インスメッド®、2023年第3四半期業績、ならびにビジネスアップデート発表

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・アリケイス®(アミカシンリポソーム吸入用懸濁液)*の2023 年第 3 四半期の売上高は 7,910 万ドルで、発売以来最高の売上高を達成、2022 年第 3 四半期と比較して17%の成長を達成
・アリケイスの2023年通年の全世界売上予想レンジ2億9,500万ドルから3億500万ドルを改めて表明
・インスメッドは、TPIPのPAHを対象とした試験から得られた肺血管抵抗(PVR)に関するブラインド下データに加え、PAH及びPH-ILDを対象とする2つの第Ⅱ相臨床試験から得られた用量漸増および安全性・忍容性に関する有望なブラインド下データを共有
・成人患者における気管支拡張症を対象としたBrensocatibの第Ⅲ相臨床試験であるASPEN試験のトップラインデータの公表は予定通り2024年第2四半期の見込み
* 日本ではアリケイス吸入液590mg(アミカシン硫酸塩 吸入用製剤)として承認されています。

2023年10月26日、米国 ニュージャージー発 深刻な希少疾患と生きる患者さんの未来を変えることを使命とするグローバルバイオ医薬品企業のインスメッド(Nasdaq: INSM)は、2023年9月30日に終了した第3四半期の業績、ならびにビジネスアップデートを2023年10月26日に発表しました。

インスメッド会長兼最高経営責任者(CEO)のウィル・ルイスは、「2023年の第3四半期は、ARISE試験の前向きなトップラインデータ結果を中心に、間質性肺疾患に伴う肺高血圧症(PH-ILD)患者と肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者におけるTPIPの第Ⅱ相試験からの盲検化データを促進し、

アリケイスの売上高が発売以来最も好調な四半期となりました」と述べたうえで、「中期から後期臨床開発段階にある開発パイプラインは、臨床現場での力強いパフォーマンスとインスメッドの大きな可能性を引き続き示していきます。私たちは、今後の臨床、規制、コマーシャルの促進に向けた一連の強力な開発品とそれが必要な患者にファーストインクラスまたはベストインクラスの医薬品として提供されることに非常に期待しています。」と述べています。

 

最近の主なハイライト

Pillar 1:アリケイス

・アリケイス®(アミカシンリポソーム吸入用懸濁液)*の2023 年第 3四半期の売上高は、米国と日本の継続的な売上高の増加が寄与し、発売以来最高の売上高を達成し、2022 年第 3 四半期と比較して17%の成長を達成しました。

・インスメッドは、アリケイスの新規または再発の肺MAC症に対する抗生剤での治療を行っていない患者に対する市販後臨床試験については、最近終了したARISE試験に加えてENCORE試験を引き続き実施中です。

・インスメッドは、2023年9月にARISE試験において有効性と安全性の良好なトップラインデータを発表しました。この試験で肺MAC症患者における患者報告アウトカム(PRO)を検証するという主要な目的を達成しました。さらに、アリケイスで治療を受けた患者群は、比較対象群と比較し、7か月目で統計学的に有意に高い菌培養陰性化を示しました。ARISEの結果に基づき、世界の規制当局と協力し、新規肺MAC症患者に対するアリケイスの承認申請を加速することを検討しています。

・インスメッドは、2023年末までにENCORE試験に250名の患者を登録する予定であり順調に進行しています。患者登録は、米国食品医薬品局(FDA)との追加協議が行われるまで、2024年まで継続され、トップラインデータは2025年に報告される予定です。

 

Pillar 2:Brensocatib

・インスメッドは引き続き、嚢胞性線維症を有さない気管支拡張症患者におけるBrensocatibの有効性、安全性、忍容性を評価するために設計された国際共同第Ⅲ相試験である ASPEN 試験のトップラインデータを 2024 年第 2 四半期に公表する見込みです。

・インスメッドは、鼻茸を伴わない慢性副鼻腔炎(CRSsNP)患者を対象とした本剤の第Ⅱ相臨床試験(BiRCh)の治験施設を開設し、試験の最初の登録患者の無作為化に進んでいます。

 

Pillar 3:TPIP

・インスメッドは、間質性肺疾患に伴う肺高血圧症(PH-ILD)を対象としたトレプロスチニルパルミチルの吸入粉末(TPIP)の第Ⅱ相試験および肺動脈性肺高血圧症(PAH)を対象とした第Ⅱ相試験の患者登録を継続しています。

