本イベントは、キャピタルゲインを元に「『儲からない』けど『意義がある』事業に取り組むスタートアップ」を対象とした助成財団を立ち上げた一般財団法人Soil代表理事の久田哲史氏をゲストとして招き、社会起業家エコシステムにIPO起業家の資金が創業初期のリスクマネーとしてスタートアップに流れるフィランソロピーの文化を根付かせることを目的に実施いたします。
【開催背景】 |
内閣府の「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太の方針)においても「インパクト投資」や「ベンチャー・フィランソロフィー」について言及されています。昨今、「インパクト投資」や「ESG投資」は国内外で拡大傾向にあります。しかし、両者はあくまで経済的リターンを求められる資金であり、短期的な収益化が困難であるイノベーティブな事業への資金供給は不足しているのが実情です。
一方で、起業家たちがIPOやM&Aで得た資金を原資に、社会に新たな資金の流れを生み出す「フィランソロピー」の動きが生まれ始めています。「フィランソロピー」とは、社会的インパクトの創出を目的とした寄付または助成行為を意味しており、例えば、2020年にはミクシィ創業者の笠原氏が「みてね基金」を、2021年にメルカリ創業者の山田氏が「山田進太朗D&I財団」をそれぞれ設立しました。
「フィランソロピー」は前例のないイノベーティブな事業への資金供給を促す呼び水になり、リターンを求めない性質のお金であることから、起業家を生み出すエコシステムの多様化に大きく寄与するとされています。骨太の方針にも「フィランソロピー」が取り上げられ、今後大きなトレンドとなることが期待されています。
今回は、一般財団法人Soil代表理事の久田氏をゲストに迎え、「新時代のフィランソロピーを体現する~Speee上場を経てSoil創設に至るこれまでとこれから~」についてご講演いただきます。久田氏は学生時代に株式会社Speeeを創業し(同社は2020年に東京証券取引所JASDAQ市場〔現:東京証券取引所スタンダード市場〕に上場)、2023年には非営利スタートアップに対して助成を行う一般財団法人Soilを設立しました。本講演では、Soilを立ち上げた背景や課題意識について共有いただき、東海地方で生まれ育った1人の起業家として久田氏個人のストーリーにフォーカスし、現代社会で求められる起業家の役割と在り方を探求していきます。
その後、当地域で活動する社会課題解決型スタートアップ2社の公開メンタリングを実施します。公開メンタリングでは、現在フィランソロピーの対象にある起業家や、今後フィランソロピーの実施主体となり得る起業家に対する、久田氏によるメンタリングの様子をご覧いただけます。
【イベント概要】 |
▼詳細
日時 :2023年11月7日(火)18:30-20:00
場所 :オンライン(Zoom)
言語 :日本語
参加費 :無料
定員 :100名
参加対象 :起業家及び起業予定の方
資金提供者(VC等の投資家、金融機関関係者 等)
行政、大学のスタートアップ支援担当者
その他スタートアップエコシステム関係者 等
参加申込 :専用Webサイト(Peatix)からお申し込みください。
URL:https://gateway-10.peatix.com
▼実施内容
◯対談「新時代のフィランソロピーを体現する~Speee上場を経てSoil創設に至るこれまでとこれから~」 一般財団法人Soil代表理事 久田哲史 氏 × 株式会社UNERI 代表取締役CEO 河合将樹
◯公開メンタリング(当地域のスタートアップ2社の事業ピッチ及び久田氏によるメンタリング)
・ジークス株式会社 CEO 村上嘉一 氏
・株式会社Nocnum 代表取締役CEO 大森美紀 氏
▼ゲスト
久田哲史(ひさた・てつし) 氏
一般財団法人Soil 代表理事/株式会社Speee 取締役ファウンダー/株式会社Datachain 代表取締役
