境設備エンジニアリング会社からの応募案件を、独創性、経済性、将来性など多様な観点から専門審査委員会が審査した結果、経済産業大臣賞のほか産業技術環境局長賞、中小企業庁長官賞、日本産業機械工業会会長賞が選ばれます。
MHIECのV型ストーカ炉は、性質や状態がまちまちの廃棄物を安定的に焼却・減容化し、環境負荷低減に寄与することをコンセプトに、従来のストーカ式廃棄物焼却炉を改良・進化させたものです。乾燥・燃焼・後燃焼すべての工程でストーカ面が火炎中心方向を向くようにストーカ構造と焼却炉の形状を最適化することで、輻射熱を効率的に受けながら廃棄物を焼却できる点が最大の特長で、従来型と比べ、焼却後の灰中の未燃分(焼け残った廃棄物)の割合を減らすことが可能です。
また、輻射熱の効率的な利用の効果により、ストーカサイズをコンパクト化して廃棄物焼却施設建屋の中でも大きなスペースを必要とする炉室を小さくすることができるため、設置面積に制約のある敷地に対しても配置計画の自由度向上が見込めます。V型ストーカ炉の実機は2021年1月から商業運転を開始しており、現在も順調に稼働中です。
MHIECは今回の受賞を励みとして、長年培ってきた環境装置分野の技術開発力を今後も生かしつつ、環境負荷低減に貢献する一般廃棄物焼却発電プラントなどの建設・運営を通じ、SDGs(持続可能な開発目標)達成やグローバルな環境問題解決、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。
※1 熱灼減量とは、乾燥状態の焼却灰中に残る未燃分の重量比を表す値です。
※2 ストーカ式焼却炉とは、耐熱金属の鋳物(火格子)を並べた床(ストーカ)の上で、廃棄物を乾燥・加熱し、攪拌しながら燃焼させる焼却炉のことです。
【三菱重工環境・化学エンジニアリング「V型ストーカ式廃棄物焼却炉」について】
■製品情報
https://www.mhiec.co.jp/jp/solution/wastetoenergy/city/city002.html
■三菱重工技報
https://www.mhi.co.jp/technology/review/jp/abstractj-59-2-60.html
■三菱重工業株式会社
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