【コロナ5類移行に伴う変化】
5月8日に新型コロナが5類に移行し、感染や濃厚接触した場合の自粛期間や療養期間、またマスク着用基準などを初め、感染者数の把握や医療費の自己負担など様々な変化があります。
働く社会人にとって日常の行動や意識、また今後感染した場合にどのような影響があるのでしょうか。また会社単位で5類移行に関連する対応にどのような変化があるのでしょうか。
そこでJob総研では、5類移行後の出社増減や会社からの方針通達有無、またコロナ禍前の日常に戻れるか否か、現在の新型コロナに対する警戒意識や、自身が感染や濃厚接触した場合の自粛意識や出社有無などについて調査した「コロナ5類移行に伴う意識調査」を実施しました。
【調査概要】 調査対象者 :全国 / 男女 / 20~50代 調査条件 :1年以内~10年以上勤務している社会人 20人~1000人以上規模の会社に所属 調査期間 :2023年4月19日~4月23日 有効回答数 :757人 調査方法 :インターネット調査 |
【TOPICS】 ・全体の46.4%がコロナ5類移行後の出社方針が通達されたと回答 48.6%が「出社が増える」と回答 ・全体の60.7%がコロナ5類移行後に「コロナ禍前の日常に戻せる」と回答 「戻せない」は39.3% ・コロナに対する警戒レベルは、61.4%が「一般的な風邪と同等以下」と認識 ・5類移行後にコロナに感染した場合の外出自粛意識は「症状に関係なく自粛しない」が50.6%で最多 ・全体の36.3%がコロナに感染した場合「推奨5日間より前に出社」と回答 「5日間自粛」は63.7% |
【5類移行後の出社方針】
5類移行後の出社方針について会社からの通達があるかを聞くと、「通達あり」が46.4%で「通達なし」が53.6%でした。また出社の増減では「出社が増える」が48.6%で最多回答になり、次いで「変わらない」が38.3%、「出社が減る」が13.1%の回答結果になりました。
【コロナ禍前の日常回帰について】
5類移行後にコロナ禍前の日常に戻れるかを聞くと、「戻れる」16.1%、「どちらかと言えば戻れる」44.6%を合算した60.7%が”戻れる派”の回答をしました。”戻れない派”39.3%の内訳は、「戻れない」が19.7%、「どちらかと言えば戻れない」が19.6%でした。
またコロナに対する現状の警戒レベルを聞くと、「一般的な風邪と同等」が36.5%で最多回答になり、次いで「インフルエンザと同等」が30.5%、「一般的な風邪以下」が14.3%、「全く気にしていない」が10.6%、「インフルエンザ以上」が8.1%の回答結果になりました。
【5類移行に感染した際の自粛意識】
5類移行後にコロナに感染した際の療養期間について、5日間の推奨が示されていることの認識度を聞くと、「認識している」33.4%。「どちらかというと認識している」25.6%を合算した59.0%が”認識している派”の回答をしました。また今後コロナに感染した際の外出自粛意識を聞くと、「症状に関係なく自粛はしない」が50.6%で最多回答になり、次いで「症状が軽ければ自粛しない」が24.3%、「症状が軽くなり次第外出する」が14.3%、「推奨通り5日間は自粛する」が10.8%の回答結果になりました。
※更に詳細な集計データは別紙の「コロナ5類移行に伴う意識調査 報告書」をご参照ください(※3)
【感染または濃厚接触した際の出社意識】
5類移行後に自身がコロナ感染した際の出社意識について聞くと、「推奨通り5日間は出社しない」が63.7%で最多回答になり、次いで「症状が軽くなり次第出社する」が18.6%、「症状が軽ければ休まず出社する」が11.2%、「症状に関係なく休まず出社する」が6.5%でした。また濃厚接触した際の出社意識では、「感染者の症状が軽くなり次第出社する」が46.2%で最多回答になり、次いで「自身に症状がなければ休まず出社する」が32.0%、「感染者の症状が軽ければ休まず出社する」が13.1%、「症状に関係なく休まず出社する」が8.7%でした。
【出社する理由】
自身がコロナに感染または濃厚接触した際に、5日間の自粛推奨期間を前に出社する理由として、全体的にコロナへの警戒意識が下がっていることと、人手不足や業務への責任から休めないといった意見が目立ち、感染しても出社しているケースはすでにあるといった回答もありました。
【職場でのマスク着用について】
