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スローフードとして着目できる“海藻”、シーベジタブルの取り組み
私たちが普段口にする食材、その生産や流通方法など食に対しての見直しが進むなか、「スローフード」にもさらなる関心が集まっている近年。
1989 年にイタリアで始まり、現在160カ国以上に広まる国際組織「スローフード協会」では、絶滅危機のある伝統的かつ固有な在来品種や加工食品、伝統漁法による魚介類などを世界共通のガイドラインで選定し、支援策を立てることによって、生産や消費を守り、地域における食の多様性を守っています。
この数年の間に激減し、古くから親しまれてきた食文化が失われつつある“海藻”においても、スローフード協会が掲げる「おいしい、きれい、ただしい(Good, Clean and Fair)食べ物をすべての人が享受できるように」に対する取り組みは重要です。
そんな中、シーベジタブルでは海藻の更なる可能性を導き出し、国内外に向けて発信していく取り組みを行っています。
Slow Food Nippon 公式WEBサイト:https://slowfood-nippon.jp/
1)海藻は、美味しくておもしろい
日本の海域には約1500種類を超える海藻が生息し、そのすべてが毒を持たず、食用になり得るとされています。
しかし、世界で最も海藻食文化が進んでいると言われている日本でさえも、現在食卓に並ぶのは数十種類程度。
かつて特定の地域で親しまれてきたけれど、環境変化によってこの数年のうちに激減してしまった海藻も含め、1400種類以上もの海藻が未知なる食材として眠ったまま存在しているのです。
地上の植物は探求し尽くされ、様々な栽培技術や調理法が確立していますが、海藻の世界はその途上、と言うよりはじまってすらいないものばかり。
私たちシーベジタブルは、過去から受け継がれる海藻食文化を守っていくと同時に、新たな海藻食文化をつくっていくことを目指します。
2)環境にもたらす役割が大きい
シーベジタブルには、海藻にまつわる多様なスペシャリストが集い、海藻の基礎研究から栽培技術の確立まで取り組んでいます。
磯焼けにより減少しつつある海藻を採取して研究し、環境負荷の少ない陸上栽培のほか、海の生態系を豊かに育む海面栽培により、環境を考慮した持続可能かつ未来につながる生産方法を確立。
年々資源量が減少し、なかには絶滅の危機に瀕したり食文化が途絶えつつあるような海藻の種を確保し、ふたたび蘇らせて生産することで、守りつないでいくことができる。そんな想いを持った仲間たちが集っています。
3)地域やそこで暮らす人々、海をすこやかにする
地域の多様な人たちと高品質の海藻を育てるという仕事を通じて、そして海藻を食べるという行為を通じて、そこで暮らす人や地域を元気にしています。
また、海で暮らす生物たちにとって、海藻が形成する藻場は“海のゆりかご”としての役割を持ちます。
私たちが海面で海藻を育てることで、小さな生き物や魚の餌場であり隠れ家ができる。イカなどが卵を産むことができる。小さな生き物を食べに、大型魚がやってくる。こうして、海の生態系を豊かに育むことができると考えています。
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スローフードの祭典「TERRA MADRE」への出展。昨年には、現地イタリア・トリノにて初参加
2022年に本拠地であるイタリア・トリノで開催された、世界最大級のスローフードの祭典「TERRA MADRE」へ初出展をした際には、日本のように海藻を食材として取り入れる文化や風習がない国の方々へ、海藻の魅力をお伝えし、体験していただきました。
実際に訪れた方からは「こんなに美味しい海藻があるなんて知らなかった」「トリュフやハーブみたいな香りがする海藻があって驚いた」といった声があり、世界的にも海藻は食材としての可能性があることを体感しました。
スローフード協会が、偶数年の秋にはイタリアで、奇数年の秋には日本で「TERRA MADRE」を開催し、スローフードの「GOOD CLEAN FAIR」の価値観をおいしく楽しく伝えていく場づくりを目指すべく始動した、日本初開催となる「TERRA MADRE JAPAN 2023」。
昨年に引き続き、シーベジタブルは日本開催においても出展することが決定しました。
昨今において、日本だけでなく世界中で注目を集めている海藻ですが、ここまで長い歴史と地域性を反映した多様な食文化を持ち、海藻を美味しい「食材」の一つとして捉えている国は、日本以外になかなか見当たらないのではないでしょうか。
海で暮らす生き物たちにとってはもちろんのこと、そのほか地上で暮らす動物や私たち人間にとって、海藻がどんな意義を持つのか。
日本各地から集まる、それぞれの地域を代表する食の生産者たちが宮城に集うなか、海藻の魅力や、海藻がもたらしてきた日本の食文化を、参加者・来場の皆さまと共に考え、学ぶ場になることを目指します。
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「TERRA MADRE JAPAN(テッラマードレジャパン)2023」詳細、イベント概要
TERRA MADRE(イタリア語で“母なる大地”の意)は、スローフードインターナショナルが2年に1度、ピエモンテ州のトリノで5日間開催する世界最大級の食の祭典。
世界中の食の生産者、学者、活動家が集まり、「世界生産者会議」としてさまざまなテーマで会議を行います。
また、スローフード独自の出店条件を持つ郷土の味が150カ国以上から集まり、生産者とも触れ合えるマーケットも楽しみの一つ。
2022年の開催時には35万人以上の来場客が訪れました。
*「TERRA MADRE JAPAN」イベント公式ウェブサイト参照
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日時:2023年9月30日(土)10:00〜17:00 入場無料(一部プログラム有料)
場所:富谷市の「しんまち地区」に位置する下記複数の施設が会場となります。
・富谷宿観光交流ステーション「とみやど」
・富谷市まちづくり産業交流プラザ「TOMI+」
・ビジネス交流ベース「荷宿」
・富谷市 町中会館
※全て、徒歩2分圏内
主催:TERRA MADRE JAPAN 2023 実行委員会
共催:富谷市/一般社団法人 日本スローフード協会
協賛:スローフード仙台宮城 ほか
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合同会社シーベジタブル
研究者から料理人まで各分野のスペシャリストが集まり、全国各地で海藻の基礎研究・種苗生産・陸上/海面栽培、さらには料理開発まで一貫した事業を行う。
海藻が激減する海の生態系を豊かに育みながら、社内外の料理人たちと新たな海藻の食文化をつくることにも取り組んでいる。