愛知県渥美町出身。名古屋大学在学中の2007年に株式会社Speeeを創業し、代表取締役に就任。2011年、新規事業創出に専念するため、取締役ファウンダーに就任。2018年、ブロックチェーン事業を主軸とした株式会社Datachainを設立し、代表取締役に就任。2020年に株式会社Speeeが東京証券取引所JASDAQ市場(現:東京証券取引所スタンダード市場)に上場。2023年1月、一般財団法人Soilを立ち上げ、代表理事に就任。
▼メンタリング対象者
村上嘉一(むらかみ・かいち) 氏
ジークス株式会社 CEO
1999年愛知県出身。2018年名古屋大学情報学部入学し、2019年医療とテクノロジーを結びつけるジークス創業、CEO就任。主力事業は医師と患者をマッチングするオンライン診療プラットフォーム「あんよ」。最適な医療を患者の元に届けることを目指し、現在は全力で事業に注力。シードラウンドで約8000万円の調達に成功。
大森美紀(おおもり・みき) 氏
株式会社Nocnum 代表取締役CEO
茨城県出身、愛知県在住。「世界から未処理排水をなくす」をミッションとして2021年11月にチームを結成。2022年5月にはJapan Business Model Competitionで優勝し、同年9月には日本代表としてシンガポールで開催されたAsia Business Model Competitionに出場するなど、グローバルな展開を見据えた活動中。同年11月に株式会社Nocnumを設立し、オンサイト排水処理設備の遠隔監視IoTセンサーの実用化に向けて事業を本格始動。技術革新と社会的な価値創造の追及により、未処理排水の問題解決に取組み中。
▼モデレーター
河合将樹(かわい・まさき)
株式会社UNERI 代表取締役CEO
1995年愛知県出身。大学在学中、イギリス留学を経て、世界11ヵ国240人と共同生活をする内閣府事業に参加し、2020年に株式会社UNERIを創業。名古屋市スタートアップ支援室主催事業の運営に1期目から携わり、これまでにインキュベーション拠点に890回訪問し、VCと起業家約250組の投資機会、4組3.6億円の資金調達の創出など、東海エリアのエコシステム拡大に寄与。 2021年にはインパクトリターン100%の総額120万円の資金提供とIMMを開始。ヤングダボス会議One Young World日本代表選出。
【担当コーディネーター 河合将樹のコメント】 |
名古屋大学卒の学生起業家で、IPOをされ、キャピタルゲインを元に財団を設立し、日本に新しい資金循環をつくる未踏の試みに挑む久田さんをお迎え出来る事を、名古屋で創業した1人の起業家として大変嬉しく思っております。
「インパクト投資はムーブメントを越え、スタンダードになる」時代の足音を感じています。昨今、“スタートアップかソーシャルか?”というように、両者を隔絶して語る人が多数派の時代ですが、徐々に互いの境界線を越え、融合する時代に突入しているように感じます。
全ての社会課題が儲かる訳でも、ビジネスで解決される訳でもありません。そして、インパクト投資は魔法の杖ではなく、あくまで「金融業」です。あえてIPOしたくない起業家、VC投資のスコープからはこぼれ落ちる起業家なども存在しています。
そうした「市場の穴を補完し、資金の呼び水になる」解決策の1つが「フィランソロピー」だと思っています。本イベントを通じて、久田さんやSoilの存在を、1人でも多くの起業家・スタートアップエコシステムの関係者の皆様に知っていただく機会になれば幸いです。
【運営情報】 |
▼主催情報
名古屋市経済局 スタートアップ支援室
TEL : 052-972-3046 / FAX : 052-972-4135
名古屋スタートアップ推進ポータルサイト
▼運営事務局情報
・NAGOYA INNOVATION GATEWAY運営事務局:株式会社UNERI
(担当コーディネーター:株式会社UNERI 代表取締役CEO 河合将樹)
・NAGOYA INNOVATION GATEWAY Webページ
【本リリースに関するお問い合わせ先】 |
NAGOYA INNOVATION GATEWAY運営事務局:株式会社UNERI
メール :info@uneri.co.jp