職場でのマスク着用ルール(簡易的なガイドラインの周知を含む)の有無を聞くと、「着用ルールあり」が63.7%で最多回答になり、次いで「着用ルールなし」が22.7%、「有無を知らない」が13.6%の回答結果になりました。また職場全体(従業員全体)のマスク着用率については、「全員着用している」が33.9%で最多回答になり、次いで「8〜9割未満が着用している」が33.7%、「6〜7割未満が着用している」が18.2%、「半数が着用している」が8.2%、「半数以下」の回答は6.0%でした。
【回答者自由記述コメント】
コロナ5類移行後の出社とコロナへの意識変化についてのコメントが顕著でした
・勤務先で出社を増やす方針が出たけど、リモートの方が働き方としてはよかった ・出社頻度を増やす企業が多そうだけど、出社する際の移動コストが増えるだけ ・新たな働き方としてリモートが定着しつつあったので、出社への切り替えはしんどい ・暑くなると同時にマスクを外す人も増えると思うけどコロナへの警戒度は低い ・コロナへの警戒意識はほぼなく、風邪予防と同等しか意識していない ・5類はインフルエンザと同等扱いだけどもはや風邪と同等の意識になっている |
※更に詳細な集計データは別紙の「コロナ5類移行に伴う意識調査 報告書」をご参照ください(※3)
【調査まとめ】
今回実施した「コロナ5類移行に伴う意識調査」では、5類移行後の出社方針について4割強が会社から通達が出ている結果で、その方針として5割弱の回答者が「出社増」の回答をしています。コロナ禍に入り新たな働き方としてテレワークが一気に普及しましたが、コロナ5類移行に伴いリモートから出社に切り替える企業が多く、徐々にコロナ前の日常に戻す傾向が見られます。
そして5類移行と共に、6割が「コロナ前の日常に戻れる」と回答していることについては、コロナへの警戒意識レベル下がっていることが背景にあることが推測できます。その裏付けとして警戒意識レベルについての回答では6割が「一般的な風邪と同等以下」と回答し、現状の警戒意識レベルが大きく下がっていることからもわかります。そして今後コロナに感染した際の療養期間として5日間が推奨されますが、このことについては6割が認識しているものの、自身が感染した際には「症状に関係なく外出自粛しない」の回答が過半数を超え、推奨の5日間を前に「仕事に出社する」の回答も3割強と少なくない結果になりました。
さらに家庭内感染などの濃厚接触した際にも同様に3割が「自身に症状がなければ出社する」と回答しています。この理由として、コロナへの警戒意識が下がっていることに加え、職場での人手不足や業務への責任から休めないといった意見が目立ち、感染者が出社しているケースは少なからず存在していることも明らかになりました。
すでにマスクの着用は個人の判断になりましたが、現状着用率に大きな変化が見られないまま5類移行を迎えます。職場での着用に関するガイドラインについて6割が「ある」と回答し、その着用率は職場全体でも高い傾向にあることがわかります。個人判断とはいえ、社会には組織やグループなどの大小含めた集団意識があることから、現実的にマスク着用に限っては、個人判断とは別で組織判断なるものが存在していることもわかる回答結果になりました。
3年以上続いたコロナ禍も5月8日から緩和され、インフルエンザと同等レベルの5類に移行しますが、それと同時に、会社組織でもそれに歩調を合わせた通達がされていることから、今後はさらに出社の方針やマスクの着用基準などにも変化が出てくることが推測できる調査になりました。
ライボでは今後も就職・転職・働き方などに関連する様々な調査を実施し、リアルで透明度の高い情報を発信することで個が活躍する社会の実現を目指してまいります。
株式会社ライボ 経営企画室
広報グループ長 兼「Job総研室長」
堀 雅一(ほり まさかず)
2021年にJob総研を立ち上げ、その後”働く社会人や就活生”を中心に様々な観点から意識や行動などについて調査研究を実施。市場の現状と未来を分析し、社会へ発信することで働く社会人や就活生の選択機会に貢献する事を目的としている。
またJob総研の調査をもとに各大学で「キャリア設計」の授業を実施する他、多くのメディアでキャリアや働き方など社会との関連などを解説している
※取材についてのお問い合わせはプレスリリース最下部にある連絡先からお願いします
【(※3)コロナ5類移行に伴う意識調査 報告書】
報告書では同調査の属性やその他設問の回答結果をより詳細にご確認いただけます
【マスク個人判断後の意識調査はこちら】
報告書では同調査の属性やその他設問の回答結果をより詳細にご確認いただけます
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