「若者に教員になることを薦める」日本人19%~29 カ国中2 番目の低さで教員不人気が明らかに~

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世界最大規模の世論調査会社イプソス株式会社(日本オフィス所在地:東京都港区、代表取締役:内田俊一)
は、世界29 カ国23,248 人を対象に、「教育に関する意識調査2023」を実施しました。

【調査サマリー】

  1. 「自分の子供や知り合いの若者に、教員になるよう勧めたい」という設問に「そう思う」と答えた日本人19%。29 カ国中2 番目に低い数字である。

    ⇒同設問に対する各国の回答平均は43%。最下位はハンガリー(16%)。

  2. 「あなたの国では、大半の教員に十分な給与が支払われている」という設問に「そう思う」と答えた日本人

    31%。29 カ国中4 番目に低い数字である。

    ⇒同設問に対する各国の回答平均は46%。最下位はアルゼンチン、次いでハンガリー、チリ、その次に、ブラジルと同率の日本であった。

  3. 「あなたの国では、大半の教員が仕事に熱心に取り組んでいる」という設問に「そう思う」と答えた日本人

    47%。29 カ国中最下位である。

    ⇒日本と並び韓国も同率最下位である。

  4. 「あなたの国の教育システムが直面している最大の課題は何だと思いますか?」という設問に「教員教育が

    不十分」と答えた日本人40%。29 カ国中2 番目に高い数字である。

    ⇒同設問に対する各国の回答平均は25%。トップはペルー(45%)。

【 調査概要 】

調査方法:イプソス グローバルアドバイザー調査プラットフォームを使用したオンライン調査

調査対象:世界29 カ国 23,248 人

インドネシアとシンガポールの21〜74 歳、タイの20〜74 歳、米国、カナダ、アイルランド共和国、マレー

シア、南アフリカ、トルコの18〜74 歳、その他の国の16〜74 歳の成人

調査実施日:2023 年6月23 日〜7 月7 日

調査機関:イプソス

【 調査結果 】

① 「自分の子供や知り合いの若者に、教員になるよう勧めたい」という設問に「そう思う」と答えた割合

「自分の子供や知り合いの若者に、教員になるよう勧めたい」という設問に「そう思う」と答えた日本人は19%。

29 カ国中2 番目に低く、各国平均値(43%)を大きく下回りました。「そう思わない」と答えた割合は63%、29 カ国中上位4 番目です。

② 「あなたの国では、大半の教員に十分な給与が支払われている」という設問に「そう思う」と答えた割合

「あなたの国では、大半の教員に十分な給与が支払われている」という問いに対し、「そう思う」と答えた日本人

は31%で半数以上が十分ではないと考えていることがわかりました。なお、給与については、先日発表された経済

協力開発機構(OECD)による報告書「図表でみる教育2023」でも、日本の教員給与が加盟国の平均を下回り、給与の競争力が乏しい状況であるとの指摘がありました。

③「あなたの国では、大半の教員が仕事に熱心に取り組んでいる」という設問に「そう思う」と答えた割合

「あなたの国では、大半の教員が仕事に熱心に取り組んでいる」という設問に「そう思う」と答えた日本人は47%。同率の韓国とともに29 カ国中最下位となりました。

「そう思わない」と答えた割合は36%、29 カ国中上位6 番目です。

「あなたの国の教育システムが直面している最大の課題は何だと思いますか?(複数回答3 つまで)」という

設問に「教員教育が不十分」と答えた割合

「あなたの国の教育システムが直面している最大の課題は何だと思いますか?(複数回答3つまで)」という設問に「教員教育が不十分」と答えた日本人は40%。29カ国中2番目に高い数値です。課題の選択肢として、他には「時代遅れのカリキュラム」「教育を受ける機会が不平等」「教室に生徒数が多過ぎる」「公的資金の不足」「インフラが未整備」「政治的/思想的偏見」「テクノロジーが十分に活用されていない」「中退率が高い」「安全と安心」がありますが、日本において各国平均値を大きく上回る数値が出たのは「教員教育が不十分」のみです。

10 月5日は世界教師デーです。日本では今、教員の過重労働やそれによる教育業界の人手不足が社会問題とな

っています。特に教員不足は深刻で、2022 年5 月1 日時点で全国の公立小中高と特別支援学校2092 校(全体の約6%)で2778 人の欠員。21 年同時点の文部科学省調査 (1519 校・計2065 人)と比較すると、約3 割増となっています。2022 年度採用試験の倍率は、公立小学校で過去最低の2.5 倍まで落ち込みました。

今回の調査結果について、イプソス株式会社代表取締役社長の内田俊一は以下のように述べています。

「日本における深刻な教員のなり手不足の状況が、今回の調査でも如実に表れたと感じます。教職へのイメージ、社会的地位、教員研修のクオリティなど、教員・教育に向けられる評価が、諸外国に比べて著しく低い結果となりました。本来時間を割くべき授業への工夫に必要な時間が取れない、授業以外にも時間がとられるなど、教員をとりまく環境は非常に過酷なものと言えるでしょう。

現在、文部科学省では「学校における働き方改革」が進められています。こうした抜本改革や教育研修のあり方、内容の見直しによって、教育の質の向上、教員不足の解消、さらには教員の社会的地位の向上が早急に推進されていくことを期待します。今後も継続的に調査を行い、どのような変化がみられるのかをまたお知らせします。」

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●イプソスについて

イプソスは、世界最大規模の世論調査会社であり、90 の市場で事業を展開し、約2 万人の従業員を擁していま

す。1975 年にフランスで設立されたイプソスは、1999 年7 月1 日からユーロネクスト・パリに上場しています。同社はSBF120 およびMid-60 指数の一部であり、繰延決済サービス(SRD)の対象となっています。

ISIN コード FR0000073298, Reuters ISOS.PA, Bloomberg IPS:FP www.ipsos.com

【会社概要】

会社名:イプソス株式会社

所在地:東京オフィス 〒105-0001 東京都港区虎ノ門4-3-13 ヒューリック神谷町ビル

代表者:代表取締役 内田 俊一

事業内容:世論調査並びに各種市場調査の調査企画立案、実査、集計、分析、レポーティングに関する全てのサ

ービス

HP:https://www.ipsos.com/ja-jp

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