政府は2022年を「スタートアップ創出元年」として位置づけ、5年間で10倍増を視野に入れて推進しています。
本プログラムは「ソーシャルビジネス」という言葉の認知度が低かった2002年から開始し、これまでの21年間で148名の社会起業家を支援してきました。
非営利におけるスタートアップ創出の一旦を担い、より良い社会の実現を目指して、起業家の成長をより一層後押しします。
-
未来を創る担い手を育てる、社会起業塾イニシアティブ
本プログラムは2002年にNECとの協働でスタートし、2010年には花王をオフィシャル・パートナーに、電通をプログラム・パートナーに迎えました。これまで148名の社会起業家の創業期をサポートし、卒塾生の87%が事業を継続しています。
今年度は、書類選考を通過した16団体のうち、以下の8団体が本科プログラムに参加します。採択メンバーは今後、約6ヶ月にわたるメンタリングや伴走支援を通じて、社会を変える事業や計画づくり、経営者としてのマインドを身につけます。
彼らの成長と今後の社会起業塾の取り組みに、ぜひご注目ください。
-
2023年度の採択起業家一覧 ※取材をお受けします
2023年度の採択起業家は、下記の通りです。
今年は福祉、介護、教育の領域でチャレンジされている8団体が採択されました。これらの領域・課題はどれも重要なだけでなく、緊急度も高く、社会においても関心の高いテーマと言えます。
これらの団体は、従来のアプローチだけでは解決しづらい課題領域に、テクノロジーを用いた解決を目指すなど、新たな切り口で課題解決・価値創造に挑んでいます。
また、今年度はこれまでの活動・事業を棚卸しし、改めて方向性を明確にすることで事業と組織を変革していく第二創業の方も多く選ばれていることが特徴となります。
【NEC社会起業塾】
◎ 大村慧 / 株式会社mairu tech
<望む場所に誰もが辿り着ける社会へ、医療と福祉を移動で支える>
医療搬送の構造自体を変革することで、この業界に存在する多くの問題を解決し、これまで移動手段がなかった人々が移動できる社会の構築を狙っています。
この目標の達成のための基盤作りを、社会起業塾で達成します。自分たちのカルチャーを明確にし、組織の基盤を作ることや、仲間を見つけ、事業の方向性を定めること。目標達成のために必要不可欠なステップを、仲間と共に歩んでいくことを楽しみにしています。
◎ 金子萌 / 株式会社想ひ人
<驚きと希望を届けるシニアのためのテーマパーク シルバーニア>
弊社のビジョンは、老いるのが怖くない世界を創ることです。
私が17歳の時に父が44歳の若さで若年性の認知症とパーキンソン病を発症し、以来11年間以上、母親と2人で在宅介護を続けています。ただ昨年の9月には家族3人でハワイに行き、水陸両用の車椅子で要介護4の父でも海に入ることが出来ました。
このように介護を支える製品やサービス・制度は沢山あるため、したいことを諦める必要はありません。
だからこそ私は、老いや介護に希望を持てるプラットフォーム、シニアのためのテーマパーク シルバーニアを創ります。
【花王社会起業塾】
◎ 奥村春香 / 特定非営利活動法人第3の家族
<家庭環境問題のはざまで悩む少年少女に「寄り添わない」支援を>
家庭環境に悩むはざまの少年少女が「自分の居場所は他にもある」と思えるように、「寄り添わない」支援を行います。虐待まではいかないはざまの少年少女は、保護されるほどでもなく、本人たちも複雑な心境からなかなか自分から声をあげない、もどかしい状態にあります。情報サイト・掲示板サイト・コミュニティサイト・調査事業などを展開し、まずは1人であっても自分の居場所を見つけることができる「状態」をつくります。情報社会の新しい支援のかたちを目指します。
◎ 北川ペドロソ実萌 / 移民支援団体 immi lab
<移民ルーツ中高生支援とアライを増やす活動 プロジェクトポンテ>
移民ルーツを持つ若者(主に中高生)を支援する事業プロジェクトポンテを関西で運営しています。「外国人だから」「日本語が話せないから」と本人でさえも自分の可能性を諦めてしまっている移民ルーツの中高生ひとりひとりが一歩を踏み出せるよう伴走するメンタープログラムを初めとした直接支援と、この課題について一緒に声をあげ行動してくれるアライ(味方)を増やす取り組みを実施しています。ルーツが違うことで直面する教育・体験・経済格差をなくし、多様なルーツを持つことが誇りそしてレジリエンスとなる社会を目指しています。
◎萩原涼平 / 特定非営利活動法人ソンリッサ
