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ガザ地区とヨルダン川西岸地区の状況
国連WFPは、紛争激化の直後から、ガザ地区の国連パレスチナ難民救済事業機関のシェルターに避難している人びとに、温かいパンや缶詰など、すぐに食べられる食料の配給を開始。大きな困難に直面するなか、これまでに、52万2千人のパレスチナ人に食料と現金を支援しました。何万世帯もの絶望的な家族が避難しており、避難所1カ所あたりの人数は3倍近くに増加しています。
国連WFPパレスチナ事務所のサーメル・アブドルジャーベル代表は、「インフラが損壊し、燃料が不足しているため、既存の在庫があっても店や人びとに届かない。私たちが協力しているパン工場の数は日に日に減っている。パンを製造するのに十分な水も電気もない。避難所が過密状態にある一方で、私たちが被災者に支援を届けられる力が限られてきており、配給するパンの量を減らさざるを得なくなっている。」と切迫した状況を語っています。
国連WFPはガザ地区国境に310トンの食料を配備し、人道回廊が確保され次第、絶望的な状況にある人びとに支援を届けられるよう準備を整えています。エジプトのアリーシュに到着している国連WFPの支援物資は、ガザ地区内にいる国連WFPのチームへの妨げのないアクセスと安全な経路の確保が実現すれば、24万4,000人分の一週間分の食料を賄うことができます。国連WFPは、南部に逃れるガザ地区の住民の安全な経路を確保し、避難先で保護されるよう訴えています。
国連WFPは、今後30日間で80万5,000人に、食料、水、その他の必要な物資を届けることを目標としています。この緊急事態に対処するために、今後3カ月間で7,400万米ドル(約110億円/1米ドル149円で換算)を緊急に必要としています。
国連WFP協会 青木 創 事務局長のコメント
パレスチナでは紛争が激化する前から食料不安のレベルは危険なほどに高く、人口の3分の1にあたる184万人が食料不安に直面していました。国連WFPは支援を行っていましたが、今年6月、深刻な資金不足のため支援を削減せざるを得ませんでした。今回の紛争はそうした悲惨な状況の最中に勃発しました。最も注目すべきことは、紛争により、罪のない、そして脆弱な立場にある一般の人びとが絶望的な苦境に立たされているということです。このような状況下で人びとが一筋の希望を見出すためには、最低限の食料が満たされることが不可欠です。国連WFPは既に緊急支援を始めておりますが、活動を支えるための緊急の資金が必要です。1人でも多くの命を救えるよう、皆さまの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
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■国連WFPとは
飢餓をゼロにすることを使命に活動する、国連唯一の食料支援機関です。災害や紛争時の緊急支援、栄養状態の改善、学校給食の提供などを活動の柱に、120以上の国と地域に拠点を持っています。2020年にはノーベル平和賞を受賞しました。
■認定NPO法人 国連WFP協会とは
国連WFPを支援する認定NPO法人で日本における国連WFPの公式支援窓口です。募金活動のほか、企業・団体との連携、広報を通じて、日本における支援の輪を広げています。