このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
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イベント概要
・開催概要:岡山の海「瀬戸内海」の魅力とともに、「瀬戸内海」を守るために行われている里海づくり・里山づくりなどについてフィールドワークを通して学ぶイベント
・日程:2023年7月24日(月)~29日(土)
・開催場所:岡山市中央卸売市場(岡山市)、王子ヶ岳(玉野市・倉敷市)、渚の交番ひなせうみラボ(備前市)、三国地区(備前市)ほか
・参加人数:小学5・6年生 23名
・協力団体:岡山水産物流通促進協議会、NPO法人里海づくり研究会議、一般社団法人みんなでびぜん、小倉商店、長谷井商店、岡山水産物仲卸協同組合
・後援:岡山県教育委員会、岡山市教育委員会、備前市教育委員会、山陽新聞社
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瀬戸内海を将来「砂漠」にしないために子どもたちが立ち上がる!
様々な種類の魚がとれる豊かな岡山の海「瀬戸内海」は、一見豊かな海に見えますが、漁獲量は年々減少しています。今のままだと将来は、生き物が暮らすのが難しい海、まさに「砂漠の海」になってしまうかもしれません。自分たちの海、瀬戸内海を「砂漠」にしないために自分たちに何ができるか。岡山県内の小学5・6年生23人が「岡山の海の恵み守り隊」として立ち上がりました。
イベントでは、瀬戸内海の海の恵みについて学ぶとともに、海の環境が悪化している原因や、海を守るための活動についてフィールドワークを通して学びました。
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1日目は市場で瀬戸内海産の魚「前浜もの」を調査!
岡山市中卸売市場で「岡山の海の恵み守り隊」の結成式を行い、3日間一緒に学ぶ仲間たちと共に活動を開始しました。
岡山市中卸売市場では、仲卸の店舗を見学して回りました。3グループに分かれて、「前浜もの」(瀬戸内海産の魚介類)をいくつ探せるかのフィールドワークです。それぞれのグループには、岡山水産物流通促進協議会の森下倫年会長ら魚のスペシャリストを配置。子どもたちは、学習ノートに書き込みながら、「この魚は何ていう魚?」「どんな味がするの?」「瀬戸内海でとれる魚多いな」と仲卸の店舗を賑やかに見て回りました。
その後、仲卸業者の一つ小倉商店にて実際にその日に揚がった「スズキ」を目の前でさばいてもらい、さばきたてのいわゆる「生きた魚」の試食もしました。子どもたちは、「もちもちしていておいしい」「さばきたてだとこんなに弾力があるんだ」「新鮮だとこんな味なんだ」など思い思いの感想を言いながら食べ、魚のおいしさとともに、命についてや、食卓に並ぶまでに関わる人々の多さにも目を向けている姿が印象的でした。
瀬戸内海の豊かさ、魚のおいしさを知った後は、ミニ講義「瀬戸内海が畑から砂漠に」を実施し、子どもたちは、一見豊かに見える瀬戸内海が、地球温暖化による海水温の上昇や、貧栄養価、海の底の環境悪化など様々な問題を抱えていることを学ぶとともに、瀬戸内海の恵みを守るためには、それらを食い止める活動をしていく必要があることを知りました。
1日目の活動の最後は、参加者全員で瀬戸内海を一望できる王子が岳に登り、一面に広がる美しい瀬戸内海を見渡すことで、景観も含めて豊かな海であることを再認識しているようでした。
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2日目は里海・里山を学ぶ体験学習!
