このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
- イベント概要
・開催概要:ムラサキウニを利用したメニュー開発検討会
・日程:2022年6月28日(火)
・開催場所:鳥取市永楽温泉町214 JA会館別館2階第一会議室
・参加人数:料理人6名、食品加工専門家1名
- 「鳥取の海を何とかしたい!」様々なジャンルの地元料理店が参画!ムラサキウニのお味は…
鳥取県の沿岸では、海藻を食べるムラサキウニが、温暖化等の影響で大量発生しています。このムラサキウニの食害により、海洋生物の多様性に欠かせない藻場(もば:海藻が生い茂っている場所)が減少しており、本来海藻が生い茂っていた場所から長期的に海藻がなくなる「磯焼け」に近い状況になりつつあることから、今、鳥取県では藻場の回復が大きな課題となっています。
このような状況の中、地域の皆さんに、飲食店や学校給食でムラサキウニを食べることを通して、身近な海で起こっている磯焼け等の海の課題を知っていただき、海を守っていくために一人ひとりに何ができるか考え、行動してもらえるように、また、藻場の再生に加え、過剰な生息密度で身入りも悪くなっているウニを適正な数にし、漁業者の方々は収穫し利益となり、地域の方々にはおいしく食べていただける好循環を目指し、ムラサキウニを利用したメニューの開発を進めています。
このメニュー開発にあたり、「鳥取のウニを地域の皆さんに食べていただきたい!鳥取の海を何とかしたい!」という実行委員会の思いに賛同する、和食、フレンチ、イタリアン、洋食、寿司など、様々なジャンルの地元飲食店の方が協力してくださることになりました。
5月23日に開催した第1回の検討会では、生のムラサキウニの風味を損なわないよう添加物を使わずに急速冷凍した鳥取県産のムラサキウニを試食いただきました。素材と処理への評価や処理の方法について様々な提案があったほか、このムラサキウニを活かした各ジャンルで想定されるウニ料理について次々と意見や提案がなされ、皆さん、今後の展開にもとても前向きにとらえてくださいました。
- 各料理人らが「地域の人にぜひ味わってほしい」と工夫を凝らしたウニ料理を試食
そして、開催された第2回の今回の検討会。第1回の検討会で試食していただいた鳥取県産のムラサキウニを「地域の人、特に子供たちに楽しんでもらうためには…」と各料理人がアイディアと発想力、思いを巡らせたムラサキウニ料理が持ち寄られ、皆で試食・意見交換をし、今後のメニュー開発の方向性について検討しました。子供の食べやすさを検討いただいた、「名代 笹すし」稲田氏によるウニと白いかのてまり寿司、ウニとワカメの卵焼きや、「れんが亭」友山氏によるウニのライスボールコロッケ、ウニの風味を最大限に楽しめるように検討くださった、「ムッシュたけぞう」平尾氏によるウニのフラン(洋風茶碗蒸し)、「イタリア食堂 ターナ・カプリッチョ」田中氏によるウニの冷製パスタ、少ないウニでいかにウニの風味を感じていただくかを検討くださった「梅乃井」宮崎氏による地雲丹冷し粥と地雲丹の酒煎りと工夫あふれる7品はどれも見た目も美しく、味はおいしく、ウニの処理もアイディアに富んだものでした。
- 参加した料理人の声
試食・意見交換を行った料理人からは「どれもウニの濃厚な甘さが際立っていて美味しかった。工夫次第で海の厄介者と言われるウニの食材としての可能性の広がりを感じた」、「地域メニューとしてどのような展開ができるか楽しみ」など今後の展開に期待する声が寄せられたほか、「冷凍以外の加工方法も試してみたい」「食材としてどのような展開もできるため、プロジェクトの地域メニューとしてどのような方向性にするのかしっかりと整理しなくてはならない」といった意見もあり、次回は、このたび試作いただいたウニ料理の調理工程を整理、再検討した上で、最終的な地域メニュー・加工品の方向性をかため、第3回の検討会を開催することとなりました。
<団体概要>
団体名称:鳥取ブルーカーボンプロジェクト「豊かな海の再生を目指して」実行委員会
活動内容:⿃取県漁業協同組合、⿃取県、農林中央金庫らが官⺠⼀体となり、藻場の衰退の要因となっているムラサキウニの商品化をモデルケースとした海の豊かさの啓発等により、地域と共に⿃取の豊かな海を取り戻すことを⽬的に活動。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/