歯科医の秋広良昭です。先日、アレルギー学会出展の一酸化窒素(NO)測定器販売大手「原田産業」様ブースで、自分の「10秒間呼気を出し続けた呼気NO濃度」と、吸気速度を速める為に開発した「鼻呼吸補助器具ハナタカを鼻腔に挿入時のNO濃度」との数値確認をしたく、実測参加してみました。
NO口腔内正常値は15ppbと言われています。ポータブル呼気NO濃度測定器NObreath V2で計測すると呼気中NO濃度は最大で「14ppb」、ハナタカを使用して計測したNO濃度は11回計測して常に「36~41ppb以内」でした。
(左)通常時呼気 (中央)鼻呼吸補助器具挿入時呼気 (右)計測風景
歯周病菌等の細菌学検査で有効と確認出来れば、従来の「物理的力を応用した歯ブラシケア」等から「NOに依る医学的ケア」に変わります。文献によれば、NOは副鼻腔で作られ 鼻腔・咽頭・口腔・気管支・肺の順に循環・拡散して各臓器健康維持を担っています。NO濃度測定機器普及は、いずれ「歯周病罹患のスクリーニング」に有効になるでしょう。
NO半減期が6秒以内と短く、臨床では工業用NOを呼吸器病院で使用しています。NOの薬理作用にウイルス・細菌の殺菌作用と消臭効果等があります。口腔の不治の病と言われる歯周病は歯周病菌が原因で、潜在患者は8千万人とも言われます。歯周病は生活習慣病に繋がる疾患でもあります。物理的除去が困難な部位(歯間直下、歯周溝、インプラント支台歯)でもガス状のNOの医学的口腔ケアは歯周病治療も容易・確実になるのではないでしょうか。睡眠中は細菌増殖が活発化すると言われているので、夜間睡眠中も使用できる鼻呼吸補助器具ハナタカの使用は歯周病STOPに有効と感じました。
介護人不足時代になっても、呼吸機能鼓舞と殺菌作用は大事な要因です。今後、興味を持った研究機関が学会等で発表していくことでしょう。
歯学博士 秋広良昭
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2024年2月4日(日)東京・神田
テーマ「介護人減少時代の低位舌・一酸化窒素(NO)で歯周病・口腔ケアが変わる!」