株式会社さかい新事業創造センター(S-Cube)は、起業家や第二創業を始める企業を支援しており、支援メニューの一つとして、オフィスや研究・開発等ができるラボの賃貸を行っております。株式会社エム・ティー・スリーは、令和3年4月からS-Cubeのラボに入居し、がんの3大治療のひとつである放射線治療の効果を高める放射線増感剤『レブリチン®』の開発を進めてきましたが、この度、農林水産省より動物用医薬品製造販売承認(※2)を2023年9月15日に取得することができました。
放射線治療は手術で完全摘出できない悪性腫瘍(以下、がん)に対する優れた治療手段として、人医療ではもちろん獣医療においても近年急速に発展している治療法です。一方で、照射回数に限度がある、がんが大きくなると放射線が効きにくくなるなど様々な課題があり、治療の効果を高める『増感剤』の実用化が人医療、獣医療ともに求められてきました。これまでにも様々な候補物質が研究対象になってきましたが、副作用等の問題からこれまで医薬品として認可された例はなく、『レブリチン®』は有効成分の発見から25年以上の紆余曲折を経て、放射線増感剤として世界で初めて承認された動物用医薬品となります。
『レブリチン®』は天然物(ウニ、スギノリ)を由来とし、安全性が高く、がん細胞に滞留して放射線の効果を高める一方で、正常組織への影響は少ないという特長をもちます。
株式会社エム・ティー・スリーは、今回の日本での承認申請と並行してアメリカでも同医薬品の臨床研究を実施しており、今後はアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界各国での販売、そして将来的には人医療への展開を視野に入れ、この画期的な製品を必要とするすべての人々や動物たちに届けるために引き続き活動をしてまいります。
S-Cubeとしても、この画期的な開発を周知するとともに、今後も全力でフォローしていきます。
※1
日本、FDA(アメリカ食品医薬品局)、EMA(EU医薬品規制機関)で承認された動物用医薬品として。人用医薬品においても放射線増感剤として承認された薬剤はない。
※2
レブリチン®の承認内容は、「犬の鼻腔内腫瘍(ステージ3またはステージ4の腺癌に限る。)における放射線治療の効果の増強」です。当製品は要指示医薬品であり、一般販売はしておりません。本剤は、放射線治療に十分な知識・経験をもった獣医師のもとで、本療法が適切と判断される症例にのみ使用されます。
注:本リリースの内容は、2023年9月15日現在の情報です。
株式会社エム・ティー・スリー
創業日 2018年1月1日
代表者 代表取締役社長 宮崎 年恭
所在地 東京都港区南青山2-2-8DFビル10階
事業内容 医薬品、研究用薬の研究、開発、製造、販売
株式会社エム・ティー・スリー ファクトリーラボ
所在地 大阪府堺市北区長曽根町130-42 S-Cube123号