2日目は、豊かな海を守っていくために必要な取り組みについて体験学習を行いました。
備前市日生の「ひなせうみラボ」に集合した子どもたちは、ミニ講座で全国に先駆けて「里海づくり」に取り組んできた日生町漁協のことについて学びました。講師に日生町漁業協同組合の天倉辰己専務理事を招き、海のゆりかごと呼ばれる「アマモ場」の再生活動や、「アマモ場」がなぜ大切かについて学びました。
ミニ講義の後は、漁船で海へ繰り出しました。「漁船に乗るの初めて」「風が気持ちいい」「陸から見る海と全然違う」、普段中々できない体験に、子どもたちのテンションは最高潮。天候にも恵まれ、澄んだ海では、船の上から実際にアマモ場を観察することができ、アマモが光合成で酸素をはいている様子や、アマモ場で生息している魚たちも観察することができました。
ひなせうみラボに戻ってからは、NPO法人里海づくり研究会議の田中丈裕事務局長に、アマモを苗まで育てるアマモポットの作り方を教えてもらいました。この体験を通して、「自分たちも何か里海づくりに役立つ」という思いを持ってくれたと思います。
海での体験の後は、備前市吉永町三国地区に移動し、里山づくりを学ぶフィールドワークとミニ講座を行いました。三国地区のスタッフを講師として招き、実際に里山で、虫や微生物がいる落ち葉や腐葉土などを観察し、それらが海に流れて栄養分となっていること学びました。海と山のつながりを知り、瀬戸内海を砂漠にしないためには、海だけでなく山にも正しく手を加えることが大切だと学びました。
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3日目は学びの集大成!学びのまとめ&発表とオリジナル弁当開発
3日目は「ひなせうみラボ」でのまとめ活動です。グループに分かれ、2日間の体験学習を通して学んだことをまとめました。アドバイザーとして来てくれたNPO法人里海づくり研究会議の田中丈裕事務局長をつかまえて、「魚を食べない方が豊かな海になるんじゃないの?」「海の底の環境を整える貝などの生き物は何で減ったの?」など、学びの中で感じた素朴な疑問をぶつけていました。
6つのグループがそれぞれ作るレポートも無事完成。みんなの前で発表し、「海山川のつながり」や、「海だけではなく山にも正しく手を加えることの大切さ」、「海の環境が悪くなる原因とその対策」などのほか、「自分たちにできることは何か」を自分たちの言葉で発表しました。どのグループも「今回学んだことを家族や友だちなど多くの人に伝えていきたい」と話していたのが印象的でした。
最後に、学びの集大成としてイベントオリジナル商品「岡山前浜もん弁当」の販売に向けた商品開発ワークショップを行いました。商品を販売する長谷井商店に協力していただき、オリジナル弁当に入れるお魚惣菜総選挙を行いました。「サワラの塩焼き」や「ハモのかば焼き」等、瀬戸内海産の魚を使った5種類のお惣菜を試食し、その中から美味しいと思った惣菜に投票。上位3つの惣菜がお弁当のおかずに決定しました。
その後、お弁当のパッケージにプリントするイラスト作成を行いました。イラスト作成の講師は、県水産課のパンフレッドなどの、数々の魚のイラストを手がける山陽新聞社の山崎晋介氏が担当。子どもたちは自分の好きな魚のイラストを、山崎氏のアドバイスの下、のびのびと描いていきました。
市場で見た魚や、アマモ場で発見した魚、おいしい魚等、今回の体験を通して学んだ魚たちを描き、23枚の素敵なイラストが完成しました。子どもたちの学びや想いが詰まった「岡山前浜もん弁当」は、10月10日(トトの日)に合わせて発売予定で、岡山市内の長谷井商店店舗「はせいのおそうざい惣」等で販売される予定です。
子どもたちは、3日間の活動を通して多くのことを学びました。「瀬戸内海」は自分たちの海だという意識が芽生えたこと、そして、その海を守るために何をしているかを知っただけでなく、自分たちに何ができるかを考えるようになりました。「友だちや家族を誘ってボラティアに参加する」「瀬戸内海の魅力や問題を友だちに伝える」「岡山の魚を意識して食べてみる」「温暖化対策をしてみる」…。これから先、「岡山の海の恵み守り隊」の子どもたちのアクションが、大きく広がっていくことを期待します。
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参加者からの声
(参加した子どもたちの声)
・海のことは、海だけだと思っていたけど、今回の体験で、山も大切なことが分かった。
・岡山の魚に今まで以上に興味を持つようになった。おいしい瀬戸内海の魚を守っていくために、海を守るために自分たちができることをしていきたい。
・今回学んだことは、周りの人たちが知らないことが多いと思う。海でこんなことが起きていると伝えていきたい。
・岡山の魚をしっかり食べることが漁師さんを増やすことにつながる。漁師さんが増えれば、海を守る活動も活発になると思う。
(講師の声)
・学校の先生も知らないようなことまで理解してくれて驚いた。どんどん質問してくれてうれしかった。
・イベントに参加した時と、終わった後で、海への興味がまったく変わっているのが分かって、たのもしく感じた。
<団体概要>
団体名称:一般社団法人海と日本プロジェクトin岡山
URL:https://okayama.uminohi.jp/
活動内容:『海と日本PROJECT in 岡山』では、美しい岡山の海を次世代につなぐことを目的に、海についての理解を深めるイベントや、海に造詣が深いキーマンのメッセージなどをRSKのテレビ・ラジオ番組で紹介するほか、独自のイベントを企画・運営し、「岡山の海」の魅力を広く県民に発信していきます。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。