・現在進行中の試験では、PH-ILDを対象とした試験では最初の10例のうち80%、PAHを対象とした試験では最初の24例のうち83%が、5週目に到達しました。これは、試験で増量が可能な最後の時点となり、投与量は最大用量である640μg、またはプラセボにマッチする用量まで漸増することができました。

・これらの試験でこれまでに観察された有害事象は、PAHまたはPH-ILD患者に一般的に見られる事象と一致しており、吸入プロスタサイクリン療法の既知の効果とも一致しています。さらに、咳嗽に関する有害事象はほとんどが軽度であり、咽頭刺激感や疼痛の例は認められていません。2023年10月にデータ安全性及びモニタリングに関する委員会が開催され、両試験を計画通り継続することが推奨されました。現在進行中のPAH試験において、プラセボを投与された患者を含む16週間の治療を完了した22名の患者のレビューによると、ベースラインからの肺血管抵抗の平均減少率は21.5%でした。肺血管抵抗が改善した64%の患者の平均肺血管抵抗低下率は47%でした。PH-ILDを対象とした第Ⅱ相試験のトップラインの結果は、2024年前半に報告の予定です。

 

Pillar 4:早期開発品

・インスメッドの早期開発段階にある研究活動には、30以上の個別の前臨床プログラムが含まれ、これらはすべてファースト・イン・クラスまたはベスト・イン・クラスの治療法になる可能性があります。

・また、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の遺伝子治療プログラムを進めており、新規の手法候補となる髄腔内投与での遺伝子治療の特性をさらに明らかにするための前臨床試験を追加しています。この研究が完了次第、患者を対象とした臨床試験を開始する予定です。これと並行して、当社は独自のRNA末端接合技術を用いた中-長鎖ジストロフィンDMD遺伝子治療プログラムを継続しています。

・当社は引き続き、早期開発段階の研究プログラムによる支出は支出全体の20%未満になると予想しています。

 

2023年第3四半期の業績について

・2023年9月30日に終了した第3四半期の総収益は、7,910万ドルで、当社において最も好調な四半期の売上高を反映しました。2022年第3四半期の総収益6,770万ドルに対し、17%の増加となりました。

・2023年第3四半期の総収益は、アリケイスの米国における純売上高が5,920万ドル、日本が1,600万ドル、欧州およびその他の地域が380万ドルで構成されています。第3四半期の売上高は、米国と日本でそれぞれ前年比20%増と11%増の成長を反映しており、これら2つの地域では過去最高の四半期売上高を記録しました。

・2023年第3四半期の売上原価(無形資産償却費除く)は、アリケイスの販売量の増加を反映し、2022 年第 3 四半期の 1,350 万ドルに対し、1,670 万ドルでした。

・2023 年第 3四半期の研究開発費(R&D)は、2022 年第 3四半期が9,990 万ドル、2023年第2四半期が1 億 9,700 万ドルであったのに対し、1億910万ドルでした。2023年第3四半期の研究開発費は、当社の継続的な早期から後期段階のパイプラインへの継続的な投資を反映しています。

・2023年第3四半期の販売および一般管理費(SG&A)は、2022年第3四半期の7,560万ドル、2023年第2四半期の8,440万ドルに対し、9,060万ドルでした。販売および一般管理費は前年同期比で増加しました。これは、主にBrensocatibの上市準備活動および人員増加によるものです。

・2023年第3四半期は、1億5,890万ドルの純損失(1株当たり1.11ドル)を計上しました。2022年の第3四半期は1億3,110万ドルの純損失(1株当たり1.09ドル)、2023年第2四半期は2億4,480万ドルの純損失(1株当たり1.78ドル)でした。

 

貸借対照表、財政ガイダンス、計画投資について

・2023年 9月 30日現在、インスメッドの現金、現金同等物、市場性のある有価証券は2023年6月30日時点で保有していた9億1,800万ドルから7億8,600万ドルへ減少しています。これは、アリケイスのビジネス促進、Brensocatibの上市準備活動、および中期から後期のパイプラインプログラムに向けた臨床試験への継続的な投資を反映しています。

・インスメッドは、2023年通年のアリケイスの全世界での売上予想レンジ(2億9,500万ドルから3億500万ドル)を改めて示しています。

・2023年、総支出の80%以上を中期および後期段階のプログラムおよび上市製品(アリケイス、Brensocatib、TPIP)に、また、全体の20%未満を初期段階の研究開発プログラムに投じる予定です。これは弊社のこれまでの支出状況を反映したものです。

