再生医療関連事業を行うセルソース株式会社(本社所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長 CEO:裙本 理人、以下「当社」)は、本日開催の取締役会にて、医療機関さまにて採卵・凍結された卵子の長期保管を当社が受託する卵子凍結保管受託サービス(以下、「セルソース卵子凍結バンクサービス」)の開始について決議いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
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1.事業開始の趣旨
当社は、再生医療等に用いられる自家血液由来サイトカイン「PFC-FD™」、自家脂肪幹細胞、自家滑膜幹細胞の加工を医療機関さまから受託するサービスを行っています。整形外科、形成外科領域を中心にサービスを展開しておりましたが、2020年から産科婦人科領域での事業開始を決定し、不妊治療を目的とした血液由来加工受託サービスの開始、学術機関との卵巣機能不全の改善に関する共同研究の実施など、同領域における生殖補助医療に関わる分野に取り組んでまいりました。現在、事業を通じて230院以上の産科婦人科の医療機関さまと提携しています。
これらの取り組みを進めるなかで、将来の妊娠を見据えた選択肢への需要が見込まれたことや、少子化社会対策の一環として行政からの支援が本格化していくことなどの社会的背景を踏まえ、この度、凍結された受精前の卵子の保管を医療機関さまから受託するサービスの開始を決定いたしました。
なお、当社は、脂肪組織を医療機関さまから預かり最適な環境下で長期間の凍結保管を行うFatBankサービスを提供しております。同サービス運用で培ってきた知見や技術をいかし、セルソース卵子凍結バンクサービスにおいても、提携医療機関さまと連携して安全かつ適切なサービス提供を実施してまいります。
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2.新たな事業の概要
(1)新たな事業の内容
本事業は、将来の妊娠を見据えて、凍結された受精前の卵子を保管することを目的としております。セルソース卵子凍結バンクサービスは、産科婦人科の医療機関さまが採取し凍結した卵子を預かり、最適な環境下で長期間の保管を行うサービスです。
(2)卵子凍結についての参考情報
卵子凍結とは、受精前の卵子を凍結する技術です。卵子凍結には病気に罹患されている女性がその病気や病気の治療に起因する妊孕性(妊娠する力)低下を懸念して受精前の卵子の凍結を行うメディカル卵子凍結(医学的適応)と、病気に起因した妊孕性低下の懸念がない女性が、将来の妊娠を見据えて受精前の卵子を凍結するノンメディカル卵子凍結(社会的適応)があります。これらの卵子凍結は、女性の妊孕性を維持する有用な手段とされています。
日本受精着床学会のアンケート実施結果の報告によると、2021年に日本で実施されたメディカル卵子凍結実施数は349件、ノンメディカル卵子凍結実施数は1,398件でした。ノンメディカル卵子凍結に関してもニーズが顕在化し始めており、今後、一層の拡大が見込まれます。
参考:一般社団法人 日本受精着床学会「日本受精着床学会会員の皆様へ(卵子凍結に関するアンケート調査に関しまして)」http://www.jsfi.jp/information/info_221208.html
(3)当該事業を担当する部門
再生医療本部
(4)当該事業の開始のために特別に支出する金額及び内容
当社既存設備で実施予定のため、特別な支出予定はありません。開示すべき事項が生じた場合は、速やかにお知らせいたします。
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3.日 程
(1) 取締役会決議日:2023年9月13日
(2)事業開始期日:2023年11月(予定)
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4.今後の見通し
本件による2023年10月期への当社業績に与える影響は軽微です。また来期以降の業績に与える影響は精査中であり、開示すべき事項が発生した場合には速やかにお知らせいたします。
以上