・人工授精後28日以降及び分娩後70日以降の牛全血(EDTA処理済み)等が使用可能
・検体を滴下し、規定時間内にテストラインの有無を確認することで結果を判定
Alertys OnFarm 牛用妊娠検査キットは人工授精後28日以降及び分娩後70日以降の牛全血(EDTA処理済)等に含まれる妊娠関連糖タンパク(PAG)を検出することで、牛の妊娠(陽性)・空胎(陰性)を判定します。PAGとは牛の胎盤から分泌される物質で、妊娠/空胎を確認する「ものさし」として有用な物質です。
Alertys* シリーズについて
弊社ではPAGを検出する牛の妊娠検査を目的とした動物用体外診断用医薬品として、2018年より生乳を使用する「Alertys Milk Pregnancy エリーザキット」及び2021年より全血を使用する「Alertys RVPT 牛用妊娠検査キット」を販売してまいりました。
Alertys Milk Pregnancy エリーザキットは北海道を中心に国内で年間約30万検体分使用されていますが、機器等が必要なため検査機関に検体を送付し検査結果を入手するまでのタイムラグ(1日~1週間程度)が発生します。また、「Alertys RVPT 牛用妊娠検査キット」は特別な機器が不要ですが、多数検体を同時に検査することを想定しているため少数検体の場合効率的でないという面がありました。
この度販売を開始するAlertys OnFarm 牛用妊娠検査キットは1頭(1検体)に対し1キットを使用するため効率的に検査が行え、検査方法が簡単かつ検体滴下から約20分で結果を得ることができるため、空胎牛を発見した際の農場での意思決定を速やかに行うことができます。また、本製品は保管温度が2℃~30℃のため持ち運びがしやすく、農場現場で使いやすいキットとなっています。
*Alertys(アラーティーズ)はIDEXX Laboratories, Inc の登録商標です。
結果判定例
早期妊娠診断について
牛の妊娠検査は従来、直腸検査及び超音波検査によって行われてきました。どちらの検査も実施者の技量が求められ、直腸検査の場合多くは人工授精後40~50日頃、超音波検査の場合早ければ人工授精後25日頃から実施されています。
この度販売を開始する「Alertys OnFarm 牛用妊娠検査キット」を含むAlertysシリーズは人工授精後28日から使用できるため、超音波検査とほぼ同等の時期に実施者の技量によらない検査を実施することができるようになります。早期診断の結果空胎と判明した牛は、獣医師による処置を受け再度人工授精を行うことで空胎期間の短縮につなげることができます。
製品の概要
・対象畜種:牛
・使用検体:全血(EDTA処理済)、血漿(EDTA処理済)、血清
・製品性能*:感度:99.7% 特異度:98.1% (全血の場合)
・検査環境温度:15℃~30℃
・保管温度:2℃~30℃
・包装:1回使い切りパウチ(デバイス、洗浄液、ピペット入り)
*IDEXX Laboratories, Inc. 社内資料
アイデックス ラボラトリーズ 水・産業動物診断薬事業部長 逸見賢コメント
弊社では、農場で1頭1頭の妊娠検査に使用できる「Alertys OnFarm 牛用妊娠検査キット」をいよいよ2023年4月17日から販売開始いたします。従来より販売している2種類の妊娠検査キットに加え、この新製品を加えることで、農場における牛の妊娠検査に対する様々なニーズを満たすことができると考えています。
昨今の畜産・酪農を巡る厳しい情勢において、牛の妊娠検査による空胎の早期確認、その後の処置による空胎期間の短縮はますます重要性を増してきております。また、獣医療の遠隔診療が始まるなど、様々な新しい取り組みが始まる中、我々の検査キットが少しでもみなさまのお役に立てるよう引き続き全力で取り組んでまいります。
アイデックス ラボラトリーズ (IDEXX Laboratories) について
アイデックス ラボラトリーズ(IDEXX Laboratories, Inc.) は、家畜・家禽・ペットの診断検査および水・生乳の品質・安全性検査を提供する世界的リーダーです。米国メイン州に本社を置く IDEXX の雇用者数は10,000人以上であり、175か国以上の国の顧客に製品を提供しています。IDEXXに関する詳細については、https://www.idexx.co.jp/ja/ をご覧ください。