・2023年に以下の主要な活動への投資を計画しています。

(i) 「アリケイス」のグローバルでのさらなる上市および拡大。

(ii) 2024年第2四半期に完了予定の気管支拡張症患者を対象とした第Ⅲ相ASPEN試験および上市準備活動、およびCRSsNP患者を対象とした第Ⅱ相臨床試験を含むBrensocatibのプログラムの推進。

(iii) 現在の適応症の完全な承認のための市販後要件を満たすとともに、肺MAC症の全患者を対象とする適応拡大にむけたアリケイスの臨床試験プログラム(ARISEおよびENCORE)の推進。

(iv) TPIPの第Ⅱ相試験および、

(v) 初期段階の研究プラットフォームの開発推進。

 

カンファレンスコール

インスメッド社は、10月26日午前8時30分(米国東部時間)よりカンファレンスコールを実施しました。このカンファレンスコールは、2023年11月25日まで、会議記録のリプレイを視聴することが可能です。(+1)647-362-9199(米国/国際)にダイヤルし、アクセスコード7862189を使用してください。また、この会議のウェブキャストは、弊社ウェブサイト(www.insmed.com)の投資家情報セクションに90日間保存されます。

 

アリケイスについて

アリケイスは、米国ではARIKAYCE®(Amikacin Liposomal Inhalation Suspension/ALIS, アミカシンリポソーム吸入用懸濁液)、欧州ではARIKAYCE® Liposomal 590mg Nebuliser Dispersion、日本ではアリケイス吸入液590mg(アミカシン硫酸塩 吸入用製剤)として承認されています。現在、国際的な治療ガイドラインでは、適切な患者にアリケイスを使用することが推奨されています。アリケイスは、これまで静脈内投与されていたアミカシンを、1日1回、吸入投与する新規製剤です。弊社独自の PULMOVANCE ® リポソーム技術により、アミカシンを肺に直接到達させることで、従来懸念されていた聴覚、平衡感覚、および腎機能といった全身性の副作用の発現を抑えながら、主要な感染細胞である肺マクロファージに取り込まれることを可能としました。アリケイスは、PARI® Pharma GmbH(以下 、PARI社)社製のラミラ® ネブライザシステムを使用して1日1回投与されます。

 

PARI社とラミラネブライザシステムについて

アリケイスは、PARI社が開発した新しい吸入器であるラミラネブライザシステムによって投与されます。ラミラは、振動する多孔質膜を介してアリケイスを効率的に噴霧することができる、静かで持ち運び可能なネブライザです。PARI社は、エアロゾルに関する100年の知見に基づき、患者の治療を向上させるための革新的な送達プラットフォームの開発を通じて、吸入治療の進歩に貢献しています。

 

Brensocatibについて

Brensocatibは、インスメッドが気管支拡張症やその他の好中球介在性疾患の治療薬として開発している低分子の経口可逆的ジペプチジルペプチダーゼ1(DPP1)阻害剤です。DPP1は、好中球が骨髄で形成される際に、好中球エラスターゼなどの好中球セリンプロテアーゼ(NSP)を活性化する酵素です。好中球は白血球の中で最も多く存在し、病原体の破壊や炎症性媒介において不可欠な役割を担っています。慢性炎症性肺疾患では、好中球が気道に蓄積し、その結果、過剰に活性化したNSPが肺の破壊と炎症を引き起こします。Brensocatibは、DPP1およびそのNSPの活性化を阻害することにより、気管支拡張症などの炎症性疾患への損傷作用を低下させることが期待されます。現在、Brensocatibは開発治験段階にあり、世界中のどの国・地域においても、承認されていません。

 

TPIPについて

Treprostinil palmitil inhalation powder(TPIP)は、トレプロスチニルのプロドラッグ乾燥粉末製剤であり、16炭素鎖にエステル結合でトレプロスチニルを連結したものです。TPIPは、すべて弊社の研究所で開発され、PAH、PH-ILD、その他の希少かつ重篤な肺疾患患者の治療薬として将来が非常に期待される高分化プロスタノイドです。TPIPは、カプセル製剤であり、吸入器を使用して投与されます。現在、TPIPは開発治験段階にあり、世界中のどの国・地域においても、承認されていません。

 

