アストラゼネカ、京都市・京都大学と実施した、肺がんの早期診断・早期治療の実態を明らかにする共同研究結果を発表

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アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:堀井 貴史、以下、アストラゼネカ)と京都市(京都市、京都市長:門川 大作、以下、京都市)は、京都大学およびヘルステック研究所と共同実施している、京都市におけるがん検診受診率や肺がん患者さんの治療パターン、予後などに関する行政医療データを解析・調査するための共同研究(以下、本共同研究)の結果を発表しました。なお、この結果は2023年4月21日付けでThoracic Cancer( https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1759-7714.14900 )に掲載されています(1)。

本共同研究は、肺がん領域における京都市民の健康増進や更なる医療の質向上を目指すべく、2021年5月に京都市と合意した覚書( https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2021/2021052801.html )に基づくものです。この度、京都市が保有する統合データ(国民健康保険及び後期高齢者医療制度加入者の医療レセプト、健診結果、介護認定情報、介護レセプト等を統合したデータベース)を用い、2013から2018年度に京都市で肺がんと診断され、治療を受けた患者のうち、2年以上の観察期間を有する2,609名を対象に、初発の非小細胞肺がん患者において、初回治療が手術療法であったグループ(手術群)と、それ以外の治療(非手術群:薬物療法もしくは放射線療法)に分け、患者の背景、生存期間、初回治療後の総医療費について解析・調査を行いました。

研究対象患者2,609名のうち、手術群は1,035名、非手術群は1,574名でした。非手術群は、手術群と比べて高齢であり、男性の割合が高く、介護度も高い傾向がありました。また、5年後における生存率は、手術群で75%に対し、非手術群は25%未満でした。生存期間に応じた総医療費では治療後6ヶ月の時点では、手術群の中央値2,409千円(四分位範囲 2,064 – 3,224)に対し、非手術群の中央値2,951千円(1,600 – 4,706)でした。その後、生存期間が延びるにつれて、手術群、非手術群ともに総医療費は増加傾向であり、4年後までの総医療費では、手術群の中央値5,257千円に対し、非手術群の中央値10,202千円でした。

本研究の結果、早期発見・早期治療が生存の観点からも医療費の観点からも重要であり、改めて早期発見と早期治療の重要性を理解する上で重要なデータが示されました。

アストラゼネカの執行役員でありメディカル本部長の田中 倫夫は、次のように述べています。「アストラゼネカでは『患者さんを第一に考える』を企業バリューのひとつとして肺がんの早期診断に取り組んでいます。今回の調査結果から、早期発見により手術を受けることができた患者さんにおいては、術後の経過が良好であり、総医療費においても負担が少ないことが示されました。今回の結果に加えて今後の更なる解析により、肺がんの早期発見・早期治療に寄与することで医療に関連するさまざまな課題解決に貢献できると期待しています。引き続き、本共同研究を通じた産学公の連携により、京都市民の皆さまの健康増進の一助となれるよう努めてまいります」。

京都市の京都市長 門川 大作氏は、次のようにコメントしています。「日本人の死因トップとなる「がん」の中でも、死亡者数が最も多い肺がん。その早期発見・早期治療の大切さが、本市の有するデータによって改めて明らかになりました。本研究成果は、京都の強みでもある産学公連携の賜物。アストラゼネカ株式会社はじめ関係者の皆様に、心から感謝申し上げます」。

京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 予防医療学分野の石見 拓教授は次のようにコメントしています。「自治体の持つビッグデータに含まれる価値を十分に引き出し、社会へ還元するためには、今回のような産官学民連携した取り組みが不可欠であり、こうした取り組みを継続できる体制の構築を目指しています」。

本共同研究においては、既に京都市との間で研究期間の延長が合意されており、同市における肺がん検診の受診率や治療パターン、予後など行政医療データをさらに詳しく解析・調査してその結果を発表していく予定です。

以上

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京都市との共同研究について

京都市民の健康増進や医療の質の向上を実現するために、肺がんの早期発見・早期治療に弊害となる課題を見つけ、その課題を解決するための政策立案や行政執行を行うことを目的として、同市におけるがん検診受診率や肺がん患者さんの治療パターン、予後など行政医療データを解析・調査するための共同研究です。2021年5月にアストラゼネカと同市とで本共同研究に関する覚書に合意しており、京都市が京都大学とともに進める肺がんや生活習慣病に関わる共同研究に基づき、同市が推進する産学公の連携による医療、介護等統合データ解析事業の一環として実施します。

肺がんについて

肺がんは、男女共にがん死亡の主な原因であり、がん死亡の約5分の1を占めています(2)。日本では、2020年には推計129,900人が肺がんと診断され、肺がんによる死亡は推計75,500人にのぼりました(3)。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて

アストラゼネカは、疾患の早期発見と早期治療を通じて、肺がん患者さんを根治に導く治療を提供するとともに、治療耐性や病勢進行した状況においても効果が期待できる治療法を追求すべくサイエンスの限界に挑戦し続けていきます。また、新たな治療ターゲットを定義し、革新的なアプローチを研究することで、患者さんにとって最も高い治療効果が期待できる医薬品を特定し、提供していくことを目指しています。

アストラゼネカはLung Ambition Alliance(LAA)の創設メンバーであり、LAAは、イノベーションを促進し、肺がん患者さんの治療を含め、治療を超えた人々に意味のある改善を提供するために取り組んでいます。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について

アストラゼネカは、あらゆる種類のがんに対して治療法を提供するという高い目標を掲げ、がんとその発見にいたるまでの複雑さを科学に基づいて理解し、患者さんの人生を変革する医薬品の開発および提供を通じて、オンコロジー領域の変革をけん引していきます。

アストラゼネカは治療困難ながん種に注力しています。当社は持続的なイノベーションにより、医療活動および患者さんの医療経験を一変させる可能性のある、製薬業界でもっとも多様なポートフォリオと開発パイプラインを構築しています。

アストラゼネカはがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて

アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、希少疾患、循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオ・医薬品において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca( https://twitter.com/AstraZeneca )(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫疾患およびワクチン・免疫療法を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。アストラゼネカ株式会社については https://www.astrazeneca.co.jp/ をご覧ください。フェイスブックAstraZeneca.Japan( https://www.facebook.com/AstraZeneca.Japan/ )と インスタグラムAstraZeneca / アストラゼネカ( https://www.instagram.com/astrazenecajapan/ )もフォローしてご覧ください。

References

1. Shimamoto, Tomonari et al. Survival and medical costs of non-small cell lung cancer patients according to the first-line treatment: An observational study using the Kyoto City Integrated Database. Available at https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1759-7714.14900 . Accessed May 2023.

2. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Lung Fact Sheet. Available at https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/cancers/15-Lung-fact-sheet.pdf . Accessed May 2023.

3. 公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計’21」 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/12_lung.html#anchor1 . (2023年5月アクセス時)

【プレスリリースはこちらのPDF版でもご覧になれます。 】  

https://prtimes.jp/a/?f=d24308-444-f249ffc90f73b50cab381656e19515c2.pdf

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