「国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日(多様な性にYESの日)」として、LGBTQ+に対するあらゆる差別に反対し、人権に対する意識を世界的に高める日である当日、厚生労働省にて発足に関する公式記者会見を実施しました。
日本国内のLGBTQ+等の性的マイノリティの権利保護に関する議論が活発化する中、結婚の平等を巡っては、既に国民の半数以上が賛同しているという結果が各種世論調査から判明しています。しかし、同性婚によって「社会が変わってしまう」と岸田首相が発言するなど、国会においての議論は進んでいません。
他方で、日本各地には数多くの当事者支援団体やサポート施設、賛同する個人や企業がある中、全国を横断した組織・プロジェクトはなく、賛同者はもちろん、これまで関心のなかった方が気軽に同性婚について学んだり参加できる機会も多くはありませんでした。
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全国の企業・教育機関など地域とセクターを越えて連携。
市民の理解・参加を促進するプロジェクトを発足
これまでMFAJは、日本における法律上同性同士のカップルも結婚ができる社会を目指して、結婚の平等を求める全国の訴訟の広報支援や各種調査研究、婚姻平等マリフォー法案の発表、当事者や専門家と共に行うセミナー開催の他、法整備を担う国会議員の方々に理解を広げる活動を展開してきました。また、他2団体とともに、企業が結婚の平等に賛同するキャンペーン「Business For Marriage Equality」の立ち上げ、運営も行なっています。
この度、日本社会全体のさらなる理解促進・機運向上に向けて、地域・セクターの枠を越えた全国横断アクション・キャンペーン「結婚の平等にYES!〜YES!FOR MARRIAGE EQUALITY」を発足しました。本キャンペーンでは、日本全国でLGBTQ+に関する活動を行う団体や個人、企業・教育機関などと連携して、勉強会やイベント、発信・交流の機会創出を目指します。
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まずは、全国10エリアで地域実行委員会が組成。市民の理解促進・意思表明に繋がる機会を創出。
世界的にLGBTQ+に対するあらゆる差別に反対し、人権に対する意識を世界的に高める日IDAHOBIT(International Day Against Homophobia, Biphobia and Transphobia:国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日(多様な性にYESの日))である2023年5月17日時点において、全国10エリア(北海道・宮城・石川・神奈川・東京・愛知・大阪・広島・福岡・沖縄)で地域実行委員会が組成されました。結婚の平等が実現するまで、活動を継続し、全国におけるエリアや参画いただく団体・個人・企業・教育機関の輪も、広げていく予定です。
今後は、既に「結婚の平等」に賛成している方だけでなく、その必要性について関心がなかった方や、賛成でも反対でもないという方も含めて、様々な市民が気軽に参加し理解を広げ、賛成の意思を表明できるような機会作りなど、様々なアクションを企画・推進していきます。
<団体>
公益社団法人Marriage For All Japan –結婚の自由をすべての人に(結婚の平等にYES! 事務局)
共同代表 寺原 真希子 理事 松中 権
①(北海道)さっぽろレインボープライド( 会見参加: 実行委員長 柳谷 由美 氏)
②(宮城)にじいろCANVAS(会見参加: 共同代表 小浜 耕治 氏)
③(石川)金沢レインボープライド(会見参加:共同代表 Diana Hoon(ダイアナ・フーン) 氏)
④(神奈川)レインボー逗子(会見不参加)⑤(東京)プライドハウス東京(会見参加:共同代表 五十嵐ゆり氏)
⑥(愛知)名古屋レインボープライド(会見参加: 共同代表 Lyra-h Grail(ライラ・グレイル) 氏)
⑦(大阪)虹色ダイバーシティ(会見参加: 事務局長 有田 伸也 氏)
⑧(広島)広島県セクシュアル・マイノリティ協会(会見不参加)⑨(福岡)カラフルチェンジラボ(会見参加:FRENS 代表小野 アンリ氏)
⑩(沖縄)てぃーだあみ(会見不参加)
※各地実行委員会に現時点で参画する団体となります。今後、各地実行委員会は参画する団体・個人・企業・教育機関などの輪を広げていく予定です。また、10地域からも拡大していく可能性もあります。 |