インスメッドについて

グローバルバイオ医薬品企業であるインスメッドは、深刻な希少疾患と生きる患者さんの未来を変えることを使命としています。インスメッドは初めての製品として、米国、欧州、日本において、難治の慢性肺疾患に対する初の治療薬を上市しました。インスメッドは好中球が関与する炎症性疾患や希少肺疾患など深刻なアンメットニーズを有する疾患に対する研究開発に注力しています。インスメッドは、米国ニュージャージー州ブリッジウォーターに本社を置き、欧州や日本において事業を展開しています。

日本法人概要

会社名 :   インスメッド合同会社

設立日 :   2017年12月5日

住 所 :   〒100-0014 東京都千代田区永田町2-10-3 東急キャピトルタワー13階

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人を第一に考えるグローバルバイオ企業であるインスメッドは、深刻な疾患と生きる患者さんの未来を変える、ファースト・イン・クラスおよびベスト・イン・クラスの治療法の実現を目指しています。

 

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PARI® is a registered trademark of PARI GmbH.ラミラ® is registered trademarks of PARI Pharma GmbH.

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将来予想に関する記述

本プレスリリースには、1995 年米国民事証券訴訟改革法で定義されている「将来予想に関する記述」が含まれており、歴史的事実ではない記述であり、多くのリスクや不確定要素を伴っています。本プレスリリース記載の「かもしれない」、「予定する」、「はずである」、「可能性がある」、「だろう」、「期待する」、「計画する」、「見込む」、「信じる」、「見積もる」、「想定する」、「予測する」、「予定する」、「可能性がある」、「継続する」およびその他同様の表現(ならびに将来の事象、条件、状況に言及しているその他の言葉や表現)は、将来予想に関する記述であることを示しています。本プレスリリースに記載されている将来予想に関する記述は、当社の現時点での予測や見解に基づくものであり、既知および未知のリスク、不確定要素およびその他の要因を伴っています。これらの要因により、当社の実際の業績、実績、成果および特定の事象の発生時期が、将来予想に関する記述で検討、予測、予想または提示されているそれらと大きく異なる可能性があることをご留意ください。これらのリスク、不確定要素およびその他要因には、以下のものが含まれます。アリケイスもしくは、当社の製品候補についての規制当局による承認を取得できないこと、またはその取得が遅延すること。既承認薬であるアリケイスの商業化の失敗、またはアリケイスの現在の薬事承認維持の失敗。自然災害または新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のような公衆衛生上の緊急事態を含む大災害やその他の事象による事業または経済活動の混乱。アリケイスまたは当社の製品候補に対して予測せぬ安全性または有効性に関する懸念事項の発生。当社によるアリケイスまたはその他製品候補の潜在的な市場規模予測が不正確であること。当社または当社の他の製造委託先が薬事規制要件を遵守できないこと。当社がアリケイスに対する適切な償還を得られないこと、または許容できる薬価を得られないこと。当社の新規遺伝子治療製品候補の開発、規制当局の薬事承認および商業化に要する時間および費用を正確に予測できないこと。当社が委託している第三者による失敗。当社の実施する買収が失敗する、または商業的に成功しないリスク。米国、欧州、日本および全世界における一般的な経済状況の悪化(長期的なインフレの影響を含む)。当社が知的財産権を適切に保護できないこと。アリケイス、または当社の製品候補に関連する契約により当社に課される制限またはその他の義務の発生。当社の継続的な営業損失、および当社が収益性を達成または維持できない可能性。当社の既存債務の返済能力および将来の資金調達能力に関する不確実性。第三者製造施設の追加建設に関連するリスク。将来予想に関する記述は、将来発生するまたは発生しない可能性のある事象に関連し、かつその性質上、将来発生するまたは発生しない可能性のある状況に依存するため、当社が将来予想に関する記述で示した実績、計画、意図、または予測を実際に達成できない場合があります。当社の事業に影響を及ぼすリスクや不確定要素に関する追加情報については、2022 年 12 月 31 日を期末とするインスメッド年次報告書(Form 10-K)およびそれ以降に米国証券取引委員会(SEC)に提出している書類に記載されている Item 1A「リスク要因(Risk Factors)」で説明されている要因をご覧ください。将来予想に関する記述は、あくまでも公表日現在における発表であるため、それらに過度に依拠することのないようご注意ください。当社は、法律および米国証券取引委員会(SEC)の規則で特に定められている場合を除き、将来予想に関する記述を公に更新または修正する義務を負いません。

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