<高齢者と若い世代との交流を核とした社会的孤立の防止事業>
「ひとりで抱えずに優しいつながりがあふれる社会をつくる」をビジョンに掲げ、高齢者の孤立・孤独の解決をミッションとして活動しています。
孤独・孤立になりがちな高齢者に対し、医療福祉専門職や地域福祉に想いを持ったメンバーが独自の伴走型支援を行い、訪問事業Tayory、地域健康サロン、居場所事業、まごマネージャー育成事業を実施しています。高齢者自身が、自分の生きがいを再発見し、地域住民とのつながりを持ち、それが波及することで、社会全体に伝播し、優しいつながりが溢れる社会の実現を目指しています。
【特別メンバー】
◎ 佐々木大志郎 / 特定非営利活動法人トイミッケ
<「通信困難者」への通信⽀援と市⺠による緊急⽀援パッケージ事業>
「不安定居住&不安定就労で生活されている方の不可視化」と「携帯電話やネット環境が必須になる一方で社会的な保障がない『通信の貧困』」は、社会課題だと捉えています。
それらを解決するため、団体事業として(1)市民と協力した緊急一時支援+(2)FreeWi-Fiから利用出来る相談専用無料通話システム提供+(3)電話番号つき無料通話アプリ提供+(4)民間主導の公衆Wi-Fi事業を実施。これらを通じて、誰もがSOSを出すことが出来、そして誰もがそのSOSの受けとめ手になれる社会の実現を目指します。
◎ たかまつなな / 株式会社笑下村塾
https://www.shoukasonjuku.com/
<「社会は変えられる」と思う子どもを増やす出張授業・若者議会>
日本は「社会を変えられる」という意識が他の先進国と比べて非常に低いです。昨年ヨーロッパにて主権者教育の取材を行い、社会を変える子どもたちの姿を見て感動しました。
私たちのもとには、「生徒会は先生の意向を忖度する」「ブラック校則を変えられない」という声が子どもたちから寄せられます。
日本の子どもたちにも変えたいことはたくさんある。変えたいという思いはあるけど、変え方を知らない。だからこそ、社会を変え方を伝える主権者教育と、社会を変える場づくりとして若者議会を作ることで、社会を変える子どもを増やします。
◎ 光本歩 / 特定非営利活動法人ウィーズ
<子どもが生い立ちを人生の躓きとしないための伴走支援事業>
家庭や親子関係などの生い立ちを負のものとして人生に引きずってしまうことで様々な犠牲を生むことのないように、心の傷の回復を目指したアウトリーチから自立までの長期伴走支援をおこなっています。
今、親からの虐待や、離婚を含めた両親の争いが起きている子どもたちに対してはオンライン・オフラインを併用した相談支援や生活支援、教育・自立支援をそれぞれのニーズに合わせて提供します。また、子ども時代に満たされなかった思いを抱えて育った「かつての子ども」である若者・大人への回復のプログラムや親向けの発信にも取り組んでいます。
※各50音順
-
2023年度 今後のプログラムスケジュール
【本科プログラム】
・9月7日(木)オープニングセッション
・9月14日(木)〜26日(火)キックオフセッション
・10月〜1月 実践期間
・1月11日(木)〜12日(金)レビューセッション
・1月~2月 実践期間
・3月6日(水)〜13日(水)ファイナルセッション
※9/25~26・1/11~1/12は対面合宿(東京)での研修を予定しています。
※詳細なスケジュールは社会起業塾イニシアティブのプログラムページを参照ください。
-
NPO法人ETIC. について
Move Forward. ETIC. 行動を起こす人に伴走し、つなぎ、ともに「新しい社会」をつくる。
ETIC.(エティック)という名前は、Entreprenurial Training for Innovative Communities.の頭文字をとったもの。ひらたく言えば「アントレプレナー」を増やすために、約30年活動してきました。
NPOと言えば、「社会のために活動している団体」と見られがちですが、どちらかと言うと私たちは「こんなことをやってみたい」という個人の挑戦を、応援・支援してきた団体です。想いのある人に必要なサポートをする。志を同じくする人とつなぐ。
さまざまな人や組織と一緒に、みずからプロジェクトを立ち上げる。
時代のフロンティアで積み重ねてきた活動は、少しずつ、でも確実に社会の変化を生み出してきました。
あなたがいま企業人であれ、学生であれ、地域や社会の課題に取り組む人であれ、
あなたの中にもしそのような想いがあれば、私たちETIC.(エティック)の扉をノックしてみてください。