- 【「大震災でどんなことが起こるか」eラーニングへの入り方】
阪神淡路大震災取材映像アーカイブ「激震の記録1995」のトップページからお入り下さい。
https:// www.asahi.co.jp/hanshin_awaji-1995/
アーカイブおよび、eラーニングサイトは、非営利の防災啓発イベントや防災授業に無料でご活用いただけます。活用事例の収集や今後のサイト改善のために使用内容をご報告いただけましたら幸いです。
- 【機能追加の背景】
来たるべき大災害に備えて、防災教育の重要性が高まっています。しかし、本当に災害が起こったときの様子を、リアリティをもって学ぶことができる教材は必ずしも多くありません。弊社が公開している映像アーカイブ「激震の記録1995」は、戦後の我が国で起こった最大の都市直下型震災をつぶさに取材した「生きた教材」です。膨大な公開映像の中から、児童・生徒のみなさんが、自分たちの立場で「今、できること」を見つけることができる6つのテーマを抽出しました。災害映像は心に負担を感じるものも多いですが、「災害は怖い」という印象を極力抑え、こどもたち自身が効果的な防災対策を行動に移せるよう、映像を選びました。
- 【京都大学防災研究所との共同研究】
災害を取材した映像は、見る人の心に少なからず負担を与える恐れがあります。弊社では、このeラーニングサイトの本格公開に先立ち、京都大学防災研究所との地域防災実践型共同研究(一般・課題番号:2021P‐02)として、映像がもたらす「学び」と「心の負担」の関係について調査しました。大学生を対象とした調査の結果、大きな学びがある映像ほど心に感じる負担が大きくなる傾向がわかりました。裏を返せば、「心にズシンとくる映像ほど大きな学びがある」ということになります。
調査では「心の負担のわりに学びが少ない映像」を見つけて視聴対象から外せないかと考えましたが、有意にそう判断できる映像は見つかりませんでした。また、高速道路が倒れていたり、大きな火災が起こっていたりといった、教科書に載っているような写真とは異なる、若い世代にとって触れたことのない情報を含む映像のほうが、相対的に学びを感じるという傾向も明らかになりました。
調査対象期間:2022年5月〜2022年12月
調査対象:弊社社員が震災アーカイブを紹介する
講義を行った複数大学の学生
調査方法:抽出した映像クリップ30本の中から
10本程度を事前課題として視聴し、
学びと心の負担の程度を5段階で評価
回答者数:299名
回答数:2409
- 【「大震災でどんなことが起こるか」eラーニングの特徴】
ともすれば、「火災」や「建物の倒壊」など、現象に目が行きがちな震災ですが、「被災者が何に困っているか」が具体的に感じられて、子供の立場でもそれに備えることができるテーマの映像を集めました。
- 【今後の展開】
災害時の貴重な教訓がたくさん含まれた震災アーカイブを、教育現場などでより積極的に活用いただけるよう、防災教育関係者や全国の教育委員会等に働きかけるとともに、放送はもとより、出張講演や出前授業などの取り組みを通じて、防災・減災により一層貢献してまいります。
- 【ご参考】阪神淡路大震災取材映像アーカイブ「激震の記録1995」とは
発生の瞬間とその後の復興プロセスが映像でつぶさに記録されたはじめての大災害「阪神・淡路大震災」。私たちABCは被災地を取材し、その膨大な映像を保存してきました。震災から25年が経ち、記憶や教訓の風化が急速に進んだことから、映像が伝える「教訓」を広く共有し後世につなげたいと、CSR(企業の社会的貢献)活動の一貫として、この「激震の記録1995」をWEBサイトで公開しました。
40時間分・2000クリップの膨大な映像公開は放送局として異例のことでした。個人や家庭、学校での視聴を通じて未来の「防災・減災」に直接役立てることはもちろん、弊社この活動をひとつのきっかけに、自然災害に関する映像が広く社会に還元され、持続的に利活用が図られる世の中になればと考えています。
【公開日】2020年1月10日
【公開した総映像時間】約40時間
【公開クリップ数】2000クリップ