YCは、シリコンバレーを拠点に創業初期のスタートアップに対してアクセラレータープログラムを提供しており、2005年の設立以来、AirbnbやDropbox、Stripe等を輩出しています。応募総数に対するDemo Dayへの参加率は約2%を切る狭き門となっており、有望なスタートアップと早い段階で出会う機会として、DGDVはYCが開催するDemo Dayに毎回招待参加しています。
この度、DGDVから投資した3社(Buildt、Gloo、Iliad)は、生成AI関連のスタートアップであり、それぞれプログラミング、企業におけるLLM活用、3Dコンテンツ制作、に対して革新的なソリューションを提供しています。
下記が3社の詳細となります。
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Buildt(米国)
事業概要:
開発環境におけるコードのセマンティック検索及び文脈解説等を可能とするLLMを用いたAIツールを提供。エンジニアは数百万行のコードベースを扱うが、LLMを搭載したBuildtのツールを利用することで即座にコード生成が可能となる。
起業家:
Alistair Pullen
エクセター大学でコンピュータサイエンスを専攻。LLMとEmbeddingsの専門性を持つフルスタックソフトウェアエンジニア。YC S20に参加したFancyでExitを経験。
URL:
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Gloo(米国)
事業概要:
LLMを利用したサービスにおけるハルシネーション対策サービスを提供。ユーザーが保有するデータを踏まえた出力結果の生成及び出力結果のハルシネーション分析が可能となる。
起業家:
Vaibhav Gupta
テキサス大学オースティン校でコンピュータサイエンス&電子工学を専攻。卒業後、MicrosoftにてHoloLensのリアルタイム3D再構成、GoogleでARCoreとFace IDのパフォーマンス最適化に従事した後にGlooを創業。
Aaron Villalpando Gonzalez
テキサス大学オースティン校でコンピュータサイエンスを専攻。卒業後、AWSで分散システムのスケールアウト、Prime Videoでフルスタックの消費者向け製品の立ち上げに従事した後にGlooを創業。
URL:
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Iliad(米国)
事業概要:
Mid-generation editing (画像生成途中での色・質感等の編集)を可能にする Text to image/画像生成プラットフォームを提供。クリエイターは、生成されたイメージを30段階に分割することで、イメージに近いクリエイティブの生成が可能となる。
起業家:
Matthew Turnshek
11歳でコーディング、ゲーム制作を開始し、2017年にカーネギーメロン大学でコンピューターサイエンス、音楽を専攻。卒業後、ロボット遠隔操作プラットフォームの会社を起業し、売却。GAN、 Diffusion model、 LLMを専門とするフルスタックエンジニア。
URL:
以上が、DGDVからYC W23にて投資した3社となります。
また、過去に投資したY Combinator発企業は以下の通りです。
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過去に投資したYC発企業
・Genomelink, Inc. (米国)
遺伝子情報を基にした各種サービス提供を行うプラットフォームの運営。YC S21前からDGDVから投資。
・Qunatstamp.Inc.(米国)
ブロックチェーンを用いた開発プロジェクトの監査ソリューション(コンサルティング、監査のSaaSツール)。
YC W18後にDGDVから投資。
・One Global Medical Technology Ltd(サービス名:Helium Health・ナイジェリア)
アフリカの病院DXプラットフォーム。患者向けファイナンスサービスも提供。YC S17後にDGDVから投資。
・Mentorcam, Inc.(米国)
著名人から、個人ユーザーに向けた2分のVideo メッセージを受け取れるメンタリングサービスを提供。YC S21にてDGDVから投資。
・Talentdrop, Inc.(米国)
報奨金を伴うリクルートメントのオープンプラットフォームを提供。YC S21にてDGDVから投資。
・Turion Space Corp.(米国)
スペースデブリ(宇宙ごみ)除去サービスの開発。YC S21にてDGDVから投資。
・Karbon United Pte. Ltd.(インド)
インドのスタートアップ・中小企業向けコーポレートクレジットカードを展開。YC S21にてDGDVから投資。
・RealStake Pte. Ltd(サービス名:Infina・ベトナム)
様々なアセットを取引するベトナムのデジタル証券ブローカー。YC S21にてDGDVから投資。
・Deed(米国)
企業向けにボランティア・寄付の案件カタログ・応募ツールをAPI提供。YC S21にてDGDVから投資。
・Intellect Company Pte. Ltd.(シンガポール)
アジアで従業員向け遠隔ヘルスケアサービスを提供。YC S21にてDGDVから投資。
・Sama Lifesciences, Inc.(サービス名:Kindly・インド)
不妊治療のホームテスティングキット提供。YC W22にてDGDVから投資。
・Lenco Technologies Inc.(ナイジェリア)
アフリカにおいて、SMB向けデジタルバンクを提供。YC W22にてDGDVから投資。
・Placid Inc.(サービス名:Gauss Money・米国)
複数のクレジットカードの支払い最適化&低利ローンへの借り換え。YC W22にてDGDVから投資。
・CasheApp Inc.(サービス名:Wantd・米国)
独自のアルゴリズム分析を用い、SneakerEC各社のアグリゲーター兼自社ECを展開。YC W22にてDGDVから投資。
・SAFFRON TECHNOLOGIES PTE LTD.(サービス名:GoSats・インド)
GoSatsのカード/モバイルペイメントアプリで決済すると Bitcoin でリワードがもらえるプラットフォームを提供。YC W22にてDGDVから投資。
・Rank Capital, Inc.(サービス名:Moni・ナイジェリア)
ナイジェリアのSME コミュニティバンク。YC W22にてDGDVから投資。
・LuminaTech Pte. Ltd.(インドネシア)
ブルーカラーワーカー向けのLinkedIn。YC W22にてDGDVから投資。
・IndeitCorp(サービス名:brandazine・韓国)
クリエイター向けアパレルのレンタルプラットフォームを提供。YC W22にてDGDVから投資。
・Cookdash Inc(サービス名:Forward Kitchens・米国)
SMBレストラン向けに、Virtual Restaurantシステムデリバリーアプリのアグリゲーター、メニューコンサル提供。YC S22にてDGDVから投資。
・TRENDEX Inc.(フランス)
スポーツ選手・歌手・インフルエンサーへ投資可能なプラットフォームを提供。YC S22にてDGDVから投資。
・Urban Pet, Inc.(サービス名:Dr.Treat・米国)
ペットに対するデジタルケアの提供アプリと診断・処方などの医療サービスをワンストップで提供。
YC S22にてDGDVから投資。
・Knowtex Inc.(米国)
医師のアドミ業務DX Solutionの提供。YC S22にてDGDVから投資。
なお、DGDVとグループ会社である株式会社デジタルガレージは2023年6月8日(木)に「Gen AIが創造する新しいグローバルコミュニティ」をテーマに「THE NEW CONTEXT CONFERENCE TOKYO 2023 Summer」を開催いたします。
詳細はhttps://www.garage.co.jp/ja/pr/release/2023/05/20230516/をご覧ください。
■DG Daiwa Venturesについて
社名:株式会社DG Daiwa Ventures
住所:東京都千代田区丸の内一丁目9番1号
設立:2016年7月1日
代表:代表取締役 大熊将人、阿部東洋
概要:次世代技術を有するスタートアップ企業への投資及び事業育成支援を目的に、デジタルガレージと大和証券グループが合弁で設立したベンチャーキャピタルです。これまで2つのファンドで累計約200億円を運用し、デジタルガレージが持つ投資ネットワーク・インキュベーション能力と、大和証券グループが持つファンド運営ノウハウを掛け合わせることで、投資先の事業成長を加速いたします。
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