帝国データバンクは、上場する主要外食100社における「卵メニューの休止・休売」ついて調査を行った。
<調査結果(要旨)>
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「卵メニュー」中止、今なお3割 エッグショック 「割安メニュー」で影響続く
※調査対象は上場する外食主要100社。各社発表(店頭開示含む)に基づく。対象は、季節限定などを除いた各社定番メニューを主体とした
※対象期間:5月8日時点
※調査機関:帝国データバンク
鳥インフルエンザの感染拡大に伴う卵の供給不足や価格高騰など、いわゆる「エッグショック」の影響が今なお続いている。上場する外食大手100社のうち、2023年に入って卵メニューの休止や休売に踏み切った、または表明した企業は、5月8日時点で少なくとも29社に上ることが分かった。前月からは新たに1社増えた。
卵メニュー提供の休止は、主にファミリーレストランを中心にリーズナブルなフランチャイズチェーン等に集中している。一方で、鶏卵メニューへの依存度が低い居酒屋などの業態では提供が続いているほか、同じ業態でも鶏卵メニューの値下げや販売拡大に踏み切るケースもある。鶏卵の調達ルートや在庫量、業態によって「エッグショック」の影響は二極化の傾向がみられる。
JA全農たまごによれば、4月の鶏卵1kg(東京Mサイズ)の卸売価格は350円で、前年同月から139円値上がりするなど高止まりが続いた。足元では供給不足や価格高騰の長期化を前提にした代替メニュー開発の動きも広がるほか、加工用殻付き卵の輸入も始まっており、外食産業の「エッグショック」への抵抗力は高まっていくと考えられる。