報道関係各位
2023 年2月6日
(一社)Team HOPE 広報事務局
ペットの予防医療の啓発・普及活動を展開する獣医師団体(一社)Team HOPE(チームホープ、代表 上條圭司)では、犬と猫の飼い主・ご家族(以下、ご家族と表記)412 名を対象に、「ペットの健康管理に関する実態調査」を実施いたしました。この調査は 2016 年から毎年実施し、今回で7 回目となります。
長く一緒に暮らす家族の一員として、ペットに定期的な健康診断を受けさせるご家族は年々増加傾向にあり、犬は55%、猫は40%にまで増えています。またお金をかけてもペットの健康のため、定期的に健康診断を受けさせたいと考えるご家族も53%を占め、ペットに対する健康意識の確かな高まりが現れてきています。
ペットの平均寿命は犬が14.76歳、猫が15.62歳※1 と年々延びる中、健康診断を定期的に受けさせることで病気の兆候を早期発見することが、ペットの健康寿命の延伸には不可欠とTeam HOPEは考えています。
※1 一般社団法人日本ペットフード協会 令和4年全国犬猫飼育実態調査
【調査結果の概要】
●定期的な健康診断を受診させているご家族は 、犬は55%、猫は40%と増加が続く。2016年は犬39%、猫24%で、犬・猫ともにこの6年間で16ポイント増加した。猫の受診率は伸長しているものの、犬に比べて低いため、さらなる啓発が必要。
●定期的な健康診断の受診頻度は、1年に1回程度が55%を占める。1年に2回程度が25%、1年に3回以上は18%。1年に2回以上が43%を占め、2016年と比べて7ポイント増加し、歳をとるのが早い犬や猫にふさわしい頻度での受診が増えている。
●受診のきっかけは、「動物病院ですすめられて」が50%と圧倒的に多い。ワクチン接種やフィラリア予防でその際にすすめられたのがきっかけになったと考えられ、動物病院による健康診断啓発の成果があがっている。
●健康診断についての考え方で、「お金がかかってもペットの健康のために健康診断を受けさせたい」と考えるご家族は53%。2016年は39%で、14ポイント増加し、ペットの健康管理に意識の高いご家族が増えている。
●定期健康診断で受診している項目は、問診・触診・視診が約8~9割。血液検査は7割、聴診が6割。泌尿器や消化器、内臓疾患の発見に役立つ、尿検査・便検査・レントゲンは2~3割の受診にとどまる。全身状態を把握するためには、尿検査・便検査・レントゲン検査まで受けることが今後の課題。
●健康診断で病気や異常が見つかった経験は27%。7歳以上では、犬40%、猫32%が見つかっており、リスクが高まるため、若い年齢からの健康診断受診による早期発見が重要。
【2月22日(にゃんにゃんにゃん)は「猫の健康診断の日」】
体調不良をご家族に見せない習性があり、病気の発見が遅くなってしまいがちな猫にも、健康診断受診の必要性を啓発するために、Team HOPEでは2021年に「猫の健康診断の日」を制定しました。
賛同動物病院では、今年も2月1日~28日の期間、「猫の健康診断キャンペーン」を実施します。詳しくはTeam HOPE猫の健康診断特設サイト
http://teamhope-f.jp/222.html をご覧ください。
★プレスリリース(PDF版)は以下よりダウンロードできます
https://prtimes.jp/a/?f=c-86019-2023020616-d7d9fd9c3602310e84ebe1fb60a7f9ab.pdf
【調査結果詳細】
今回の調査によって、主に次のことが明らかになりました。
□定期的な健康診断を受診させているご家族は犬で55%、猫で40%。2016年の調査開始以来、増加傾向が続く。
定期的に受診させているご家族は 犬で2016 年 39%⇒2022 年 55%、猫で2016 年 24%⇒2021 年 40 %に増加。犬猫ともに16ポイント増加した。猫の受診率は増加はしているが、犬に比べて低いため、さらなる啓発強化の必要があります。
□ 定期的な健康診断の受診頻度は、1年に1回程度が55%を占める。1年に2回程度が25%、1年に3回以上は18%。1年に2回以上が43%を占め、2016年と比べて7ポイント増加し、歳をとるのが早い犬や猫に適切な頻度での受診が増えている。
年に2回以上の健康診断受診が増えていて、健康意識の高いご家族が増加している。ヒトの4倍以上のスピードで歳をとる犬や猫にとって、1年に1回程度の健診受診では、早期発見につながらないこともある。特に7歳以上の犬猫では、年に2回以上の健康診断受診をTeam HOPEでは推奨しています。