<企業>
日本コカ・コーラ株式会社 人事本部長
Patrick Jordan(パトリック・ジョーダン)氏
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「結婚の平等にYES!〜YES!FOR MARRIAGE EQUALITY」の発足会見を実施
会見当日は、MFAJ共同代表の寺原より、G7含めた日本国内のLGBTQ+に関連する直近の動向を説明した他、理事・松中より「様々な問題と同様にSNSや報道で反対の声は目立ち、拡散もされやすい一方で、応援・賛同する声は社会の中で可視化がされにくい。このキャンペーンを通じて、日本全国の皆さまと一緒に行動して、賛同の輪を広げていきたい」と、発足の経緯を話しました。
また、第一社目の賛同企業となった日本コカ・コーラ株式会社からは、パトリック・ジョーダン人事本部長が出席。当事者が法的に結婚できる海外と日本の国内状況との差を説明した他、コカ・コーラ社が約2万人の関連会社の従業員に対して、同性パートナーを法的婚姻関係にある配偶者と同等に扱う社内制度ついて紹介。今後も、日本全体でLGBTQ+コミュニティへの意識を高めていく活動を進めたいと発言がありました。
実行委員会の団体・当事者からも、以下のコメントがありました。
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”これまでずっと、『NO』の声だけを聞き続けてきました。初めて誰かにYESと言われるまでは、「好きな人と結婚できないことは、おかしいんだ」と思うことすらできなかった。子どもたちにそうなって欲しくない。一緒に『YES』の声を届けてほしい。”
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多様性を象徴する”プログレスカラー”を採用
キャンペーンのロゴには、より多様性を包含するシンボルとして海外で浸透している「プログレス・プライドフラッグ」と同じレインボーカラーを採用しました。6色のレインボーに加え、トランスジェンダーカラーのピンクと水色、性別移行中の方や男女二元論に当てはまらない方を包摂する白に加えて、人種的マイノリティーを表す黒と茶の11色です。
2023年4月22~23日の2日間、東京都で開催された「東京レインボープライド2023」では、Marriage For All Japanのパレード行進にて「結婚の平等にYES!」のロゴが先行公開されました。YES!デザインに装飾されたフロート車に続き、全国から集まった当事者や支援者、政財界からの賛同者など、大勢の方がフラッグ・パネルを持ちながら行進しました。今後も結婚の平等(同性婚の法制化)実現に向けて、活動を進めてまいります。
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Marriage For All Japan(MFAJ)について
性のあり方に関わらず、誰もが結婚するかしないかを自由に選択できる社会の実現を目指して活動しています。2019年2月提起の「結婚の自由をすべての人に」訴訟の弁護団に所属する弁護士の一部と、社会課題の解決に取り組む様々な専門家等のプロフェッショナルによって、結婚の平等(同性婚の法制化)を実現させるために設立されました。「2人で一生を共に生きていきたい」と考えたとき、カップル双方が結婚したいと望めば結婚することができ、また、結婚という形をとらないことを望むならば結婚を強制されないということ。それが「結婚の自由」です。
「Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に」という法人名は、そのような結婚の自由(結婚という選択肢)が、異性カップルであるか同性カップルであるかにかかわらず、平等に用意されるべきであるという思いを表したものです。私達は、この「結婚の自由をすべての人に」訴訟をPRという形でサポートするほか、イベントやセミナー、メディア出演、調査研究、ロビイングなどを通じて、結婚の平等(同性婚の法制化)の実現を目指します。
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団体概要
◆名 称:公益社団法人 Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に
◆設 立: 2019年1月
◆代表理事:寺原真希子・三輪晃義
◆理 事:上杉崇子・加藤丈晴・前田信・松中権・柳沢正和