□受診のきっかけは、「動物病院ですすめられて」が50%と圧倒的に多い。ワクチン接種やフィラリア予防で来院の際にすすめられたのがきっかけになったと考えられ、昨年に比べ9ポイント上がっていることから、動物病院による健康診断啓発の成果が見られる。
□健康診断についての考え方で、「お金がかかってもペットの健康のために健康診断を受けさせたい」と考えるご家族は53%。2016年は39%で、14ポイント増加し、ペットの健康管理に意識の高いご家族が増えている。
2016年には、「手頃な価格なら健康診断を受けさせたい」という考え方が優勢であったが、2021年以降、「お金がかかってもペットの健康のために健康診断を受けさせたい」が逆転し、2022年には過半数を超えました。
□定期健康診断で受診している項目は、問診・触診・視診が約8~9割。血液検査は7割、聴診が6割。泌尿器や消化器、内臓疾患の発見に役立つ、尿検査・便検査・レントゲンは2~3割の受診にとどまる。全身状態を把握するためには、尿検査・便検査・レントゲン検査まで行うことが大切であり、今後の課題。
受診が多いのは、問診 89%、視診79%、触診89%。聴診65%、血液検査65%。腎疾患や泌尿器疾患、糖尿病等を発見するための尿検査は26%(昨年31%)、消化管内の寄生虫の有無や、消化管内の出血や消化状態を診るための便検査は 22%(昨年25%)、肺や心臓、内臓の異常を診るためのレントゲン検査24%(昨年27%)と、いずれも昨年より減少しました。腫瘍や心臓疾患の発見に役立つ超音波(エコー)検査は14%が受けています。
問診・視診・触診・聴診・血液検査・尿検査・便検査・レントゲン検査の 8 項目は、大切なペットの全身の健康状態を正しく把握するためにぜひ受診してほしい項目であると Team HOPE はすすめています。
※Team HOPE健康診断解説動画 犬編 http://teamhope-f.jp/healthexam/dog.html
猫編 http://teamhope-f.jp/healthexam/cat.html
□健康診断で病気や異常が見つかった経験は全体で27%。7歳以上では、犬40%、猫32%で見つかっており、リスクが高まるため、若い年齢からの健康診断受診による早期発見が重要。
7歳以上になると、病気や異常の発見リスクが高まります。7歳以上の犬では40%に病気が発見され、(1)腫瘍28% (2)循環器19% の病気・異常の割合が高い。7歳以上の猫では32%に病気が発見され、泌尿器の病気が40%を占めています。
<今回の調査について>
一般社団法人Team HOPE代表 ゼファー動物病院院長 上條圭司
私たちTeam HOPEは2013年の設立時から、「ペットの健康診断を推進する」ことをミッションに啓発活動を推進しています。健康診断受診率が年々継続伸長しており、私たちの活動の成果が着実に現れていることは喜ばしいことです。ペットを家族として迎えたら、まず最初に動物病院で行うのがワクチンなどの予防医療と健康診断です。我々獣医師は子犬、子猫が先天的な病気を持っていないか、順調に発育しているか、などを視診や触診、聴診などを通して細かくチェックします。これが最初にペットが受ける健康診断になります。調査結果にもあったように、若い時には健康でも、7歳以上になると病気のリスクが高まります。ペットが健康な時にこそ健康診断を受けていただき、普段の健康な時の正常値を知っておくことで、具合が悪くなった時にとても参考になります。毎年健診を受けると年齢的な変化にも早く気づくことができるので、健康な時から健康診断を受けさせるという事は決して無駄な事ではありません。Team HOPEが定めている健康診断は、問診、視診、触診、聴診、血液検査、尿検査、便検査、レントゲンの項目があり、全国どこの動物病院でも同じ内容で受けることができます。飼い始めから、その子をよく知っている獣医師にその子にあった健康診断について相談していただき、人間同様ますますペットの健康寿命が延びることを今後も期待しています。
<調査概要> 調査方法:インターネット調査
1)調査対象者:犬、猫のご家族 412 名(全国、20 歳以上)
内訳 犬のご家族 206 名(最年長の犬の年齢 7 歳未満 103 名、7歳以上 103 名)
猫のご家族 206 名(最年長の猫の年齢 7 歳未満 103 名、7歳以上 103 名)
2)実施期間:2022 年 12 月 9日~10 日
<一般社団法人Team HOPE> http://teamhope-f.jp/
全国の獣医師・動物病院が Team となって、ペットの予防医療と健康管理の普及・啓発活動を推進し、ペットにやさしい社会の実現を目指すプロジェクト。全国2600を超える病院が賛同している。